'starvation cult' 宗教カルト事件とマリンディ
魚座土星期には、宗教カルトによる事件が増えそうと以前に書いたことがありますが、ケニアで「餓死すれば、イエス・キリストに会える」と騙されて、多数の信者が餓死するという事件が起きました。
ケニア「餓死カルト」、死者90人に 遺体安置所満杯で捜索中断 - ライブドアニュース (livedoor.com)
事件が発覚したのは4月初め。場所は、インド洋に面した都市マリンディ近くのシャカホラの森。警察に通報があり捜査していたそうです。
最初のニュース(4月14日)では、7~49歳の男性7人、女性4人、計11人が病院に搬送されたが、4人が死亡したとのことでした。
ところが、死亡者はこれだけでは済まなかったんです。24日ごろのニュースは「47人の遺体発見」になり、26日のニュースでは「死者90人に 遺体安置所満杯で捜索中断」となりました。
遺体の大多数は子どもで、さらにまだ多くの遺体が埋葬されている可能性があり、ケニア赤十字社は「200人以上が行方不明になっている」と報告しています。
グッドニュース・インターナショナル教会とは
ケニヤのマリンディとその周辺に拠点を置くキリスト教 福音派グループで、ポール エンセンジ マッケンジーによって2003年に設立されました。
教会のサイトによると以下のような紹介がありました。
wikiによると、この教会は反西洋的で医療、教育、スポーツなどは「西洋の生活の悪」とし、米国、国連、およびカトリック教会を「サタンの道具」と呼んでいたそうです。
また、フデュマ ナンバと呼ばれるケニアの生体認証システムが、「獣の印」であると信じ、終わりの日が差し迫っていると主張していたとのこと。
教会が設立された日のチャートをもとに、トランシットを見てみます。
外円は2023年3月21日新月のチャートです。
内円(設立時)は、ノード軸は牡牛座と蠍座。ネイタル太陽と金星、木星がコンジャンクション。太陽とノードがぴったりスクエア。
マッケンジー牧師は、カリスマ性のあるシャーマンという感じです。wikiには、神と話が出来ると信者に信じられていたと書かれています。
太陽・木星と天王星とオポジションの範囲なので、ゆるくグランドクロスが出来ています。
2010年後半頃から教会内部のことで批判が出始め、2016年には信者の寄付金で、車を購入したりテレビ広告を出したりします。
2003年からスタートして、2010年、2016年、2023年と約7年毎なので、土星サイクルが関係していそうです。
2010年には土星は天秤座に移動しており、ネイタルの蟹座土星とはスクエア。2016年後半、土星は射手座でネイタル冥王星とコンジャンクション。
2017年、マッケンジー牧師は、学生に学業を放棄するよう扇動したとして起訴されました。また子供たちへの医療を否定した結果、数人の子供が死亡しました。
2019年5月にも扇動容疑で再逮捕されています。
今年3月にも、子ども2人が親に餓死させられた事件で逮捕されましたが、保釈金約9万8000円を納付し釈放されていました。
(外円)教会開設かから約20年経過して、ノード軸は回帰しています。
トランシット(以下、Tと略す)のノード軸とネイタル海王星でTスクエアが形成されているようです。T天王星は、ネイタル冥王星とクインカンクス。T冥王星はネイタル太陽とクインカンクス。
ネイタルの山羊座カイロンとT牡羊座カイロンがスクエア。
そして、T土星がネイタル天王星とコンジャンクション、ネイタル木星とオポジション。T土星が魚座に入ったのが、きっかけになった感じです。
ケニアは信仰心が強い人が多く、宗教カルトに大勢が誘い込まれる事件が過去にも複数発生しているそうです。
マリンディ王国
マリンディはどういう土地柄なのか調べてみました。
7、8世紀頃のケニアの海岸地域にはアラブ人が定住しており、マリンディには、9世紀から15世紀にかけてスワヒリ文明の一部として発展した「マリンディ王国」がありました。
マリンディ王国は貿易の交差点とも言える場所で、ムスリム商人が多く来訪し、明中国、インド、ポルトガルとも交易があったそうです。
マリンディの特産である象牙とサイの角、ココナッツ、オレンジ、キビ、米などの農産物を輸出していました。
(※ムスリム・・・アラビア語を話すイスラム教徒。ムーア人とも呼称される)
1497年にヴァスコ・ダ・ガマ(1460年頃 - 1524年12月24日/25日)が訪れたのを機に、ポルトガルは1630年までマリンディを統治することになります。
マリンディはすでに繫栄した町でしたが、近隣のモンバサ(約100キロ南西に位置する)に大きく遅れをとっていました。
ポルトガル人がマリンディをインド交易の中継地にしたとき、マリンディの支配層はポルトガルの軍事力を利用してモンバサを征服しようと考え、ポルトガルを大歓迎したそうです。
1593年まで、マリンディは東アフリカでのポルトガルの活動の中心でした。
しかし、ポルトガルの拠点がモンバサに移されたことにより、町は徐々に衰退し、内乱によって17世紀の終わりには消滅したと言われています。
キリスト教伝来と復活した町
1498年ごろ、マリンディの人口(5,000人から10,000人)の大多数は、イスラム教徒でしたが、フランシスコ・サビエルらによりキリスト教が伝えられました。マリンディでは、ザビエルは守護聖人として崇拝されています。
隣のモンバサには、スペイン王・フェリペ2世の命令により建設された「イエスの砦」と呼ばれる要塞があり、2011年に世界遺産に登録されています。
1585年から1589年にわたり、オスマントルコが度々ケニアに侵攻し、モンバサと近隣のキルワで数千人が虐殺されたため、ポルトガルはこの地域を管理するためにイエス砦を建設しました。
モンバサが、ポルトガルにとって重要な地であったことを示していますね。
1845年、ルートヴィヒ・クラプフというドイツ人宣教師が、東アフリカの海岸線を探索中に、植物が生い茂りジャングルのようになった無人のマリンディの町を発見しました。1542年にフランシスコ・サビエルが建てた教会が残っていたそうです。
クラプフは、近代ケニアにおけるキリスト教の布教に大きく貢献した人物でした。彼は、モンバサの北西約12マイルにあるラバイ(またはラバイムピャ(ニューラバイ))という町に伝道所を設立し、現地の言語を学び、聖書をスワヒリ語に翻訳しました。
ケニアの英国国教会は、クラプフを建国の父として称えています。
ポルトガルはカトリックの国なのですが、ケニアではプロテスタントが上回っているのは、クラプフがルター派の宣教師だったせいでしょうね。
現在のマリンディ
その後のマリンディは、1861年にタンザニアのザンジバル州のスルタンに征服され、19世紀の終わりまで奴隷貿易の中心地として機能しました。
1890年にはイギリス保護領になり、イギリスは奴隷貿易と奴隷制の両方を廃止しましたが、これは農業生産の著しい減少をもたらしました。マリンディには、農業以外ではほとんど産業がありませんでした。
1907年にケニアの首都は、モンバサからナイロビに変更されています。(正式には1963年)
1930年代にヨーロッパ人がケニアに戻り始め、観光業が盛んになりますが、第二次世界大戦中は連合軍とイタリア軍の間の戦闘の場所となり、マリンディは爆撃されました。
現在のマリンディはリゾート地として発展しています。
宗教カルトによる集団自殺、大量殺人事件
アフリカでは、2000年3月17日にウガンダで、神の十戒の回復運動の指導者ジョセフ・キブウェティーレが世界の終わりが来ると予言したため、信者たちの集団自殺(に見せかけた虐殺)が起きていました。
2000年ウガンダのカルト虐殺-ウィキペディア (wikipedia.org)
信者たちは、肉とコーラのパーティのあと、教会の火事で530人が死亡しました。警察発表によると、窓とドアが板で封鎖されていたそうです。
ジョセフ・キブウェティーレは、事件直後に失踪し捕らえられていません。
◆1978年11月18日に南米ガイアナで、人民寺院が開拓したコミューンのジョーンズタウンで大量殺人、もしくは集団自殺によって信者918人が命を落とした。人民寺院 - Wikipedia
◆1994年10月にスイスとカナダで集団自殺したとされ、53人(うち子供16人)が遺体で発見された。教祖を含め信者は高学歴で社会的地位のある裕福な白人が多かったため、全世界に衝撃を与えた。太陽寺院 - Wikipedia
◆1997年のヘール・ボップ彗星出現の際に、教祖アップルホワイトと38人の信者達が集団自殺した。ヘヴンズ・ゲート (宗教団体) - Wikipedia
◆オウム真理教による無差別テロ事件にも、ドゥームズデー信仰の影響が示唆されている。オウム真理教事件 - Wikipedia
上の5つの事件図を並べてみて思ったのは、木星のアスペクトの影響がありそうだということ。木星は、宗教の意味があります。
2000年のウガンダの事件は、木星と土星がコンジャンクション、海王星とスクエア。
1978年人民寺院は、木星とカイロン、金星でTスクエア。
1994年太陽寺院は、木星とノード、金星がコンジャンクション。
1997年ヘブンズゲートは、木星と天王星がコンジャンクション。
1995年地下鉄サリン事件は、木星と土星がスクエア。
そして、今回のマリンディは、木星とカイロンがコンジャンクションしている時でした。
もちろん星の影響だけで、事件が起きるわけでありません。またカルトは宗教にかぎりません。カルト - Wikipedia
無差別テロなど様々な凶悪事件には、社会不安がそのベースにあると思います。重税や金融不安、感染症や薬害などに加え、「新しい戦前」や「有事」という言葉を目にする昨今、国民の不満や不安が表立っては見えなくても、水のしずくがいつか岩を穿つように沁み込み、静かに広がっていることでしょう。
そこにカリスマ性のある人物が登場して、その人物を救世主として仰ぐ人達により、今までとは別のスタイルのカルトが出現するかもしれません。
人はつい、強い意見を言う人に従ってしまいますね。
しかし、どんな時も「自分はどう生きたいか」を見失わずにいたいものです。自分の人生の舵取りを人任せにしないで、人生の主役を生きましょう。地味でも失敗ばかりでも、全然問題ありません。どんな自分も受け入れ、赦し、愛し、信じる。何よりそれが一番だいじです。
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