「美味しんぼ」再読備忘録2024「中華そばの命」‐第二巻「幻の魚」第8話‐

高校の同窓会に出席している栗田さん。先生に挨拶する。「新聞社に入社して家庭欄の食べ物コーナーの担当なんて、クラスでも一、二をあらそう食いしん坊だった貴方にピッタリね」と先生にお褒めの言葉を頂戴する。

他のクラスメートも交えてそんな話をしていたら、先生はふとまゆみさんとますみさんという双子の生徒が中華そば屋さんと結婚したことを思い出して双子の生徒を呼ぶ。「栗田さんに記事を書いてもらって新聞で宣伝してもらったら」と声を掛ける先生。

しかし双子にはなにか悩みごとがありそうな雰囲気だ。「卒業しても先生であることには代わりがありません。悩み事があったら相談なさい」と言うと双子はよほど悩んでいたのか先生の胸に飛び込んで助けを乞うた。

一同は双子の姉妹の嫁ぎ先の中華そば屋さんに向かっている。状況を説明する双子の姉妹。双子の姉妹は同じく結婚相手も双子の兄弟であり、双子同士の結婚で最初は非常に気が合っていたという。

そしてその中華そば屋さんはとても繁盛しており、当初は幸せで平穏な日々だったのだが、その中華そば屋さんが「中華そばマニア」というガイドブックで最高の三つ星をもらったのがきっかけで兄弟が大喧嘩しているという。

最初は冗談でこの三つ星はどっちのおかげかな、など笑い合っていたら、だんだんそれが本気になり、ついには仲違いして店が分裂してしまう騒ぎなのだという。

先生は助けてあげようにも中華そば屋さんの味にも関わることなので「本当に味の分かる人に判定してもらわないと…」と思案しており、クラスメートも「そんな人いるかしら…」と困惑している。

しかし、「そんな人の心当たりあるんだけど…」とおずおずと切り出す栗田さん。もう少しすると「大丈夫!私に任せといて!」とか言うようになっちゃうんだけど、この時期は初々しいな。山岡の操縦法もまだ掴んでないしな。

こんなことしなくても山岡は動くぞ!栗田さん!

そして山岡の策略が見事に当たり、やっぱり双子は協力して中華そば屋さんをやったらそれが一番!メデタシメデタシというお話なのだが、ちょっと待て。

麺打ち名人の紅竜さんの麺はまあ作り置きが可能やから良いとして、茹でるのとスープ担当の白竜さんはスープはともかく茹で加減に関しては山岡曰く「天才的な勘」でやってるらしいので、二店舗作っちゃってんのに、回せないだろ?。人雇って解決できる話じゃないしどうすんだよ。

まあ店は目と鼻の先の向かいにあるので移動も大したことないからエエんかもしれんけども。作ってもうた店どうすんねん?っての気になったな。まあ先生も「もとどおり双子の夫婦は幸せをとりもどした」言うてはるからエエんかな。白竜さんは天才やから向かいの店に運ぶ時間、客が口にいれる時間まで計算してるとかな。

そして栗田さんやけど、味をみる際にだんだんとその表現が具体的になってきてるのである。味覚の鋭敏さ、感性は確かなものがあったが、その表現が以前は「美味しい」「なにかひと味…」くらいだったが、

テレレレッテッテッテー♪
くりたさんはれべるがあがった


どこが駄目なのか、を少しづづ表現出来るようになってきているのである。

第二巻はこれで最後の回である。今回、あまりツッコミどころがなかったなあ。次回から第三巻を読み返していくが、栗田さんの成長にも注目しながら見ていくとしよう。(つづく)


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