未経験からデザイナーになった私が入社1年半で会社のブランディング施策オーナーとして奮闘した話
はじめまして!
今回初めてnoteを書きます。株式会社BLAM、プロダクト本部デザイナーのかわふちです。
前職はプロバレエダンサーです。💃
ここで前職について「?」が浮かんだところだと思いますが、今回は触れずに突き進んでいこうと思います笑
現在、会社全体が関わるデザイン制作を行うチームのリードデザイナーとして、インナー/アウターブランディングのための施策進行や、BLAMが運用している複業マッチングサービス「カイコク」のUI/UXデザイン、クリエイティブディレクションなど、幅広い業務を経験させていただいています。
記事タイトルに盛り込んでいる通り、なぜ未経験出身のデザイナーが入社1年半で会社のブランディング施策を??という話を、施策を初めてからもうすぐ1年というタイミングになるので記録として残していきたいと思います!
奮闘の始まり
さて、なぜブランディング施策が始まったのかというと、日々、部署を超えてデザイン制作の依頼をたくさん受ける中で(みなさんいつもありがとうございます!!)、大きく2つの課題を感じ始めたからです。
部署によって会社のブランドへの認識が違うことから、会社として作成しているクリエイティブのチェック体制や方向性の決定が感覚的になってしまっている
例:部署ごとでライティングの方向性の統一がされていないことが散見される
例:他部署からいただいた尖った訴求のクリエイティブ案に対して、ブランド観を守るためにNoと言える判断軸が不足している
一般的に存在した方が良いとされているブランドを構成する要素(ブランドアイデンティティ)が不足しているので、クリエイティブ制作において、部署内外での健全なディスカッションが難しい
例:バナー作成依頼の草案に対して、感覚ではブランドの方向性と違うと分かったが、論理的に議論ができなかった
例:ブランド観に沿えているかどうかの判断が最終的に感覚の話になり、属人化している
なぜ、このような課題が出てきているのか。
課題に対して何をやるべきか考えるために、まずは現実から理想の状態をいくつかのステップで分けて言語化し、会社全体のブランドへの意識がどの位置にいるのかを整理しました。
当時
なぜ認知があったかというと、当時BLAMは人が一気に増え、文化がうまく伝播されない状況を打破するためにリブランディング(ビジョン、ミッション、バリュー、ブランドコンセプトの再策定)を行なってから1年後くらいのタイミングで、「らしさ」を表現するための統一感のあるデザインも作成されており、なんとなくのイメージが存在していたからだと思います。
また、リブランディングされた会社思想・文化が言語化されたドキュメントのカルチャーブックがあり、それぞれのメンバーに言葉の意味が浸透していたことも、ブランド観の認知に繋がっていたと考えられました。
実際に、社内ではカルチャーブックで言語化されている内容を軸に行動しよう!という意識が浸透していて、行動指針を用いたフィードバックが盛んに行われています!
カルチャーブック(抜粋)
ブランディングを行った結果の一番の理想は、下図の一番右の状態ではあるものの、社内のメンバーがしっかりと理解・納得をしていないまま高い理想ばかり話せばギャップが生まれ、誰もついてきてくれません。
そこでまずは「認知」から次のステップである、「理解・共感」に進むために必要なものを考えよう!と決めました。
次に目指すべきところ
言葉で説明するには目に見える基準が必要だよな〜→ドキュメント?などと考え、同じような課題を持った会社が何をしているのか、めちゃくちゃ調べた記憶があります。
(書籍を読んでのインプットが苦手なのですが、この時期はさすがにひたすら何かを読んでインプットしなければ知識が追いつかなかったため必死でした…!笑)
そして、課題を解決するために最適だと結論付けたのが、「ブランドガイドライン」の作成です!
ここまで話してきた課題感からやりたいことまでを、経営陣に初めて提案した時の緊張感(私が勝手に緊張していただけですが笑)と、提案OKをいただいた時のホッとした気持ちは今でも覚えています…!笑
手を挙げてやりたい!と提案したことに挑戦できる環境に感謝です!!
提案時の資料
明文化していくべきブランド要素の検討の様子がこちらです。
足りないからといっていきなりすべてのブランド構成要素をブランドガイドラインに取り込むと返って混乱を生むので、最低限必要なもので構成し、浸透したらさらに追記していくのはどうか?と経営陣からアドバイスを受けながら、何度も話し合い、方針を固めていきました。
BLAMのコーポレートブランドとしてのガイドラインと、カイコクのサービスブランドとしてのガイドラインは世界観が異なるのでどちらも必要だよね。という話になり、ロードマップを引いたところ、どちらも完成するまで約1年!
とても大きな施策となりました。
パーパスの言語化
ブランドガイドライン作成のためのブランド要素明文化の中で特に重要だったものが「パーパス」の設定です。
BLAMには「ハタラクを叶える」というビジョンがあります。
そこには、人生の大半を占めるハタラク時間が社会のひとりひとりにとって幸せを感じられる世の中をBLAMが作っていくという意味が込められています。
ビジョンが揺るがないもので、社内メンバーの目指す方向が明らかあれば、パーパスは無理して設定するものではない認識ですが、パーパス=なぜ事業・企業活動をやるのかの原点の部分を言語化することによって、違う角度から会社の価値観を補足でき、いいね!と共感しやすくなるのではないかと考えて、設定することを決めました。
代表の杉生へのインタビューをはじめ、社内メンバーへのアンケート、ステークホルダーの方々との話し合いで、盛り込むべき観点や注意点に気を配りながらパーパスができあがっていきました。
パーパス設定のための必要情報整理の様子
パーパス案だしの様子
案だしでは、ボツ案含め100以上の案を作成しました…!
そしてできあがった案がこちら!🎉
「ハタラクでつながる世界を共創する」です!!
「ハタラクを叶える」を目指す理由が「世の中の人々がハタラクを通じて繋がり、変化や成長、称賛などのポジティブなサイクルが生まれる世界を共に創っていくため」と、言語化することができました!
案を詰めていく過程は限られたメンバーで進めていきましたが、全社員メンバーが参加したカルチャー合宿にて最終承認の場を設け、無事に承認をいただきました…!🎉🎉🎉
デザインイメージの乖離問題の浮上
ブランド構成要素の言語化を進める過程で、ひとつ、ぼんやりと問題として浮かんできたのが、これから目指したいBLAMのイメージと現状のイメージにずれがあるかもしれないという点です。
役員や現場など、いろんなポジションのメンバーから話を聞き、BLAMの目指す方向性の解像度が上がっていくごとに、じわじわと現状のデザインイメージに違和感を感じる部分が出てきました。
具体的には
今後大手企業との更なる取り組みを目指す中で、ただ個性的・ポップ・若いのようなイメージだけで良いのか?(第一印象として信頼感足りている?など…)
実際に採用サイトで現状のデザインの印象から、楽しそう・ラクそうという応募が増え、会社の考えとのギャップが発生している
メンバーにBLAMについての話を聞く中で「力強さ」というワードがよく聞こえてきたが、デザインに盛り込めているか?というと疑問
などです。
また、デザイナーで共有しているデザインルールがまとめられたドキュメントを、施策を通して視座が上がった状態で改めて見直してみると、
デザインイメージの例の抽象度が高いのでデザイナーの感覚に一部依存する
ターゲットに合わせてデザインに柔軟性を持たせることがしづらいルール決めになっている
といった課題にも気づきました。
そこで、デザインの方向性・ルールのブラッシュアップやりたいな(ぼんやり)…いや、やるべき!と意気込み、施策の計画段階では予定していませんでしたが、下記を目的として、社内メンバーにBLAMらしさを表す言葉って何?を考えてもらうワークショップをさらに行うことに…!
現状のデザインから感じるBLAMの印象とこれからBLAMが目指したい与えていきたい印象の差分を把握するため
これから目指したい印象を具体的な言葉として表すため
実際のワークショップの様子
パーソナリティースライダーを用いて、現状・これから目指す印象を分析しました。
自分の名前が入ったスタンプを当てはまる位置に押していく形式で、みんなとても楽しそうに作業してくれました..!😆
上記の作業の後は、どうしてその印象を選んだかのヒアリングや、最終的に重要視するべきBLAMを表現できている言葉は何か?逆に合わない言葉は何か?を考えてもらい、抽象的だったブランドイメージの解像度を上げていきました。
(合わないと思う言葉も聞くことが、イメージの方向性を間違えないためにとても重要でした…!)
このワークショップを参考にチームデザイナーとあれこれ議論を行い、決定したワードがこちら!
「遊び心」「信頼」「積極性」この3つのワードを「ブランドアチチュード=ブランドデザインの軸」となるキーワードとして設定しました。
ブランドアチチュードは、下記のようにデザインに触れる相手や状況に応じて与えたい印象の要素の割合を変えてデザイン作るのがいいよね!と方向性を示すものになります。
これを設定することで、BLAMらしさを保ちつつ、シチュエーションにあったデザインの表現がしやすい状態になりました!(個人的にこれが欲しかった!!というものができて嬉しい…!)
社内公開に向けて
さまざまなブランド構成要素の言語化を終えいよいよ社内メンバーへ公開するアウトプットを作るぞ!となったタイミングで、カルチャーブックとブランドガイドラインの位置関係や差別化でも悩みが…!
カルチャーブックに記載されているVMVや行動規範などは、一般的にブランドガイドラインの中の一部として扱われることが多いことや、カルチャーブックの社内浸透度が高いため、別でブランドガイドラインを作成したところで社内メンバーにとって見るべきとされるものが多く、負担になってしまうのでは?と考えたためです。
ここでも役員、チームのデザイナーと相談しつつ、下記を理由にカルチャーブックにブランドガイドラインの内容を盛り込む形にする方針に決めました。
カルチャーブックがBLAMの文化を確認するときに見るべきものとして、社内浸透度が高い
2つのドキュメントを合わせることで、さまざまな角度からBLAMらしさを確認できるものとして浸透させられる
VISION、MISSIONとのつながりやその背景となるストーリー、ビジュアルイメージを一連で知ることができるので、ブランドとは?を理解しやすい
管理・更新コストが低い
見せ方としてはこのようになりました。
理解のしやすさと知りたい情報にアクセスしやすいようにカルチャーパートとデザインパートの2部構成に
ブランドガイドラインの要素はどちらのパートにも組み込まれています
そして…!!
さて、ここまで色々経験したことを紹介してきましたが、ついに完成!!!㊗️🎊
ここまでで半年走り続けました🏃♀️💨
元々のものに追加した分、超大作になっているので、お時間のある時にゆっくり見ていただけると嬉しいです!
これから
ここで、冒頭の方で置いていた画像を改めて使うのですが、ブランディング施策の道のりは長いです。
(現在自社サービスの「カイコク」のブランドガイドラインの整備も進めています…!ブランドアチチュード設定後のデザイン微調整も追いついていないので、それもやりたい…)
ガイドラインを一つ作ったからといって勝手に浸透が進むわけではなく、これからどんどんいろんな施策を続けていく必要があるので、まずはスタートを切れたな〜という感覚です…!
ブランディング施策をここまで任せていただけて、サポートいただいたメンバーの皆さんに感謝です!
改めてこの施策を通して、「まずは手をあげてみる」ことが肯定されているBLAMの文化、B-roots(行動指針)の中の一つ、「Think,Do,with Fun(考え続け、楽しんで挑戦する)」ができる環境はとても素敵だなと感じました。
これからも社内、社外問わず、BLAMを広めていくことを楽しみながら前進していきたいです!!💪
では、また😊
人生の大半を占めるハタラク時間が、社会の多くの人にとってより幸せに感じられるように。
BLAMはこの思いに共感し、挑戦する仲間を募集しています!
ぜひ、一緒にハタラクをデザインしませんか?🌟
カジュアルに話を聞きたい!という方も大歓迎です!🎉