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【閉館の危機!】世界で4箇所しかない「ロスコ・ルーム」を持つDIC川村記念美術館(千葉県)

*ヘッダーの写真:DIC川村記念美術館の「ロスコ・ルーム」 撮影:渡邉修
©️1998 Kate Prizel & Christopher Rothko / ARS New York / JASPAR,Tokyo C3036


”ビジネスパーソンに必要な教養としての美術”

「ビジネスパーソンの教養」ということを念頭において、日本にある「すごいアート」を紹介していくことになった。「ビジネスマンパーソンの教養」なのだから、これを知っておいてほしい、あるいはこれぐらいは知らないと恥ずかしい、といったアートを毎回取り上げていくことになろうかと思う。
 日本のビジネスパーソンは勤勉で真面目でけっこうなのだが、残念ながら、人間としての“幅”が狭いという弱点があるように思う。私自身、かつては会社員だったので、それがよくわかる。現実問題、とにかく目の前の仕事を片づけるので精一杯で、「教養」を身につける余裕などなかなかない。その結果、“幅”が狭くなってしまうのだ。
 だが、21世紀のいまやそれでは通用しなくなりつつある。自分なりにであっても、世界の動向を語れなければ恥ずかしい思いをすることがあるし、歴史や芸術の話題についていけなければ無粋な奴と見られかねない。

https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/57893

まさにそう。その通り。
会社でも「美術」「芸術」の話ができる人って残念ながら少ない。

美術館の存続に横槍を入れ、資本効率がどうのって叫ぶ人に読んでもらいたい。

ロスコの作品のみで構築された展示空間は、ここDIC川村記念美術館のロスコ・ルームのほか、ロンドンのテート・モダン、ワシントンDCのフィリップス・コレクション、ヒューストンのロスコ・チャペルの合計4カ所しか世界に存在しないから、日本に在住する者は恵まれている。こんどの休みに訪れてみてはどうか。

https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/57893

初めてこの絵を見た時は20代で、圧倒されつつ私の頭の中は「????」だった。現代アートとか抽象画とかよく分からなくて苦手意識があったが、年を経て今回他の抽象画や現代アートの作品を見て、「ただ見る」「ただ感じる」「ただ受け取る」ということができるようになってきた。

若い時に圧倒されたロスコの絵は30年以上の時間をかけて、私に近づいてきた。

しかも最初に見た時は、今の「ロスコ・ルーム」ではなかったから展示も違った。
もう少し照明も明るく、違った雰囲気の絵として目に飛び込んできた。

今のロスコ・ルームになったあと(2008年頃)、私は地元にいなかったので、新しいロスコ・ルームで作品を見たのは今夏が初めて。

そもそも、ここ(*DIC川村記念美術館)に展示されている絵は、ニューヨークのシーグラムビルに新規開店するレストラン「フォーシーズンズ」に飾られるはずのものであった。ところが、完成したレストランを見に行ったロスコは店の雰囲気に幻滅し、絵の引き渡しを拒否したというエピソードが残っている。

https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/57893


DIC川村記念美術館の「ロスコ・ルーム」
撮影:渡邉修 ©️1998 Kate Prizel & Christopher Rothko / ARS New York / JASPAR,Tokyo C3036

実際の部屋はもっと薄暗い。
写真では4作品が写っているが、実際は7作品がこの部屋に展示されている。
・・・赤い世界なのに照明が落とされ想像以上に落ち着く。
なぜ「赤」だったのか。
緑は青ではダメなのか・・・。

こういう展示室ってあまりないから、一度は体感してみて欲しい。
私もこの「ロスコ・ルーム」であらためて作品を見ることができて良かった。
30年以上前の印象と全く違ったから。

少し照明が落とされた部屋に、7点の大きな絵が鑑賞者を取り囲むように並べられている。絵はそれぞれ幅3~4m×高さ2m半ほどもある大作で、暗赤色の地に赤や黒、オレンジで門あるいは窓枠のようなものが描かれている。具象画ではなく抽象画なので、意味はよくわからない。実際にこの場にいたら、あなたはどんな印象を覚えるだろうか。想像を逞しくしてイメージしてもらいたい。

https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/57893

あるのが当たり前で、いつでも見に行けると思っていた。
TDLが千葉県からなくなっても、これほど残念には思わないと思う。

帰省の度に、「いつでも行けるから」と都内の美術展を優先していた自分を悔やむ・・・。
(当時は今ほど現代アートを見ていなかったので、後回しになりがち。庭園はよく行っていたけれど。60年以上の時を経て私にとってちょうどいい距離感になりつつあるのかもしれない。)


「美術」「自然」「建築」が調和する美しい美術館。

建物のデザインは、勝巳の盟友にして戦後モダニズムの代表的建築家・海老原一郎に託されました。ツインタワーを特徴とする外観がまず目を引きますが、収蔵作品の精神性や大きさに見合う展示室、来館者が快適に鑑賞できるよう配慮した採光計画など、内部空間の繊細なバランスを最優先して設計された建築です。
2008年にはDIC株式会社の創業100周年記念事業の一環として、「ロスコ・ルーム」と企画展専用の展示室を増築し、よりよい環境で作品を展示できるようになりました。

https://kawamura-museum.dic.co.jp/about/

「ロスコ・ルーム」以外の建物も素敵なのだ。

広大な敷地の緑も池も。
1日楽しめる(少なくとも私は)・・・。

首都圏以外にお住まいの方でも、もし年内に関東地方に来ることがあれば、ぜひ足を運んでもらいたい美術館だ。


*ちなみに今は「木漏れ日の部屋」に西川勝人氏のガラスの大きな作品があって、それがまた素敵・・・。

*DIC川村記念美術館の閉館に反対の署名を立ち上げて下さった方がいる。
もし賛同いただけるのならばお願いいたします。

*ご参考:千葉県知事のコメント


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blanche
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