見出し画像

「美味しんぼ」再読備忘録2024「直火の威力」‐第四巻「食卓の広がり」第1話‐

さて、はやいものでもう四巻ですな。頑張ってやっていきましょう。

栗田さんと山岡が周大人の夫人の芳蘭さんにとある高級そうな中華料理店に呼び出されている。食事しながら夫人の悩み事を聞いてほしい、しかし周大人には内密に、とのこと。何やらいわくがありそうな。

ご夫妻の娘である香玉さんが周大人の家のお抱えコックの王士秀と恋仲となり、それは身分違いから認められないと厳しく叱ったら、二人は手に手を取って駆け落ちしてしまったというのだ。そして夫人は人をやって調べさせたら、半年後にようやく居場所が判明して、二人は蒲田の場末に中華料理屋を出してたという。

しかし娘さんの香玉さんは赤ん坊をしょって店を切り盛りしているようで。家出して半年後、赤ん坊、なにか時間経過がおかしいような気がしないでもないが、こんなことを父親である周大人に正直に話したら卒倒してしまうであろう。

身内の恥でもあるし、誰にも相談できず、悩んだ末に、思い余って栗田さんと山岡に、ってむしろ赤の他人の栗田さんと山岡だから話しやすかったのかもしれない。

こうまで見込まれては栗田さんと山岡も一肌脱ぐしかない。とりあえず、その蒲田の店に行ってみた。蒲田の場末というのがどういう土地柄なのか、関西からほぼ出たことない俺様には全くピンとこないが、店は行列ができるくらい大繁盛していた。

カエルの炒め物や中国青菜の炒め物などいくつか料理を食べてみると美味しい。しかし山岡はなにか釈然としない様子。山岡は最後に炒飯を頼む。そして一口食べて「美味しいんだけど今ひとつなんだよ」と文句を言う。

流石に怒り出す王さん。しかし、周大人の夫人芳蘭さんに頼まれて様子を見に来たんだと正体を明かすと態度を固くする二人。しかし栗田さんが「芳蘭さんは味方である」と話すと素直に聞いてくれた。やっぱり外国人で、赤の他人である、栗田さんと山岡に頼んだのは正解だったかもしれない。

王さんはこの場末の店が繁盛しているので自信をつけ、大きな店を持ちたいと希望を持った。そして華僑の同郷の互助会的な集まりに援助を申し入れた。しかし、周大人も王さんと同じ広東出身でしかもその集まりの代表であるという。周大人の要望で王さんの腕を試験するということになったようだ。

日本人の考え方だと娘をさらって駆け落ちした男にそこの代表である父親が好意的に融資なんかするわけないのに、どっか遠くのよその土地で頑張ったら良いじゃん?。なんで援助を申し入れるのかわけわからん、となる思う。

中国人のこの同郷というのは日本人が考えるよりもっと複雑で厳しいので、ここを避けて通ったら、それこそ何をされるかわからん、最悪、王さんは殺され娘さんと赤ちゃんだけ戻されるということもあるのだろう。しらんけど。

山岡は「王さんの腕は水準以上であるので、試験は問題ないかもしれない。(でも不安が残るので)俺も試験には参加させてくれ」と言い出す。実際、食通である周大人のお抱えのコックであった王さんの腕は当然水準以上であろう。そして周大人も他の幹部の前では娘を奪ったコックをわざと貶めることも出来ないであろう、けどなにか不安が残ると山岡は考えている。

そしてその試験当日、王さんの料理はやはり評判が良い。しかし周大人が最後に「炒飯を作ってこい」と言い、作った炒飯を食べて

しっとり炒飯が好きとか言えない雰囲気だ…
絶体絶命

しかし山岡が立ち上がり…


来ててよかった山岡

そして山岡の提案もあり、なんとか再試験となる。蒲田の中華料理屋に戻って、山岡が手本を見せる。

しかし、山岡はいつ中華料理の修行を?
大事なのはやはりメンタル

そして再試験では見事合格となり、融資も充分すぎる額が提供され、周大人も王氏を婿どのと呼び家族と認められる。メデタシメデタシ。

いやしかしちょっとまってくれ

俺様もこの回を見てからは、中華料理の鍋振りって「鍋から放り上げられた飯が空中で炎を通り抜ける。その時、炎に直に炙られる。それによって余分な油がとんで飯がパラリとなり香ばしくなる。これが本当の炒飯なんだ」というこの山岡の台詞を素直に信じていたが…

YOUTUBEなんかで炒飯名人の動画を観てほしいのだが、誰も山岡のように豪快に振ってない。米が直火で炙られてないのであった。

わかってます。わかってます。気持ちの問題ってことは、でもねでもね。何年もこれが本物なんだと信じていた俺様は…あーなんかひとりモヤモヤするわ…(つづく)

いいなと思ったら応援しよう!