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「美味しんぼ」再読備忘録2024「昼飯の効果」‐第三巻「炭火の魔力」第9話‐

いつの間にか冬の装いから春っぽくなっているようですね。お昼休みに東西新聞社のいつもの面々、田畑さん、花村さん、栗田さん、山岡、そして珍しくトミーこと富井副部長も一緒に昼飯を喰いに外に出ている。しかし、どこも人でいっぱいでなかなか入れない。

トミーが初めて良いことを言った的な?しかし詩的というか実は文学青年だったのかもな。

あ?うんって山岡お前…。

重要人物であるはずの社員食堂の料理長相川さんの地味な初登場コマ

以前の回で、守衛さんの知り合いで、東西新聞社の社員食堂を任されていた若い大里シェフはフランスへ料理修行に行ったので、その後にこの相川氏が代わりに入ったと思うが、まあまあの重要人物と思うが、あまりにも地味すぎる初登場回なのであった。

初登場の扱いはほぼモブキャラなのね。なにしろこのときは名前も呼ばれてないし。もしかして設定すらしてなかったのかもな。

ところでこういう美味しいお店リストってこうやって企画しないと、ってことは、この当時、雑誌などがその役目を果たしていなかったということであろうか。有名なところで「HANAKO」とか。グルメの専門の雑誌って出てなかったっけ?。

このころ育ち盛りの大学生で、とにかく腹いっぱい喰いたいという欲求のみだったのでグルメとはほど遠い存在でしたからねえ。今ほどTV番組や雑誌なも美味しい店などを紹介してなかったかもしれない。となると口コミに頼るしかなかったのかな。

この運営委員会に唯一出席してないのが政治部の松川氏で、栗田さんが声をかけたが、その松川は「そんなことやってられるか。新聞は政治面と社会面が支えてるんだ。特ダネを取るためにこっちは必死なんだ。大体、お前らが食い物のことにかまけてられるのは俺らがこうやってネタを拾ってくるからそうやって遊んでられるんだよ。むしろ俺等が養ってやってんだ。こっちは民自党の新総裁が誰になるかっていう特ダネを掴むので忙しいんだ。」と痛烈に言い放ち去っていく。

この当時、まさに密室政治でそれこそ料亭なんかに重鎮が集まって、内々に決まってたんですかね。しらんけど。

そしてまさに今回の新総裁を決める重要人物である民事党幹事長の金丸議員の一挙種一投足に注目が集まっており、政治部の松川氏もそれこそ膏薬のようにべったり張り付いているというわけであった。

そして民自党の記者室に何故か山岡が来ていて金丸氏の定例会見が始まっているのを横目に悠々と弁当を使っているではないか。ギョッとする松川氏。

ちゃんと見ている角丸氏


すっごく気になってる角丸氏

その翌日も…

栗田さんまで来ちゃった。しかも一緒に喰ってるし。そして角丸氏の視線の先は…。

その翌日、便所で偶然会う角丸氏と山岡。角丸氏は山岡の弁当を目ざとくチェックしていた。各地の郷土料理を取り入れてバラエティを出そうとしていた東西新聞社の社員食堂の渾身のメニューである。そして今日の弁当が熊本の名産品を取り入れたものと聞き、

凄い豪華だよね。普通に1000円くらいする内容と思うわ。

そして食べない松川氏の弁当を分けてもらって、喜ぶ角丸氏。更に辛子蓮根と 一文字ぐるぐる(ひともじぐるぐると読むらしい)まで出されては…

わかる!気持はよくわかる!

しかし山岡もちゃんと熊本名産の球磨焼酎をスキットルで持ってきているあたりさすがのグータラ社員である。一応、この総裁争いを文化部視点で追いかけた記事も一本仕上げていたので、勤務時間内である。一応な。

そして帰り際に角丸氏から「特ダネが欲しくてごちそうしてくれたんじゃないのか?」と言われ、一緒に喰って呑んでして、上機嫌だった山岡の顔色がサッと変わり、

これが山岡という男

こう言い放って帰っていく。その山岡を何処か満足そうに見送る角丸氏。結局、山岡の元に角丸氏からリークがあり、東西新聞社は時期民自党の総裁の特ダネを掴む。

特ダネを譲ってもらった松川氏は政治部の全員から聞き出した東西新聞社周辺の旨い店リストを手渡して、「今日は奢らせてくれ」と昼飯に出かける。メデタシメデタシ。

今回のお話はあまり突っ込みどころがなかったな。でもこのお話結構好きなんです。だからコマの引用多かったでしょ?。次から四巻になります。またお付き合いください。(つづく)




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