なにのむ?展に行ってきたよ
指輪と私の今昔ものがたり
自問自答ファッション教室に行けると決まってから、自問自答ファッションの話題をTwitterやNOTEで探すようになりました。以前読んだことのある記事も読み返したりなどしつつ、そういや、わたしの中で、あきやさんと言えば、わんこがおわす鞄でも、洋服が少ないことでもなくて、PATTERIEさんの指輪なんだよな、と思ったんですよね。
あきやさんの指を常に飾っている(ような印象がある)、翻るスカートのプリーツのような、開いていく緞帳のような、或いは秘密を覆い隠す柔らかで重みのあるカーテンのような、そういう刺繍リング。
可愛いんですけど、わたしには可愛すぎるなと遠目で見ていたアイテムです。わたしが好んでいたのは、結構でっかくてインパクトのある、水晶とか、ラピスラズリなどの石のリング。出かけるときはお守りのように、指で燦然と存在感を輝やかせる、強い指輪。
ただ、コロナ禍が始まってアルコール消毒をするようになってから、しばしお別れをしていました。アルコールが大事な指輪に影響したら嫌だな、という気持ちがあったんですよね。石と金属なのだし、アルコールくらい問題は無いのかもしれないけれど、気になってしまうし、指輪を気にして消毒をおろそかにしてもいけない。
もともと、出先のトイレで、手を石けんで洗う際にも、劣化の原因になったりしないよね…、なんてちらりと不安が過ったりしていました。
頻度の高い行為の度に、心をざわめかせておくのはどうなんだろう。心の安寧にはよろしくなさそうです。だったら、このコロナ禍が収まるまで、大事な指輪は嵌めるのを止めておきましょう、と、アクセサリーボックスで待機して貰うことにしました。
在宅勤務も始まり、友人と会うなんてことも無くなって、出かける機会がめっきり減っていたから、待機命令を出せたということもあります。
わたしにとってアクセサリーって、お出かけの時に特別アイテムです。行動範囲がワンマイルだったら絶対にしない。結婚指輪? いやー、もうさっぱり姿を見てないですね! ……発掘してあげなきゃ不憫だな……。
2023年の5月、はい、じゃあ、コロナはこれからありふれた病気として扱います! という宣言が出されました。アルコール消毒機が撤去されたり、マスクの着用が自由になったり、あらゆる制限がすべてなくなり、『日常』が戻ってきたと言う人が多くいます。
とはいえ、症状の軽重などなど無関係に、子供がいる以上、病に倒れるわけにはいかんのですよ。引き続き、感染予防を心がける必要があるわけですが、もうそろそろ、あの指輪達に出動してもらうのも良いんじゃないかしら。なんとなくそんなふうに思って、そっと眠る指輪を取りだして、嵌めて、しかし、アレ? ってなりました。
一番のお気に入りの子が、ものすごく重かったんです。いや、重量が変わったなんてことはないし、元々からして重い指輪で、それを承知で買っていたしうきうきと使っていました。でも、どうした? ってくらいに重い。指が忘れてしまったのかしらん。
そのまま嵌めていたら気にはならなくなりましたが、微かな違和感の残滓が漂ってました。
その時に、カットインのように飛び込んで来たのがPATTERIEさんの指輪です。あきやさんだけじゃなく、自問自答ガールズさんたち、PATTERIEさんの指輪をしていらっしゃる方が多いので、あれこれ見ていく内にどんどん刷り込まれていくんですよね、目に、WAVE RIBBON RINGが。
こんなかわいいもの…って思っていたけど、目が慣れて行くにつれ、いやそんなことな…いので、は……? と認識が変わっていきました。掌を翳して、イマジナリーにリングを嵌めてみたら、似合っている、ような気がする。甘く見えても、実は、直線の強さがあることにも気付きました。
で、PATTERIEさんのWebショップを見に行ったら、ま、大体売り切れているわけなんですけど、着画写真が沢山あるんですね(すばらC)。パラパラ見ていくうちに、いやー、これはちょっと違うね~、と初見で切り捨てていた、WAVE FLYING RINGに、突如、雷を打たれたようになりました。
冬に着る、超絶お気に入りのニットマキシロングワンピに、これの白いリングを合わせたら超絶イイッのでは……? 長袖ニットワンピなので、当然ながら手首まで黒です。そこに白のこれがあったら、全身を見た時にコントラストが効いて非常に華やかで、あつらえたようにぴったりなんでは????
それから大コーフンです。うわ、これはすごい。欲しまる。欲しまってきた! 恋が走り出すよりも、銃口突きつけてbuy or dieくらいの緊迫した心中でいたわたしに、追い打ちが掛かりました。
黒のFLYINGに、白のRIBBONを合わせるッ!!!(卒倒) 天才! 天才の所業!!! 一億点差し上げる! これだ! わたしは! 逆を! やりたいッ!!!
(でも今見ると、この組み合わせも真似したい! すばらしい! ボーテ100億点!!!)
でも、通販では買えないんだよねえ。ちょっと前にほぼ日のイベントで実販売があったみたいだけど終わっているし、と少し気落ちしていたら、いや、今イベントやってるっぽいな? と気付きました。品川エキュートで、なにのむ?展という、複数作家さんが合同でやる期間限定イベントです。場所は問題なく行けるけど、日程が……と思っていたら、そういや、ミュージカルに誘われて、おやすみを取っている日がある!!! そこだあ!
いそいそ品川エキュートGOGO
人気のお品だから売り切れているかもしれない。物として置いてないかも知れない。行ったところで、見ることも叶わないかも知れない。でも、行ってみることに意味がある。現品の中に希望の色がなくても、はめてみたら通販の助けになるし、案外、想定とは違って似合わないかもしれない。
胸の内を千々に乱れさせ、ネガとポジをぐるぐると混ぜながら、品川駅に到着しました。なんで、かきたね撤退してしもうたん……と別件で泣きながら、多分こっちだよね…と、進むと、ありました。
一番手前の机に、リングがずらり。あ、あるわ。あるわよ、白のFLYING。それ以外も思った以上にたくさんあるぞ!
恐る恐る手にとって、はめてみました。あ、いい。とても、いい。すごい、いい。白がすごい、効いてる。近くの鏡に全身を映してバランスをみても、ハマってる。存在感が、強い!
RIBBONも黒がある。はめてみる。うん、これもいいけど、思ったよりおとなしいイメージ。色は他にもある。白もある。白オン白も可愛いかもしれない。白は200色あるんやで、白糸と銀糸の二種類あるけど、銀糸はなんだかおとなしい。今のわたしは、パキッとした白がいい。あれこれはめては鏡で見るを繰り返していると、お店の方に話しかけられました。
「あの……自問自答ガールズの方ですか……?」
漫画的に表現すると、わたしの周りはベタで塗られ、思考はモノローグとして白文字になり、ベタを埋め尽くしました。いやこれ、どう答えるべきなんだ? 自問自答ガールズってどこから名乗っていいの? まだあきやさんと邂逅もしてないし、自問自答もロクにしてないし、そういうイベントに顔を出したこともない。あきやさんの理念に共感したらみんなガールズ説もある、けど、でもまだ、気持ち的には、SAY YESを高らかには歌えない…(1秒)
「いえ……違います……」
途端に、失敗した! という表情になる店員さん。おそらくこのかた、Patterieの方だ、お顔を拝見したことあるぞ。やばやば、そうじゃないんですよ。全然関係ないってわけじゃなくてですね!
「あの、でも、秋に、あきやさんの教室にお伺いする予定です!」
「ああ、そうなんですね〜。以前、イベントでお会いした方かと思ってしまって……」
てへ、と照れ笑いを可愛らしくこぼされて、他のブースへ向かわれる店員さん。お名前を気軽に呼んでいいかわからん……ああ〜〜〜何気ない一言がアーティストの心を傷つけた…。だから誰もお前を愛さない。でもおー、今の状態でえーYESを言うのもおーなんかあー違くてえ……。
せっかく話しかけてくださったのに上手くお返しできずすんません…と思いつつ、試着に戻ります。途中、赤のRIBBONはこういう暗めの赤もあるんですよ、赤は結構レアです、と出していただりもしました。小物に赤を持ってくるのが好きなわたし、その日もちょこちょこと赤を身につけていて、赤が好きなんだろうと思ってくださったんでしょう。おやさしい! 色味の違う赤を比べて、連れて帰るなら暗めの方かな? などと思案していたのですが、その時すでにわたしの手には、FLYINGの白がありました。
いや、だってね。これ、他の方に買われてしまったら、絶対後悔しかないって"""わかって"""しまったんですよ。実際には買わなくても、試しに持つ人を想像するだけで、すっと怖くなる。いやなんです、あなたのいつてしまふのが…
もうこれは、うちの子です! 決定!
だから、この白とコンビを組む子を…となると、白に赤はわたしではない。やっぱり白に白? ウェディングドレスみたいで良い。でも、最初に思い描いてた、白に、黒? 黒はわたしにとっては王道の色。でもな〜どうかな〜。GHOST FRILL RINGを合わせるとコルセットをつけたスカートのようで可愛い。こちらは断然黒。でも、単品使いも考えるならRIBBONのほうが好み。むーん……。
時間がどんどん経っていきます。少し頭を冷やそうと、他の作家さんの作品を眺めてみたり、イヤカフに触ってみたりしました。イヤカフ、いいなと思ったオールホワイトは、どなたかの元へお嫁に行かれていました。今の私は白推し。
うーーんうーーんと悩んで、悩んで、単品でもいいかもしれない、と思ったりしながら、やっとのことで、決めました。
こちらとこちらを、と差し出すと、ぱっと顔を輝かせて、素敵な組み合わせですね! と褒めてくださいました。うへへ…。長々といすわってすみません…、いえいえそんなこと〜とやり取りしながらお会計。
箱の色を二種から選ばせていただけるそうで、いつもならブルー系だけど、今回はこちらにしました。どん!
この子たちの方が、実は、アルコール消毒や手洗いの水には気を払わなければならないような気もしますね笑。でも、パッと目について華やかで軽くて、ガーリッシュな見た目に反して強か。とてもいい。今のわたしにとても合っている、気がします。
丁寧に取り扱って(そこが一番の難関)、長く付き合って行けたらいいなあと思っています。石の指輪たちとも一緒にはめてもいいよね。
よいおかいものでした。まんぞくまんぞく。
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