日本うつ病学会診療ガイドライン 双極症2023 【読書感想文】 新しいガイドラインの確認は大事です
★★★★★
Amazonでレビューしたものです。
【目次】
第1章 疾患の特徴
CQ1-1 双極症はどのような疾患なのか
CQ1-2 双極症の診断基準はどのようなものか
CQ1-3. 双極症の症状・経過の多様性はどのように診断に反映されるのか
CQ1-4 双極症と他の精神疾患の鑑別をどのように考えるのか
CQ1-5 治療方針の決定に際して望ましい態度とはどのようなものか
CQ1-6. 双極症の治療において、どのような場合に入院を検討すべきか
CQ1-7. 治療中の自殺リスクに、どのように対処することが望ましいか
CQ1-8 双極症の治療において、どのような生活習慣が望ましいか
CQ1-9 ライフステージごとにどのような配慮が必要か(小児・若年・労働年齢・高齢者)
CQ1-10. 双極症に併存する身体疾患にはどのような配慮が必要か
CQ1-11. どのような社会資源を利用できるのか
第2章 躁エピソード
CQ2-1. 躁エピソードの治療開始時にはどのように対応するのか
CQ2-2. 精神運動焦燥・興奮を伴う躁エピソードにはどのように対処するのか
CQ2-3. 躁エピソードの選択薬・治療法はなにか
CQ2-4. 躁エピソードに対して、気分安定薬や第2世代抗精神病薬の単剤療法と
両者の併用療法はどちらが推奨されるか
CQ2-4.1 躁エピソードに対して、気分安定薬単剤療法と、
第2世代抗精神病薬との併用療法はどちらが推奨されるか
CQ2-4.2. 躁エピソードに対して、抗精神病薬単剤療法と、
気分安定薬との併用療法はどちらが推奨されるか
CQ2-5 さまざまな特徴を伴う躁エピソードの選択薬・治療法はなにか
第3章 抑うつエピソード
CQ3-1. 抑うつエピソードの治療開始時にはどのように対応するのか
CQ3-2. 抑うつエピソードの標準的な薬物療法とはどのようなものか
CQ3-3. 双極症抑うつエピソードでは、第2世代抗精神病薬の単剤療法は
気分安定薬の単剤療法より有用(推奨される)か
CQ3-4. 双極症抑うつエピソードでは、
気分安定薬・第2世代抗精神病薬の併用療法は、単剤療法より有用か
CQ3-5. 双極症抑うつエピソードでは、気分安定薬もしくは第2世代抗精神病薬
と抗うつ薬の併用は、使用しない場合より有用(推奨される)か
CQ3-6 抑うつエピソードの非薬物療法にはどのようなものがあるか
CQ3-7. 抑うつエピソードの治療反応性に影響を及ぼす要因は
どのようなものがあるか
CQ3-8 抑うつエピソードのタイプ・特徴ごとに有効な治療法があるか
CQ3-8.1 不安(不安症)を伴う抑うつエピソードに対して有効な治療はなにか
CQ3-8.2 混合性の特徴を伴う抑うつエピソードに対して有効な治療はなにか
CQ3-8.3 精神症症状を伴う抑うつエピソードに対して有効な治療はなにか
CQ3-8.4. 双極症Ⅱ型の抑うつエピソードに対して有効な治療はなにか
第4章 維持療法
CQ4-1 維持療法はなぜ行い、再発・再燃のリスクはどの程度あるのか
CQ4-2 維持療法の選択薬はなにか
CQ4-3 気分安定薬か第2世代抗精神病薬の単剤療法で臨床的に安定した
双極症患者は、その単剤療法を中止した場合に比べて、
その単剤療法の維持群の方が28日後の再発・再燃を
予防することができるか
CQ4-4 気分安定薬と第2世代抗精神病薬の併用療法で臨床的に安定した
双極症患者は、その第2世代抗精神病薬を中止した場合に比べて、
その併用療法の維持群の方が28日後の再発・再燃を
予防することができるか
CQ4-5 維持療法で抗うつ薬を使用してよいか
CQ4-6 治療抵抗性を示すときには、どのように対応するのがよいか
今後の検討課題CQ 双極症維持期治療において、抗精神病薬の時効性注射薬は
その経口薬より有用性に優れているのか
第5章 心理社会的支援
CQ5-1 各病期(治療導入期、急性期(躁エピソード/抑うつエピソード)や
維持期など)に対して、どのような心理社会的介入が予後改善に
寄与するのか
CQ5-2 通常臨床で実施可能であり、患者が日常生活で実践可能な、
エビデンスに基づいた有用な心理教育や精神療法に共通の
ミニマムエッセンスはなにか
CQ5-3 現状の日本における双極症に対する心理的支援として、
心理教育と専門的な精神療法をどのように使い分けるか
CQ5-4 専門的な精神療法や心理教育が受けられない環境下の患者や家族に
対して、有用とされている心理社会的支援はどのようなものか
CQ5-5 家族などのケアラー(プライベートでケアにかかわる方々)への
サポートには、どのようなことが役立ち、ケアラーと患者にとって
どのようなベネフィットがあるか
第6章 周産期
CQ6-1 妊娠を考える双極症の患者・家族に共有すべき情報はなにか
CQ6-2 妊娠中の双極症に対する気分安定薬のリスクとベネフィットはなにか
CQ6-3 産後(授乳婦を含む)の双極症に対する気分安定薬のリスクとベネフィットはなにか
第7章 副作用とモニタリング
CQ7-1 リチウムの血中濃度の測定はなぜ必要なのか、
いつ・どのように測定するのがよいか
CQ7-2 ラモトリギンの開始時、増量時などに用法・容量を
なぜ守らなければならないのか
CQ7-3 双極症の治療に用いられる抗精神病薬(特にオランザピン、クエチアピン)などによる抵糖能異常と脂質異常症には、どのように気をつければよいのか
CQ7-4 定期的に心電図を測定することは必要か
CQ7-5 双極症治療薬の使用時に聞くべきこと、モニタリングすべきことには
どのようなものがあるか
CQ7-6 特にどのような人に対して、副作用の注意をすべきか
CQ7-7 複数の薬剤を併用するときには、どのようなことに注意したらよいのか
CQ7-8 嗜好品、サプリメント、食品などにも注意が必要か
巻末付録 システマティックレビュー資料
躁うつ病、双極性障害、双極症。
名前も移り変わり、新しく薬もでて治療も移り変わり、の中の新しいガイドラインです。
躁エピソード、抑うつエピソード、維持療法と、3段階の治療についてのCQがそれぞれ載っています。
薬物治療は、
(1)気分安定薬と抗精神病薬の併用療法、(2)抗精神病薬単剤療法、(3)気分安定薬単剤療法のいずれか
気分安定薬としては、バルプロ酸ナトリウム、炭酸リチウム、ラモトリギン
抗精神病薬としては、アリピプラゾール(時効性注射薬)、クエチアピン、リスペリドン、アセナピン(シクレスト)、パリペリドン(インヴェガ)、ルラシドン(ラツーダ)
だが、3段階で使用推奨薬物は多少異なっています。
心理社会的支援では、QRコードで資料が紹介されていたり、オンライン教材なども触れられており、現代に合わせてアップデートされています。
周産期の章や血中濃度についても章を設けられており、より意識していく必要があるという指標でしょう。
しばらくはこれをよく読むことにします。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?