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鎌倉の美術館巡り(吉兆庵美術館と鏑木清方記念美術館)

先日、鎌倉で3つの美術館を巡った。
備忘録。
日記みたいなもので、美術館に関係ない話も書いている。

鎌倉吉兆庵美術館
葉祥明アートミュージアム
鎌倉市鏑木清方美術館

鎌倉吉兆庵美術館


ここは昨年12月に三井記念美術館に行った際、ポスターで案内を見て行きたくなった。

残念ながら、1月26日(日)に閉館してしまう。

三井記念美術館で見たポスター

この鎌倉吉兆庵美術館は、小町通の横道にある。

「鎌倉・吉兆庵美術館」は、宗家 源 吉兆庵が「和菓子の器として蒐集した作品を皆様に広くご覧いただきたい」という願いのもと、平成13年に開館いたしました。
当館は、鎌倉ゆかりの美食家であり陶芸家でもある「北大路魯山人」の作品を約20点、常設展示しています。料理を装う「食器」をはじめ、書画・漆工芸作品など、多岐にわたって才能を開花させた魯山人が精魂込めた作品の数々をご覧ください。 その他、鎌倉の美しい四季の移ろいに合わせ、年4回の企画展も常時開催しております。

https://www.kitchoan.co.jp/museum/kamakura/
小町通りから細い横道へ
徒歩3分
この通りは人がいないが、小町通りは人が多く人を避けながら進む
入り口
中は撮影禁止

こじんまりした美術館だけれど3階まであって、3階は北王路魯山人の作品を見ることができる。

鎌倉にゆかりの深い、北大路魯山人の作品を常設展示しています。季節ごとに展示内容を変え、年間を通して様々な作品をご覧いただけます。魯山人が伝えたかった“おもてなしの心”や“美意識”をご紹介しています。

https://www.kitchoan.co.jp/museum/kamakura/

鎌倉で製作する魯山人は、岡山から備前焼の土を送ってもらっていたらしい。

人間国宝を2回辞退したという魯山人は30代までは篆刻家。
陶芸家としては遅咲きだったという。

昨年、玉堂美術館でその篆刻を見た。

昨年2回ほど行った玉堂美術館にて

美術館は写真が撮れないので予習しておいたこちらの記事をリンクしておく。

人間国宝、金重陶陽を中心とした作品もしっかり拝見した。


お皿や茶の湯に用いる小ぶりの作品から、かなり大きな作品まで多岐に渡り、備前焼をじっくり見ることができて良かったと思う。

かなり大きな花器などは、作品の上に、その作品に花を生けた状態の写真があるのでイメージも湧くし、何より備前焼が引き立つのがよく分かった。

そして3階の展示室にて、先の北王路魯山人の作品の説明を読むと、彼の交友関係の広さや、そこに出てくる人の作品をまた見たくなる。
尾形乾山や萩焼の三輪休雪などとも交流があったそうだ。

尾形乾山はたくさん見たが、萩焼の人間国宝、三輪休雪はあまり見たことがないから見てみたい。

私の次の宿題がまた増えた。
読書も芋蔓式だけれど、美術館も芋蔓式。

吉兆庵美術館は、展示室の解説も丁寧だし、こじんまりしていて静かで、非常に満足した。

私たちがいた時間帯は、他に男性がひとりいただけだった。

友達と2人で、どの作品が好きかとか感想を言いながら充実した時間を過ごすことができた。

建物が古くなり再開するかは分からないとのこで実質閉館なのだと思う。

チケットを買ったら岡山の吉兆庵美術館の共通券もあり無期限とのこと。
それで600円は安いと思う。いつか行きたい。

閉館が惜しまれる。

寂しい気持ちを引きずりつつ、北鎌倉へ移動して、鉢の木というお店でランチをした。

ランチ前に時間の余裕ができたので、葉祥明アートミュージアムへ。
こちらの備忘録はすでに書いた。


ランチの後、鏑木清方記念美術館へ向かった。

鉢の木と葉祥明アートミュージアムは、北鎌倉にある。
北鎌倉から鎌倉は歩ける距離なので散歩がてら歩いた。

ちょっと寄り道 
鎌倉五山第一位 建長寺

途中、建長寺に寄る。

巨福山 建長寺は鎌倉五山の第一位、国宝を3つも有する禅寺。

父もゆかりがあり、私も子供の頃から行っていた慣れ親しんだお寺。
北鎌倉へ行ったら是非訪れてほしい。


美術館の備忘録なので建長寺はこの辺で。

鏑木清方記念美術館


北鎌倉の鉢の木からは
歩いてこのくらいの距離
吉兆庵美術館からならすぐ
徒歩6分


鶴岡八幡宮脇の道を鎌倉へ行く途中
小さな看板がある
閑静な住宅街の中にある
美術館の建物は門の更に奥
美術館
画室
絵の具の材料
珊瑚などいろいろ
岩絵具
再び画室

この画室は、吉田五十八氏が設計したそうで、山口蓬春記念美術館のすばらしいアトリエもこの方だったと繋がる。こういう時ちょっと楽しい。

清方は、懇意にしていた建築家、吉田五十八(よしだ いそや)氏に依頼した牛込矢來町の画室をたいそう気に入り、ここ雪ノ下旧宅2階にもそれを模して採り入れました。この画室及び正面玄関は、昭和29年建築当時の部材をそのまま使用して再現したものです。

https://www.kamakura-arts.or.jp/kaburaki/info/building.html

ちなみに、鎌倉に住んだ画家は意外と多い。

近代の画家たちも、海と山が近く自然豊かな鎌倉に魅了され訪れています。
 洋画家では黒田清輝(1866-1924)が明治末、材木座に別荘を構え、付近の風景に取材した作品を
残しています。久米桂一郎(1866-1934)など清輝の友人知人の画家たちも訪れました。大正末には
岸田劉生(1891-1929)が、藤沢の鵠沼から鎌倉の長谷に移り住み、終生当地で暮らしました。
 日本画家では、昭和13年(1938)に小倉遊亀(1895-2000)が北鎌倉へ転居し、翌14年(1939)には前田青邨(1885-1977)が鶴見から静かな地を求め北鎌倉・山ノ内へ移り住みます。青邨門下では、守屋多々志(1912-2003)が翌年同じく山ノ内に居を構え、26年(1951)に太田聴雨(1896-1958)が同地に移り住み、やがて47年(1972)に平山郁夫(1930-2009)が二階堂に画室を構え、終生暮らしました。

https://www.kamakura-arts.or.jp/kaburaki/kamakuraarts/index.html

鏑木清方は、戦後、疎開先の御殿場から鎌倉の材木座へ移り住んだそうだが、私の父も一時期材木座に住んでいたそうだ。父がまだ学生の頃で、私が生まれた頃はもう材木座ではなく、稲村ヶ崎だったから私は材木座はほとんど行ったことがない。

(今は人気となった珊瑚礁やメインいうお店が歩いていける稲村ヶ崎は、大好きな田舎だった。多分メインというお店はリニューアルされて私が子供時代から20代の頃まで通っていたレストランではなくなっている・・・)

材木座
国道134号は混雑する海岸沿いの道路・・・

話が逸れてしまった。

今回の企画展「物語を描く ~清方を魅了したヒロインたち~」、作品は写真撮影禁止。

樋口一葉や尾崎紅葉、泉鏡花の小説を愛読していた鏑木清方は挿絵画家となる。

今回は物語の挿絵を中心の企画。

樋口一葉の「にごりえ」「たけくらべ」や、尾崎紅葉の「金色夜叉」などの挿絵など、展示されていた。

尾崎紅葉の「金色夜叉」は、読んだことないが、「たけくらべ」は授業で読んだ記憶がある。

理想は、美術館に行く前に、その中身に関係あるものを読んでから行きたい。
仕事を辞めたらそういう見方ができるとは思うけど。

今回は、場面の解説があるから、本の知識がなくても楽しめた。

鏑木清方だけをこれだけ見たことはなかったから満足。

鎌倉美術館巡りのルート

この日まわった場所をおさらい。

・JR鎌倉駅
(徒歩)
吉兆庵美術館
(徒歩)
・JR鎌倉駅
(電車)・・・時間短縮のため
・北鎌倉駅
(徒歩)
葉祥明アートミュージアム
(徒歩)
鉢の木(ランチ)
(徒歩)
建長寺
(徒歩)
鏑木清方記念美術館
(徒歩)
・JR鎌倉駅


吉兆庵美術館から北鎌倉駅は歩けるがここは時間短縮の為電車を使った。
iPhoneの歩数は、14,145歩だった。

盛りだくさん、充実の1日だった。

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blanche
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