大國主命とは? - 883文字
本記事は、下記の文献を現代日本語訳したものです。
原本
大國主命
母竒稲田媛 賽狭八箇耳女
書紀曰乃相與遺合而生児大己貴命一書曰踊清之湯山主三名狭漏彦八嶋篠此神五世孫即大国主命云々
姓氏録曰大神朝臣素佐能命六世孫大国主命之後也
一書曰大国主命
亦名大物主命
亦号國作大己貴命
亦曰葦原醜男
亦曰八千戈神
亦曰大国玉神
亦曰顕国玉神云々
按
書紀及舊事地神本紀者大己貴別名大国主云々
一書及姓氏録者五世孫又六世孫云々
古事記者為七世孫代々名注之
上古事其世葉不可知
姓氏録謂之六世者
速素佐之男命
八嶋士奴美神
布波能母遅久奴須奴神
深潤水夜礼苓神
於美津奴神
天冬衣神大国主神云々古事記掾之注之宇
延暦年中撰新撰姓氏録之時
家祖大神主従五位下大神朝臣三支獻本系牒
為素佐能雄命六世孫者有謂矣姓氏録
現代日本語訳
オオクニヌシ(大国主命)について:
母は奇稲田姫で、狭耳の八女です。
日本書紀によると:
スサノオとの結婚により大己貴命が生まれたとされています。別伝では、清水の湯山主、三名狭漏彦、八島篠という名前も持ち、この神は五世孫、すなわち大国主命であるとされています。
姓氏録によると:
大神朝臣はスサノオの六世孫である大国主命の子孫とされています。
別名:
- 大物主命(オオモノヌシノミコト)
- 国作大己貴命(クニツクリオオナムチノミコト)
- 葦原醜男(アシハラシコオ)
- 八千戈神(ヤチホコノカミ)
- 大国玉神(オオクニタマノカミ)
- 顕国玉神(ウツシクニタマノカミ)
考察:
日本書紀と旧事記の地神本紀では、大己貴は大国主の別名とされています。
一書と姓氏録では五世孫または六世孫とされています。
古事記では七世孫として、代々の名前が記されています。
上古の事であり、その系譜は確実には知り得ません。
姓氏録で六世とされる系譜は以下の通りです:
1. スサノオ
2. 八島士奴美神
3. 布波能母遅久奴須奴神
4. 深潤水夜礼苓神
5. 於美津奴神
6. 天冬衣神(大国主神)
延暦年間に新撰姓氏録が編纂された時、家祖の大神主従五位下大神朝臣三支が系図を献上し、スサノオの六世孫としたことには根拠があったとされています。