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教会が燃えることの意味を探る

先日、Twitterフォローしている外国人の女性が、1683年12月8日にチリ・サンティアゴで起きた教会の火災について書かれていました。

Church of the Company Fire
この火事については日本語wikiがないので英語のwikiから引用しますと、火災は1683年12月8日午後7時の数分前に発生したとのこと。
この日は、キリスト教の「無原罪の御宿りの日」(「マリアはその存在の最初(母アンナの胎内に宿った時)から原罪を免れていた」という教義に基づく)でした。
教会にはたくさんのろうそく、石油ランプ、また壁には布による装飾が施されており、主祭壇には聖母マリアの大きな像が半月の上に立っていて、それ自体が巨大な枝付き燭台だったとのことです。この聖母マリア像の燭台の上部の火が布に燃え移ったのが火災の原因だったと思われています。

この日は風が強かったようで、内側に開く教会のドアから突風が吹きこみ、燭台を叩き落としたため火の回りが早かったそうですが、それだけでなく、ミサに集まっていた2500人以上が亡くなりました。
この教会の規模の大きさが伺われますね。

しかし、この教会には設計上の欠陥がありました。それはドアが内側に開くように作られていたことです。これが死者の数を大きくした原因のひとつでもあるでしょう。
この日は、多くの人を収容するため、正面のドアを残して他のドアを閉め切っていました。(内側に開くドアのため、開閉部分を潰して座席にした)
そのため、多くの人が正面のひとつのドアに殺到し、将棋倒しになった結果、奥のほうにいた人たちは逃げ道を失ったのでしょう。

さらに悲劇は、男性と女性は左右に分かれて座っており、その間には鉄格子?があったそうで、多くの女性が逃げ遅れたため、死者のほとんどは女性や子供だったと言われています。
この時代の女性たちの服装は、スカートの内側にフープ(針金でスカートにボリュームを出す)を仕込んでいたため、動きが取りづらく、裾を他の人に踏まれたり、挟まれたりして避難を困難にしたと想像されます。

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いったん、外に逃げた男性たちは残っていた人たちを救出しようとしますが、救出活動は困難を極め、教会は火災発生から約3時間後の午後10時に、内側に焼け崩れたため、まだ生存していた人たちの命が失われました。

数千人が参加するミサですから、司祭の数もひとりふたりではなかったはずです。火事の間、司祭たちは何をしていたかというと、聖具室と呼ばれる場所に避難し火事の間、その部屋の扉を閉めていました。おそらく、その部屋は祭壇の裏か横にあったと思われます。
なぜ、司祭たちは聖具室に籠ったかというと、貴重な聖遺物を守るためだったそうですが、礼拝堂に通じる扉を閉めたことで命が助かりました。
この教会は、イエズス会のコンパニア教会でした。

(この悲劇的な火災に作為がなく、偶然に起きた災いであったことを祈るばかりです。)
その後、教会は取り壊され、国会議事堂が作られますが、現在は公園となっているそうです。


1863年12月8日の数秘は11。11は直感的で、センシティブなエネルギーを持っています。11はウエイト版タロットカードに対応させると「正義」、マルセイユ版では「力」になります。
この日のホロスコープをデータバンクで探したけれど、見つけられなかったので作ってみました。

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ちょうど太陽が地平線に沈むタイミングでミサが始まろうとしています。
ディセンダントが射手座なのも宗教を感じさせます。
MCにコンジャンクションの海王星が不気味です。

射手座ルーラーの木星は、5ハウス蠍座にあって、月(民衆)と火星(火)と合の範囲でステリウムです。Nノードは火のそばにあります。
この場合の木星は、司祭たちでしょうか。
5ハウスには、お祭りやイベントという意味もあるので、宗教行事に多くの人が集まっていたということです。
木星は、11ハウス牡牛座の冥王星と緩くオポジションを取っています。
11ハウスには集団という意味がありますので、これも教会に集まった多くの人々を指しているでしょう。
冥王星は、火星と親分子分のエネルギーですので(冥王星がワンランク上のエネルギー)、オーブが14度離れていますが、木星(宗教)を通して影響を与えたと思われます。

生と死の部屋8ハウスのカスプルーラーは土星。
事件図では、8ハウスのカスプルーラーは、事件が起きた場所を表すそうです。土星は4ハウス天秤座にあり、太陽、水星とはセキスタイル。木星とはセミセキスタイルで、サイキックアイが出来ています。
4ハウスは家(基盤)を指します。また、土星は権威を表します。射手座の太陽の家は、民家ではなく教会ですね。

太陽と水星には、1ハウスの天王星がオポジションになり、それは突然に起きたことを言っています。水星はチャートルーラーです。
太陽のサビアンシンボルは皮肉なことに「復活祭の日の出の礼拝」という、宗教チックな意味合いを持っています。

また天王星は、金星とトラインです。金星は天秤座の最後の度数で、あと少しで5ハウスに入ろうとしているところです。5度前ルールでは5ハウスになります。
金星(女性、子ども)はMCにコンジャンクションしている海王星と150度。海王星に捕らえられてしまったと感じました。


さて、この悲劇にもヒーローがいました。
トーマス・H・ネルソン特使はすぐに現場に駆けつけ、救助活動を支援しました。この人は、1861年にエイブラハムリンカーンによってチリの米国特使に任命されていました。このときの迅速な救助活動により、彼は「チリの真の英雄」として賞賛を受けました。


ところで、教会の火事で私が思い出すのはパリのノートルダム大聖堂の火災なんですが、サンティアゴでは2020年10月19日にアスンシオン教会が放火されました。
この放火は、地下鉄の運賃値上げに対する反政府デモ隊によるものと言われています。「反政府」というところが肝心ですね。
このとき2つの教会が放火されましたが、どちらもローマ・カトリックの教会です。ネット検索すると火事の写真が出て来ますが、尖塔が火に包まれ焼け落ちる写真は、ノートルダム大聖堂の火災とオーバーラップしました。

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タロットカードの16番タワーに描かれている塔は、ウエイト版では塔=権威の象徴に天罰が下るイメージで描かれているように見えます。
しかし、これも後世に予測プログラミングのように意図的に植え付けられた概念かもしれません。

マルセイユ版のカードを見ると、少しイメージが変わります。

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天から下るエネルギーは破壊のように見えて、地上に恵み(マナ)を降らせているように見えるのです。そして、人は驚いてはいるけれども悲壮な様子ではないようです。

塔(権威、教会)が焼けるとき、それが神の峻厳(ボアズ)の現れであるならば、それは浄化となるでしょう。そして、浄化は神の慈悲(ヤキン)でもあることでしょう。峻厳と慈悲は、決して二元を表すのではなく、1なるものです。

1683年12月8日に召された約2500人の魂が安らかでありますように。

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