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猫たちの会議
舞台は森の中の小さな広場。そこには様々な色の猫たちが集まっています。
グレイ猫:「みんな、最近の人間の行動について話そう。」
オレンジ猫:「ああ、人間はうるさいし、邪魔ばかりする。」
タビー猫:「そうだね、私の家の前を通る人間はいつも騒がしい。」
猫たちが次々に人間の悪い面について話し始めます。
黒猫:でも、人間だってたくさんのいいことをしているよ。
グレイ猫:「え?黒猫、君は何を言っているんだ?」
黒猫:「人間は私たちを保護してくれるし、ご飯を与えてくれる。私たちの友達でもあるんだ。」
オレンジ猫:「でも、私たちが人間の言うことを聞かなくても生きていけるじゃないか。」
黒猫:「でも、一緒に暮らしているからこそ、お互いに助け合うことが大切なんじゃないかな。」
黒猫は自分の体験を話し出します。
猫たちがすむ森のはずれに、あるおばあさんの家があります。庭にはきれいな花がたくさん咲いています。ある日、黒猫がおばあさんの家の前にやってきました。
おばあさん:「こんにちは、猫ちゃん。おなかがすいたの?」
黒猫:「にゃーん、にゃーん。」
おばあさんは優しい笑顔で黒猫にご飯をあげました。黒猫はお腹が空いていましたが、人に慣れていないせいでご飯が食べられません。
おばあさん:「あら、おばあさんはこわくないよ、安心してね。」
おばあさんは優しい笑顔で黒猫に近づき、食事を置いてそっと退きました。
黒猫はご飯をおずおずと食べ始め、すぐに平らげてしまいました。黒猫はおばあさんを見つめます。
おばあさん:「ごめんなさいね、これだけしかあげられないの。代わりといっては何だけど」
おばあさんは自分の首にまいていた赤いマフラーを黒猫の首にまいてあげます。
黒猫はたくさんの冒険を経て、新しい友達や素敵な場所を見つけることができました。そして、その赤いマフラーはいつも彼の心を暖かくしてくれるのでした。
黒猫は話終えましたが、猫たちの反応はいまだ人間を疑うものでした。それでも何匹かは考えが変わったようです。
タビー猫:「黒猫の言うことも一理あるかもしれないね。」
オレンジ猫:「そうだね、人間との関係はただ利害だけではない。」
猫たちの森の会議は終わりました。彼らは私たち人間の知らないところでこんな会議を繰り返しているのです。