ロトの紋章 続編 紋章を継ぐ者達へ読了
前作のロトの紋章はジパング編あたりでリアルタイムでの追っかけは諦めてしまって、完結してから一気に読んだ気がする。
ジャガンが生い立ちだとか、ビジュアル含めて一番好きで、続編がアランとアステアの息子が主人公ということで、結構期待していたし、最初の3巻辺りまで買っていたのだが、なんとなく買い続けるに至らなかったと思う。
ただ、今回完結したことを機に読んでみていったら、ドンドン引き込まれて、面白かった。
Amazonレビューでは低評価のコメントが多くて、気にはなっていたのだけれど、最初から通して読んでいくと、丁寧に作られている作品で前作にも引けを劣らないと感じた。(最近評価だけでコメント書いていないことも多く、コメントがどうしても低評価ばかりになってしまっているかもしれない)
ゾーマとルビスのすれ違いからのことだけれど、そこはあまり気にならなかった。
アニスの最後に関しては、記憶を改竄されてたとは言え、自分の意思でゾーマ復活につながる行動をしてしまっていたとか、友人を殺してしまったこととか、アロスに引けを取ってしまっていることとかを感じて、犠牲になることを、進んで選んだんだろうけれど、かなり悲しい結末だったなと。アニスの立場だと、父や母に自分の事を忘れられていてきつい6年間を過ごして、やっと家族になれた瞬間も短く、幸薄いと感じてしまう。アランとアステアの記憶が戻って、アニスが泣き出すシーンなんてすごいジーンときたのだけれどなぁ…。
34巻の表紙のアロスの笑顔を見るに、自由に喜びを持って世界を飛び回っているシーンを予想していたけれど、もの悲しさを感じる飛行シーンだったなぁと。
フィクションでは双子の設定はどちらかが亡くなる事はよくあるとは言え、やっぱりアロスとアニスが手を取って歩いているシーンだとかを見たかったなぁ。どうしても、子供として見てしまうけれど、2人とももう1人前、ということか。
原作リスペクトな点は流石。
メルキドの妖精の笛の設定だったり、アレフガルドの世界の広がりだったり、毒の沼地に紋章を落としたり(前作も異魔神のドロドロの中で毒の沼地オマージュだった気がするけれど)。竜王の設定はまだ回収しきっていないような気がするので、スピンオフに期待。
ロトシリーズだけれど、エピローグは4や6のような勇者個人的には完全なハッピーエンドでないところは、天空シリーズのようだった。
前作とともに成長してきた身からすると、今回の主役2人は親目線で見てしまうので、子供の犠牲の後の平和、というとどうしてもやりきれない気持ちになってしまうのだろうか。