母が可愛い
私より先に介護に突入した高校時代の友達が、
『最近、母が愛おしいんだよね。』と言っていた。
その時は、戻ってきたばかりで介護に翻弄され、そんなことが言える彼女がすごいなと思った。
でも、分かる。
言うことを聞いてくれない時は、本当に頭に来てしまうが、それ以外の時の母は、とても大人しく可愛らしい。
そんな時、何となくお母様を愛おしいと言った彼女の気持ちが分かる。
ちょっと前に母にあだ名をつけたと書いた。
静かな時は、
もの しずかちゃん。
昨日の母は、比較的しずかちゃんだった。
最近歯磨きの時、口を開けるし抵抗が少ないし、
一昨日の病院の時も車椅子から車に乗る時の足の動きはいい。
むしろ骨折前より楽になった気がする。
昨日会社から戻り、部屋着に着替え、食卓についた私に母が言った。
『勉強、その格好』
小さな声で話すのでよく聞こえなかったがそう聞こえたので、
『この格好で出かけたか?ってこと?』と聞くと頷く。
私がこんな格好で学校に行ったのか、と心配したのだと思った(笑)
母はよく心配する。
玄関の鍵は大丈夫かとか、
窓が閉まっているかとか
いろんなこと。
私が部屋着みたいな格好で出かけたのか心配したのだ。
それにしても、私は学校じゃなく会社に行ったんだけどね。
母には、
『帰って来て着替えたの。ちゃんとパンツとジャケット着てバッチリな格好で行ったから大丈夫よ。』と答えたら、安心したのかにっこりして、その笑顔がとても可愛かった。
何の心配もいらないのに、いろいろ心配する。
だから病気になってしまったのかなぁ。
今の母を見ていると、2人育てるのも大変だったのかなあ、なんて思う。
私がサラリーマンをするのが大変なように。
子育てなんてとても無理だったと思うように。
キャパシティが少ない私は、いわゆるワーママは考えただけで無理そうと思う。
旦那様が転勤になる見込みで、そうなると親のサポートもなくなり、今でさえ旦那様の仕事も忙しく今もほぼワンオペという同僚が、これ以上無理だと来春退職する。
残念だけど仕方ないんだなと思った。
分かる。
仕事も大事だけど子育てはもっと大事。
いろんな人のサポートがないとまだまだフルタイムで家事と育児(介護も)も難しい。
家も父がいるからできていると思う。
私1人では無理だし、父1人でも無理だろう。
話が逸れた。
とりあえず母が可愛い。
だから、介護できるんだなあと思う。
健康寿命で具合が悪くなった母。
次の目標は平均寿命。
長生きしてもらいたい。
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