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ダンジョン飯 6巻 【ネタバレありマンガ感想文・改訂版】 残酷な再会


以前のレビューの改訂版になります。

2018年4月14日にAmazonでレビューしたものを、そのまま2023年4月29日にnoteに掲載したものがこちらでした。

しかし、アニメ化にあたり、他の巻の感想を書いていったところ、以前書いた内容に自分で不満が出てしまい、もう一度感想を書き直すことにしました。

前も読んだ、同じ内容かよ、と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、アップデート版ということで、申し訳ありませんが、違いをお楽しみいただければ幸いでございます。

狂乱の魔術師を退けたライオス達の前に、
かつての仲間・シュローが現れる。
凄腕剣士の合流で、ファリンの救出も楽勝…!と思いきや!?
一緒に食事をすれば仲直り?
雪と氷の地下6階層で問われる、パーティーの絆。
新たな仲間が加わる第6巻!




0.RPGの世界のダンジョンで魔物を喰らうーこれまでのあらすじ


ドラクエのようなRPGの世界。

その世界の小さな島の地下に、過去の黄金の王国が狂乱の魔術師によって封じ込められていた。かつての王が魔術師の退治による解放を望み、解放者に全てを譲ると言い残して消え、争奪戦が始まった。しかしその王国のある地下の迷宮=ダンジョンは、人を襲う魔物が闊歩し、死者は魔法によって蘇ることができた。

主人公ライオス一行は、彼の妹ファリンが地下で炎竜に食われた状態で地上に脱出した。妹を助けるため再び急ぎダンジョンに潜り、迷宮内で魔物を退治して食べながら進むことに。ダンジョンで魔物を食べてきたセンシを仲間にし、妹を助ける旅が始まった。魔物を食べながら。
ついに地下5階に辿り着き炎竜に遭遇。皆で協力をしてなんとか炎竜を倒し、体の中から喰われたファリンを救出した・・・が、ファリンはもう骨だけになっていて生き返らせることができない状態となっていた。真っ当な方法では。
同行してきた魔法使いのマルシルが黒魔術を使い、炎竜の血肉を使ってファリンを甦らせることに成功した。

炎竜の肉を皆で食べたのも束の間。ファリンの言動が怪しくなりそこへ、迷宮の主・狂乱の魔術師が出現し戦闘に。一行は別の場所へ移動させられファリンは竜として狂乱の魔術師の元へいき、再度離れ離れになってしまった。
ファリンをすぐに助けに行こうとするライオスを、チルチャックが説得。自分たちでは対応困難あため、助けを求めて地上を目指すことになった。途中、以前の仲間のシュローとその仲間たち、および別パーティーのカブルー一行と再会した。


1.現れた魔物は・・・


シュローは、この物語の始まりの前の中まで、別のツテがあると離脱した男性でした。中世ヨーロッパ風のライオスたち一行に対し、どう見ても中世日本風の出立のシュロー(本名は半本俊朗)と身内という女性たちは忍者のようです。戦国時代でしょうか。そしてライオスたちを荷物泥棒と疑っていたカブルー一行も便乗して合流します。
シュローはファリンに求婚しており、不眠不休で食事もとらず探していました。ライオスは彼に食事をとることを提案し、準備の間にファリンの経緯を話し、シュローは激怒します。
この時のシュローがどうしてこういう反応になったのか、私にはよくわかりませんでしたが、この世界の理や闇があるようです。ファリンを蘇生するために使ったマルシルの黒魔術(本人曰く古代魔術)は、使っただけで大罪になってしまうんだそうです。他の魔法とどう違うんだかは良くわかりませんが、、、

揉めたところへ、鳥型の魔物・ハーピーの群れが一行を襲います。
さらに、強力な大型の鳥のような魔物が登場。
それは変わり果てたファリンでした。

下半身が羽毛のある大きな羽を持った竜となったファリン。

ライオスたちは攻撃を躊躇うものの、ファリンは強く、上から押し潰し、長い尻尾で薙ぎ倒し、首を絞め殺し、次々と容赦無く人間を殺していきます。

あまりに格好いい魔物になったファリンに一瞬見惚れていたライオスでしたが、ファリンを魔物として殺すべく剣を抜きます。
魔物になってしまった愛する妹を、その手で殺すことになってしまったライオス。

「すまないファリン
代われるものなら俺が代わってやりたかった」

そこへ涙をこぼしたファリンがライオスを見て言葉を発します。

「ライオス兄さん」

剣を取り落としました。

なんとも残酷な展開ですね。
ライオスはちょっと変な反応をするところもありますが、ファリンを妹として大事に思っているのは本当なようです。
頭ではわかっていても、実際に体が動かないというのが本当でしょう。

他のメンバーの奮闘で傷ついたファリンは逃走。

ライオスはファリンを殺さず解放するために狂乱の魔術師を倒すと宣言します。

「1日3食しっかり食べて 
睡眠を取ってる俺たちのほうがずっと本気だった!!」

シュローとライオスはなぜか殴り合いの喧嘩になって、なんとなくわかり合いました。

シュローとカブルー一行は地上に戻り、ライオスたちは地下に進んでいきました。

2.猫娘・イヅツミ


シェイプシフターのドタバタの後に現れたのは、シュロー一行から足抜けした、アセビ。
顔を覆う頭巾を取ると、現れたのは猫耳の女の子でした。
黒魔術によって人工的に作られた獣人であり、人になるためにかかっている呪いを解けとマルシルに迫ります。

マルシルにはその術は解けませんでした。
しかし、そんな彼女を見てライオスは希望を感じます。
人と魔物が合体した姿でも人の言動をとっており、ファリンも迷宮の支配を受けなければ元の人格を取り戻せるかもしれないと。

猫娘ことイヅツミは、勧誘されt一行の仲間になることになりました。

しかし、彼女、、
マナーが悪い上に偏食!

全部食べなさい!全部!!

3.夢魔の暴く苦手と恐れ


夢魔=ナイトメアに取り憑かれたマルシル。
マルシルを助けるべく、ライオスは彼女の夢に入っていきます。

的確に相手の苦手なものを夢に見せる魔物で、ライオスの苦手なものは、実家の両親でした。
マルシルが心の底から恐れているのは、「自分の身近な人が自分より先に死んでしまうこと」だとわかります。
エルフの寿命は500年ぐらいで、この世界では、人種によって寿命が違うことがすでに触れられています。
マルシルは身近な人がなくならないように必死に勉強してきたのでした。
マルシルと迷宮の主は同類なのでしょうか。

今回飯要素は少なめで、どうしてもストーリーのインパクトが強い巻でした。

食とは何かから始まって、魔物とは何か、人とは何か、魂とは、命とは何か。
そしてこの世の生き物たちのつながりを考える、なかなか壮大なダンジョン物語。
ちょっと「鋼の錬金術師」を思い出しました。
ここまで来てどう話を収めるのか、作者に期待します。

でも、収めてほしくない、終わって欲しくないですねえ。


著者:九井 諒子 (著)
ASIN ‏ : ‎ B07BVMWHMF
出版社 ‏ : ‎ KADOKAWA (2018/4/14)
発売日 ‏ : ‎ 2018/4/14
言語 ‏ : ‎ 日本語
ファイルサイズ ‏ : ‎ 92423 KB
本の長さ ‏ : ‎ 213ページ


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