届くか分からない『お誕生日おめでとう』
今日は、亡きSの誕生日だ。
週末、お墓参りに行く。
本当は今日会いに行きたかった。
お母様にLINEをしたら、
彼の好きなケーキを供えたと返信がきた。
生クリームが好きだったから、
聞いてみたら、正解だった。
私もカスタードより生クリーム派。
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そして、私もSも写真を撮られるのが嫌い。
だから本当に写真が少なく(ほぼない)、いろんなところに行ったのに、自分達がいないからだんだん分からなくなってくる。
2014年の大雪の時に、雪の高尾山が楽しくて(雪山なんてそうそう登れないから)2週連続で登りに行った。
その時のもの。
たくさん写真を撮った。
これはおからドーナツ。
お店は別のところにあるから、これは京王線の高尾山口駅から少し歩いたお土産屋さんで買って、山頂で食べようとした時の1枚。
楽しかった。
まさか、このわずか4年後の同じ2月に彼方の世界に逝ってしまうなんて、この時は微塵も、想像だにしていなかった。
普段は考えないようにしているけれど、やっぱり会いたくて、悲しい。
Sがこの世界にいないことを考えると、涙が出てしまうから、普段は彼の死に意識を向けないようにしている。
なのに『今日は誕生日だ』って思ったら、やっぱり何だかダメだった。
私の誕生日の4日後がSの誕生日で、その4日後がクリスマスイブ。
記念日のイベントが集中し過ぎ(笑)。
一つ年上だったから4日だけ同い年になった。
大袈裟なことは苦手で、
派手なことよりも普段の何気ない優しさの積み重ねをたくさんくれた人。
やっぱり、戻ってきてもらいたい。
生きていて欲しいし、また会いたい。
声も聞きたい。
でも動画も何にもない。
記憶が薄れていきそうで怖い。
泣いたらきっと、
『泣くな』って言うだろうな。
泣いたからって会えるわけじゃない。
でも。今日は泣きたい気分なのだ。
泣いたらスッキリする気がして。
人前で泣くのは苦手だし、
泣いたところでどうにもならないことも分かってるから、
あの日以来なるべく泣かないようにしていたけれど、やっぱり悲しい。
時間は解決してくれない。
皆んなは大切な人を思い出して、悲しい時どんな風に乗り切るんだろう。
魂があるとして、Sの魂は今どこにいるんだろう。
考えても仕方ないことをぐるぐると考えてしまう。
今はまだ逝けない。
親のこともあるし。
いつか私の寿命が来て、彼方の世界に逝く時が来たら、会いたい。
よく聞く三途の川まで迎えに来てくれるだろうか。
来てもらいたいな。
それまで、きっと、たまに泣きながら、思い出しながら、過ごしていくしかない。
『お誕生日おめでとう』
と言っても、
『もう、無だから関係ない』と返されそうだ。
ともかく。
通じるのか、聞こえているのか分からないけれど、週末お墓に行ったらたくさん話しかけて来ようと思う。
とりあえず今日は、
『お誕生日おめでとう』。