ウィング・ウォーク・レディ*グラディス・イングルのホロスコープ
X(旧Twitter)で衝撃的な映像を見ました。
1926年のフィルムだったんですが、飛んでいる飛行機から別の飛行機に乗り移って、空中でタイヤ交換している映像でした。
映像を見る限り、命綱やパラシュートはつけていません。それもびっくりなんですが、その人が女性だったのでまたびっくりでした。
女性の名は、グラディス・イングル(Gladys Ingle、1899年3月28日-1981年10月27日)。アメリカ合衆国ワシントン州ワラワラで生まれました。
グラディス・イングルは、1921年にパイロット免許を取得した4人目の女性で、空中スタントチーム「13 Black Cats」の唯一の女性メンバーでした。
13Black Catsは単にBlack Catsとも呼ばれ、1920年代にロサンゼルスを拠点とするパフォーマーのグループで、主に飛行機を使用し、オートバイや自動車も使用してスタントを行っていました。
イングルは、翼歩行(ウィング・ウォーキング)で有名だったそうです。
上の映像はニュース映画として撮られたそうですが、ほかに翼の上でテニスをする写真もありました。
イングルは1899年3月28日生まれ。やっぱりの太陽牡羊座。
牡羊座は、誰もやっていないことや知らないことにチャレンジする勇気があります。
この太陽に小惑星セドナがぴったりコンジャンクションしていました。
神話によるとセドナは、北米極北地方に住むエスキモー系先住民族(特にカナダのイヌイット)の神話に登場する海の女神で、「海の女王」と呼ばれています。
占星術でのセドナは、根本的な恐怖やトラウマ、他者とのつながりや世界における安心感に関係しているそうです。
牡羊座のセドナは、自分の怖れに立ち向かい行動を起こすと言われていて、翼の上のスタントも「全然怖くない」と言ってのけたというイングルそのものという感じです。
牡羊座7度の太陽は、射手座天王星と同じ度数でトライン。
太陽と天王星のソフトアスペクトは、気さくな性格で古い考え方に縛られない、進歩的な人と言えるでしょう。
時代的にも女性のパイロットはかなり珍しい時代でした。
しかも圧倒的に男性が多かったスタントの世界に飛び込んだのも、古い考えに囚われがなかったからですよね。
また射手座にはカイロンも含めると3天体が入ってステリスムになっており、射手座の特質である冒険を好む性質も発揮されています。
牡羊座のルーラー火星は蟹座24度にあり、水瓶座25度金星と射手座23度土星とでヨドを形成しています。火星が頂点のヨドは大胆さを引き出します。
プライベートはまったく知りませんが、蟹座の火星は家族思いで、家族の世話を焼く人だったんじゃないかと思います。努力家でもあったでしょう。
射手座土星は、双子座22度海王星とオポジション。これは、古い社会を変えて行こうとします。
いくら先進国とはいえ、アメリカで4人目の女性パイロットになったことも驚くべき偉業ですよね。
このオポジションに対して、牡羊座25度水星と水瓶座25度金星がコンプロマイズになりクレイドルが出来ています。
クレイドル(ゆりかご)は、ピンチの時に救いが現れる、と言われるアスペクトです。「ピンチの時」というのがミソですが。
彼女は一度も大怪我をしたことがなかったそうです。
気になるのは射手座13度のカイロンと、双子座13度の冥王星のオポジション。これは、死や性に関してトラウマを持っていることを表すそうです。
彼女についてはWikipediaぐらいしか情報がないので、勝手に想像するしかないですが、命知らず命がけのスタントに夢中になる人は結構タナトス(死への衝動)に無意識に魅入られているところがある気がするんですよね。
ポジティブな見方をすれば、性差による職業観を改革してパイロットやスタントマンの世界に女性が活躍する道を開いたとも言えると思います。
危険を恐れず、翼の上でタイヤ交換が出来る冷静さと技術の確かさも、カイロンと冥王星のオポジションのエネルギーのようにも思います。
グラディス・イングルは、1981年10月27日に82歳で亡くなりました。
生まれ時間がわからないので月の位置が微妙ですが、月は天秤座後半か、蠍座の始めのほうです。イメージは蠍座の月が合う気がします。
トランシットを見るとこの日は新月でした。もしかするとネイタル月(蠍座とした場合)の上に、トランシット太陽と月が重なり、個人新月になっていたかもしれません。
先日亡くなったヘンリー・キッシンジャーも報道の通りだとすれば、個人新月の影響があったと思います。個人新月で亡くなるわけではないですが、日食のような作用が働くんでしょうね。
ほかにはネイタル土星にトランシット海王星が乗り、ネイタル海王星とオポジション。40代でミドルライフ・クライシス(中年の危機)の配置が出来るように、80代になるとレイトライフ・クライシス(というのかな?)の配置が出来ています。
グラディス・イングルの魂の設計図は、牡羊座太陽&水星の勇気と、蠍座月&木星の集中力、水瓶座金星の冷静さとスキルの高さ、蟹座火星の情熱と賢明、射手座ステリウムの冒険心がいい塩梅に配合されて、素晴らしい功績を残しました。
彼女の活躍が同じ時代の女性たちに新しい活躍の場を開き、情熱があれば女性も何でも出来るという夢も与えたでしょうね。
グラディス・イングルの写真や映画は、航空博物館やスミソニアン航空宇宙博物館に所蔵されているそうです。
お読みくださりありがとうございました。ではまた。