「美味しんぼ」再読備忘録2024「もてなしの心」‐第五巻「青竹の香り」第8話‐
東西新聞社文化部に人間国宝の陶芸家唐山陶人が若い女性を連れて訪ねてくる。文化部部長の谷村が「お孫さんですか」と声を掛けるとなんと今度結婚することになった嫁だ、と紹介してきた。その披露宴に招待すると言う。
披露宴に招かれた谷村部長、栗田さん、山岡。当然弟子の海原雄山も招待されており、出くわして、にらみ合う。おめでたい披露宴だが、こうして出会ったからには騒動必至である。
士郎が子供の頃よく遊んでもらったという木村さんが挨拶に来た。昔、海原雄山の窯たきをしていたという。今は唐山陶人のところで働いているらしい。
と、唐山陶人が士郎を呼ぶ。新婦領子さんに料理指南をしてほしいとのこと。ところが、それに海原雄山が噛みついた。
さて、昔は、「ウインナーソーセージの味噌汁?工工工エエェェ(´д`)ェェエエ工工工。領子さんそれはアカンわ」と思っていた。
「新人類」という言葉が流行ったのもこのころ。料理なんかやったことない新人類は、ウインナーソーセージとか味噌汁に入れそう、お米を洗剤で洗う、魚を切り身でしか見たことない、とかそんなん。あったでしょ?。
ところが今は普通に「豚汁みたいで美味しそう。おかしくないよね?味噌汁にウインナーソーセージ。いやそりゃ毎日だと困るけど」との感想となる。そう!土井善晴さんの提言のおかげである。
そして対決となる。
そして、勝負の結果は、雄山+木村さんタッグの勝ちとなる。
さらに追い打ちされる
まあ、この結果になるのはわかっていた。士郎に火がついた!の場面、ああいう状態になった時は大体負けているからだ。雄山がそのためにわざと挑発し怒らせたのではないか?と思ったほどだ。
第二十九巻「究極」の弱点、あの団社長の初登場回で、究極のメニュー側の弱点として指摘された団社長の不満に思っていた部分というのがまさに今回の敗因に繋がっている部分でもあろう。
雄山が出てこなければ、士郎も普通に、例えば助けを求めて来た人のためにいろいろを知恵を出して、どうしたらその人にとって一番良い結果になるか?を料理を通じて色々配慮してあげられるのである。雄山が出てくるとこうなるのだ。こればっかりは心の問題なので難しいところである。
ところで難しいといえば、どうしたら美味しく食べてもらえるか、自分のできる最善を尽くすしかない、この気持ちを忘れるな、と唐山陶人に言われて、領子さんは納得したようだが、具体的にどうしたら良いんだろ?ってのわからなくない?大丈夫なのかな?。
そしてあの木村さんが出した最上の白飯を再現している方の動画をどうぞ。米を選別するのに5時間かかったとか。ご苦労さまです。
この場面は「美味しんぼ」リスペクトだと思うのですが、どうでしょうか。この漫画「銀平飯科帳」の作者の別作品のラーメン発見伝』、『らーめん才遊記』、『らーめん再遊記』でも「美味しんぼ」リスペクトとしか思えない筋立ての回などよく出てくるのでご興味があれば読んでみてください。(つづく)