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日本一危険な国宝?「投入堂」を見に

衝撃の写真

いつもの美容室に行った時、目の前に置かれた雑誌の中で『国宝の建築を見に行く』というBRUTUSの特集が気になり手に取りました。何気なくページをめくっていると突然衝撃が!!目が釘付けになった写真は、断崖絶壁にへばりつくように建てられたお堂のもので鳥取県三朝町にある三佛寺の『投入堂』という建築物とのこと。これは見に行きたい!

1日目 新幹線、在来線、バスを乗り継ぎ・・

旅に登山も組み込みたくて岡山県真庭市の蒜山高原から蒜山三座を縦走し鳥取側に下りることにしました。快晴の空の下、蒜山高原目指して1日がかりの移動になりそうです。

2018年7月の西日本豪雨被害により運行できなくなっていたJR姫新線の津山~中国勝山間が復旧したのが8月末。バスを使うルートも検討していましたがぎりぎりセーフ!

中国勝山に到着後、バスの時間まで町並み保存地区に指定されている勝山の町をぶらりと散策。それぞれの店の商売にちなんだデザインの暖簾がかけられていて、それを見ながら歩いていくと酒蔵がやっているカフェがありました。

こちらの酒蔵のお酒はどれも好きだった!
酒蔵には酒樽デザインの暖簾
蒜山高原といえばジャージー牛!肉も乳も美味しくいただきました

ホテルの館内放送で星空観察会をやるとのアナウンスが流れたので楽しみにしていたら、雲が出たため中止になりました。ですが遅い時間にテラスに出てみると満天の星空が!こんなにたくさんの星を見るのはいつぶりかな~。明日も晴れますように。

2日目 秋の登山道のち、雨の登山道

この時の太陽は力強かったのです

朝ごはんをもりっといただき登山口まで送ってもらった時点で空は曇り気味。平日で登山者も少なく、時々足を止めては絵を描きながらのんびり登ります。山の中で絵を描くというのは初の試みで、なかなか楽しめました。つい、一心不乱に登ってしまいがちなので。

王道のおかずたち

ついに雨が落ちてきたのでペースを上げて先を急ぎます。稜線では霧を含んだ風が下から吹き上げていましたが、下山する頃には雨はすっかり上がっていました。蒜山高原に戻るならホテルの送迎車がここまで迎えに来てくれるサービスがあったのですが、先へと進むので鳥取県倉吉市の関金温泉までタクシーを利用しました。

3日目 いよいよご対面!

ひっそりとした共同キッチンで簡単に朝食を済ませて静かに出発。自転車置き場と合体したようなバス停から次々に乗り込んでくる高校生とバスにゆられて市街地に出たら、別の路線に乗り換えて三徳山三佛寺を目指します。

事前に三佛寺のHPを見てみると『お山が危険なため、お一人での入峰修行はできません』という言葉が赤い文字で書かれてあります。「う~ん、ひとり旅やし・・そんなに危ないとかいな?」としばし考え込みましたが、行けばなんとかなるでしょう。結果、同じバスで到着した女性2人組に声をかけたら快く同行してくださいました。良かった!彼女たちがいなかったら、危うくその後にやって来た若いカップルのデートをお邪魔するところでした。

投入堂へ行くには、まず受付で入山料を払って輪袈裟で身なりを整えたら靴底のチェックを受けます。私の登山靴は大丈夫でしたが、お2人のスニーカーはNGだそうで、有料のわらじに履き替えます。わらじなんて履くことないから私も体験しとけば良かった!と、後になって激しく後悔・・感想を聞くと「フィットして意外と歩きやすいですよ」とのことでした。

この記事を書くにあたり三佛寺のHPを開いてみると『参拝登山不可』の文字が。まさかの閉鎖!?と思いきや今現在、滑落者があり救助活動が行われているために一時入山できなくなっているようです。どうかご無事で・・
(翌日には『参拝登山可』に戻っていました。)

一度食べてみたかったとちもちに思いがけず出会えて心躍る昼ごはん

三佛寺がある三徳山の麓には三朝温泉という温泉街があり、三朝川の両岸に立派な旅館が並んでいます。そのはずれにある三朝温泉発祥の地『株湯』で汗を流すことにしました。受付で「熱いですよー」と言われたけど、ほんとにあっつい!!少しずつ慣らしながらやっと肩までつかると、しびれる熱さが快感に変わってきました。とは言え長くは浸かっていられません。早々にお湯を出ると気分爽快!やみつきになりそうです。

三朝で立ち寄りたい場所がもう一軒。藤井酒造という老舗の酒蔵で古酒が作られていて店内で試飲もできるようなので、飲んだことのない日本酒の古酒を味わうべく訪れてみました。

白い髭が印象的なご主人と奥さまが出迎えて下さり、お酒の話を一通り伺って「さあ、試飲タイムか!」というタイミングで店内の大型テレビの前のイスに座るよう促され「?」と思っているとVTRが流れてきました。情報番組の取材を受けた時のものらしく国分太一さんがお店を訪れた様子が収録されています。なるほど、鑑賞なくして試飲はできないのですね。

初めての古酒は黄金色で口に含むと「おぉ~っ」という感じ。(どんな感じ?)お値段も「おぉ~っ」という感じなので、三佛寺で祈願したという『三徳山』というお手頃なお酒をお土産に購入しました。ラベルに投入堂が描かれていて御利益ありそうです。他の日本酒や色んな味の甘酒もご主人のトークと共に次々と試飲させていただき、楽しい時間でした。

倉吉駅からJRで鳥取駅に到着すると、何か違和感が・・「あ、改札に駅員さんが立ってる!」自動改札ではない光景を久しぶりに目にして嬉しくなりました。

4日目 観光地めぐり

鳥取に来たからには『鳥取砂丘』は見ておきたい!行ってみると残念だった・・みたいな話をよく聞きますが実際はいかに?と思いながらバスで向かいました。

砂の急斜面を下りてみたり、窪地にできた水たまりの周囲に咲いている知らない花を見たり、横から吹きつける小雨に濡れながらもざくざく歩き回って楽しかったです。この日帰宅したら『ブラタモリ』でタモさんが鳥取砂丘を訪れていました。行く前に見たかった!

酒造が経営するお店に行ってる時点で飲む気満々?

鳥取から博多へは姫路を経由するのがいいようなので、それなら・・と『姫路城』にも行ってみました。さすが世界遺産に登録されている名所だけあって、国内外の観光客でにぎわっています。

姫路城の歴史は全く知りませんでしたが、広い城内を巡ると当時の人たちがここでどんな暮らしをしていたかが身近に感じられ、興味深かったです。特に『千姫』の生涯にはグッとくるものがありました。

このお城を毎日眺めて暮らす・・ちょっとうらやましいです

旅のその後で

あの日、美容室で別の雑誌を手にしていたら、私は『投入堂』の存在を知らないままだったと思います。知らなくても生きていけるけど、実際に訪れてこの目で見たことで少しだけ豊かになった感じがあります。

普段の生活でつまらないことがあった時、今日もあの場所にあのお堂が建っている姿を想像するとちょっと元気が出るのです。そんなパワーを持った『投入堂』と出会えて「私のアンテナ、感度抜群やん!」と自画自賛したところでこの旅を締めくくりたいと思います。


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