*ヘッダーの写真:DIC川村記念美術館の「ロスコ・ルーム」 撮影:渡邉修
©️1998 Kate Prizel & Christopher Rothko / ARS New York / JASPAR,Tokyo C3036
まさにそう。その通り。
会社でも「美術」「芸術」の話ができる人って残念ながら少ない。
美術館の存続に横槍を入れ、資本効率がどうのって叫ぶ人に読んでもらいたい。
初めてこの絵を見た時は20代で、圧倒されつつ私の頭の中は「????」だった。現代アートとか抽象画とかよく分からなくて苦手意識があったが、年を経て今回他の抽象画や現代アートの作品を見て、「ただ見る」「ただ感じる」「ただ受け取る」ということができるようになってきた。
若い時に圧倒されたロスコの絵は30年以上の時間をかけて、私に近づいてきた。
しかも最初に見た時は、今の「ロスコ・ルーム」ではなかったから展示も違った。
もう少し照明も明るく、違った雰囲気の絵として目に飛び込んできた。
今のロスコ・ルームになったあと(2008年頃)、私は地元にいなかったので、新しいロスコ・ルームで作品を見たのは今夏が初めて。
実際の部屋はもっと薄暗い。
写真では4作品が写っているが、実際は7作品がこの部屋に展示されている。
・・・赤い世界なのに照明が落とされ想像以上に落ち着く。
なぜ「赤」だったのか。
緑は青ではダメなのか・・・。
こういう展示室ってあまりないから、一度は体感してみて欲しい。
私もこの「ロスコ・ルーム」であらためて作品を見ることができて良かった。
30年以上前の印象と全く違ったから。
あるのが当たり前で、いつでも見に行けると思っていた。
TDLが千葉県からなくなっても、これほど残念には思わないと思う。
帰省の度に、「いつでも行けるから」と都内の美術展を優先していた自分を悔やむ・・・。
(当時は今ほど現代アートを見ていなかったので、後回しになりがち。庭園はよく行っていたけれど。60年以上の時を経て私にとってちょうどいい距離感になりつつあるのかもしれない。)
「美術」「自然」「建築」が調和する美しい美術館。
「ロスコ・ルーム」以外の建物も素敵なのだ。
広大な敷地の緑も池も。
1日楽しめる(少なくとも私は)・・・。
首都圏以外にお住まいの方でも、もし年内に関東地方に来ることがあれば、ぜひ足を運んでもらいたい美術館だ。
*ちなみに今は「木漏れ日の部屋」に西川勝人氏のガラスの大きな作品があって、それがまた素敵・・・。
*DIC川村記念美術館の閉館に反対の署名を立ち上げて下さった方がいる。
もし賛同いただけるのならばお願いいたします。
*ご参考:千葉県知事のコメント