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「美味しんぼ」再読備忘録2024「サラダと美容」‐第五巻「青竹の香り」第7話‐

山岡が社主室に呼び出されている。谷村部長も一緒だ。でも栗田さんは居ない。どうしてか?というと、大原社主の知り合いの広告会社の守谷会長の縁続きのお嬢さんのお見合い相手として山岡に白羽の矢が立ったのだ。

業務命令だ!って谷村部長も居るのはそういうことやったんか!
いかにも不機嫌そうな山岡とそれをドンマイって感じで見守る谷村部長の図

業務命令として無理矢理連れてこられ、お見合いの席で終始不機嫌な山岡。お見合い相手の女性もなにか沈んでいる様子だ。

お見合いが終わり、定番の台詞であるところの「後は若い二人だけで」と送り出された山岡と昭子さん。しかし、

そそくさと帰ろうとする昭子さん
若い二人の和解。ここ笑うとこやで。

ちょっと打ち解けたことでお腹が空いてきたと昭子さん。そういえばレストランでもほとんど何も召し上がってなかったから、なにか食べたら、との山岡のすすめに昭子さんはサラダだけ注文する。

ダイエットにサラダ
さらに塩

作中では何も入っていないただのグリーンサラダが出てきたようだが、この当時の昭和の時代のサラダと言えば、レタスやトマトやきゅうりスライスと玉ねぎのスライスなんかと一緒に缶詰のホワイトアスパラガスが必ず入っていた。

白いフレンチドレッシングがかかってるのが定番

そうそう。こんな感じ。この木のボウルも懐かしいな。

昭和の時代、喫茶店というには食べるメニューが充実しすぎているが、本格的なレストランほどでもない、喫茶店+レストラン÷2=みたいな店が多くあった。夜は珍しい洋酒なんかも出すレストラン+バー÷2=みたいな形態になる店というかなんというか。

そんな店で出してた木のボウルに入ったホワイトアスパラガス入りのサラダの画像、ちょうどよいのがなくて食品サンプルの畑中さんのホームページからお借りしました。(https://ii-fake.com/?pid=156654390

そしてなんか謎の3人組がやってくる。

昭子さんはこの男を知っているようだが…

「なんてひどい趣味だ。よくそんな服を着て人前に出てこられるね。」と失礼な男。このコマを見た全員が「( ´∀`)オマエモナー」「自分のこと言うてんのか?」「自分の姿を鏡で見て出直してこい」と思ったはずである。

この無礼な妙ちきりんなファッションの男は、売り出し中の若手ファッションデザイナー広田だそうある。昭子さんとは昔婚約してた仲だったそうだ。しかし、それにしてもさっきの発言はヒドイと山岡が文句を言うが…

何やらいわくがありそうだが…

昭子さんはファッションデザイナーの妻に見合うようにと、一生懸命にサラダを食べてダイエットしていたが全然痩せず、太っている自分ではふさわしくないと思い、自暴自棄になり、昭子さんの方からから婚約解消したらしいとわかる。

広田は広田で、そんな昭子さんの気持ちがわからず一方的に婚約破棄され傷つき、昭子さんに逆にあんな態度を取ってしまったらしい。外見でなく、昭子さんの人間性に惚れ込んでいるので、太っているからファッションデザイナーとしての妻にふさわしくないとかどうでも良いんだ、と語る。

太っていることを気にしている昭子さんにそんなぶっきらぼうな言い方ではなかなか通じないであろうが、まあ結局二人は愛し合っているのだ。こんがらがってしまった二人の絆を解きほぐすのは山岡の役目である。

そして山岡が昭子さんのやり方では健康に痩せることは出来ないと、正しい栄養のとり方、ダイエットになる野菜の調理法などを指導し、広田さんも昭子さんの今の体型に合わせてドレスを作ってきて、太ったら太ったで、痩せたら痩せたで、君の体型にあった服を作ってやると言い、メデタシメデタシとなる。

そういやこのあたりから、レタスやきゅうりやトマトを切って皿に盛って、マヨネーズかけるだけ、ゆで卵やハムでも入ってたらご馳走みたいなのから、ツナ缶をつかったり、ドレッシングにも色々と凝るようになってきたと思う。ノンオイルドレッシングもこのころに登場してきたのか。

となるとまさにこの回は時代の流れに合わせた「美味しんぼ」からの提言とも言えますな。

サラダと言えば、リケンの青じそドレッシングやキューピーさんの中華や胡麻のドレッシングですよね。参考までにこちらをどうぞ。

しかしこの回はなんといっても…

その1
その2
その3

我らがヒロイン栗田さんがヤキモチを焼くカワ(・∀・)イイ!!!姿を愛でる回であることは間違いないところであろう。(´∀`*)ウフフ。(つづく)


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