ASCENSION - Megalomaniac【パワーメタルの進化と個人的なノスタルジー】

 403(バンド)をドラフォの速弾きで味付けしたような曲。
 これが個人的なノスタルジーとして、最高の組み合わせだ。
 403-Southern CrossはNintendo DSiの「うごメモ」というアプリ?の動画のBGMとして使われていた。
(余談だが、Southern Crossに感動しても、メタル雑誌もネットのレビューサイトも403を強く取り上げたことはないから、その時点ではメタルヘッズにはなりにくいと、個人的な経験から思う)
 メタルの入門として、パワーメタル(メロスピ)がある。その定番としてドラフォがいる。
 メタルヘッズの自覚のない頃の、大好きだった403と、メタルヘッズになってまもない頃に大好きだったドラフォ。その両方を感じられるという、ノスタルジーをかきむしりまくる曲。

↑「Southern Cross」が使われた「うごメモ」の動画

↑公式MV

 しかし、ASCENSIONはインタビューでドラフォの影響を否定している。

まあ正直なところ、曲作りの際に DRAGONFORCE を意識することはないよ。実際、僕たちは ASCENSION をどのようなサウンドにしたいかということに集中しているから、他のバンドを意識することはないんだ。

「EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH ASCENSION !!」より引用 http://sin23ou.heavy.jp/?p=18728


 似ているのは明らかなのに、なぜ影響を否定したのか。
 インタビューを読んで推測してみる。
 ASCENSIONとドラフォの違いとして、コード進行への意識がある。
 ASCENSIONは、コード進行や作曲のテクニカルさを追求している。

日本人が使う、多くの素敵なジャズのコードやその進行にはとても感化されるよ!それに、日本の作曲家はメロディがとても重要だと感じているはずなんだよ。僕たちと同じようにね!

「EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH ASCENSION !!」より引用 http://sin23ou.heavy.jp/?p=18728

【ASCENSION】: もちろん、僕らの演奏にはテクニカルな部分があるけど、実は作曲にもテクニカルな部分っていうのが存在して、その両方で境界線を押し広げることが好きなんだよね。

「EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH ASCENSION !!」より引用 http://sin23ou.heavy.jp/?p=18728


 対して、ドラフォは同じコード進行で繰り返し作曲できるそうだ。
(Sはサム、Hはハーマン)

S:俺たちのようなスタイルにちょうど良いコード進行というのがあって、例えばC#-A-E-BそしてG#というような、基礎となる進行があるんだ。(訳注:おそらく厳密にはC#m-A-E-B-G#7)とてもキャッチーなサビを作るためのね。多くのバンドはアルバムを何枚か作るとコード進行のパターンを使い果たしたと思って、変な進行を使い始め、その結果キャッチーで無くなってしまう。俺は同じキャッチーなコード進行のパターンで、新しい曲を作り続けられると思うんだ。使うコードの種類なんて8種類くらい?
H:いや、いくらなんでももっとあるよ!
S:そうだね(笑)。
H:確かにキャッチーな曲を書くためにある程度の公式はある。だけど単なる公式を超えるための要素というのがあって、例えば俺たちはギターで同じフレーズを2度は弾かない。1番と2番では違うフレーズを入れるんだ。

「DragonForce インタビュー2014!」より引用 https://www.hmv.co.jp/news/article/1407220069/


 コード進行にこだわるASCENSIONと、コード進行は同じでいいというドラフォ。音楽性は近いが、得意な作曲法や目指すものは違うのだろう。

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