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【母の終活】やはり自分で決めてもらうしかない/ホームから病院に逆戻り
2月22日(ねこの日)、母は1か月の入院を終え、介護ホームに入所した。
入所後2、3日は慣れない環境に戸惑いつつも、少しだが歩行器で歩く練習をしたり、機械入浴に目を細めたり、椅子体操に参加したりと、できそうなことをちょっとずつ始めていた。
退院できたことを素直に喜んでいるように見えた。
快調には程遠かったが、ホームでの生活に適応しようとちょっとだけやる気も出ているように見えた。
だが入所5日目にきっぱりと言い放った。
「なんにもすることがね、ないのよ」
私はなんと返事していいのかわからなかった。
何かしたいことがあるのか問うと
「だからと言って、したいこともないのよ」
いつも聴いていたCDを流す?とか、持ち込んだPCで大好きだった麻雀ゲームをする?とか、ネット見てみる?とかありきたりのことを言ってみたが、
やはり
「別になにがしたいわけでもないのよ。そこまでしたいとも思わないのよ」
と言う。
ホームがいやだとか、自宅に帰りたいとかでもないと。
母は自分の寿命を知っている。
1年持たないこと、数か月かも知れないこと、そのうち何も食べられなくなり動けなくなること、この先の可能性を知っている。
だから私もそれ以上安易にあれをしたら?これをしたら?と言えなかった。
その先になにがあるというのだ?
最期が近づくと取る行動は、まさにひとりひとり違うのだろう。
母を見ているとつくづくそう思う。
私ならどうするだろう?
答えはその時にならないけど出ないけど、今想像するに母とはかなり違う気がする。
だからやはりそこは、母が自分で決めるしかない、母に決めてもらうしかない。
自分の行動は自分で決める。
いくつになっても、どの状況でも、可能な限りではあるが、そうなのだ。
何かする、しない、したい、したくない、全部彼女に選択してもらうしかない。
入所7日目の昨日、退院後の初受診で母はあえなく再入院となった。
病状が進んでいるのか、薬の回りまわった副作用のせいなのか、自然の流れなのか、両足がひどく浮腫んでしまい、しばらく入院治療(対処療法)することになった。
主治医から、今日入院するほうがいいけど、どうする?と聞かれた母。
あっさりと「入院する」と答えた。
あれだけ入院も治療も嫌がっていた母。
その母が入院を選択したので、再入院となった。
先生の顔を見てほっとした、とも言った。
(そういうキャラではないと思っていたので私にはちょっと意外だった)
私は母がまた退院してホームに戻れることを願うが、母が実際どう感じているのか、わからない。
彼女は私ではないから。
そしてそんな質問は、もちろん、今の母にはしない。