「若手医師たちよ、ふてぶてしくなれ」
またこんなニュースが飛び込んできた。研修医や専攻医の自殺。これがあまり問題にならないのは、医者業界の闇だと思う。というか、過重労働に耐性がある人が多すぎるのだと思う。だからこそより闇が深い。
この方は、年齢から推測するに3年目だろう。3年目ってのはとにかく「忙しい」。2年の研修医が終わって、自分で科を選択して最初の学年。「研修医がいるじゃん?」って思うかもしれないが、研修医は、ほぼお客様みたいなもので、全ての下働きを一手に引き受けるのは3年目。24時間PHSなりっぱなし、看護師にもこき使われる始末。時間外労働200時間どころか、350時間くらい働いたこともあったが、振り返れば、あんなの誰が見てもおかしい。幸い私自身はふてぶてしい人間だったので、どうにかなったものの、今後、若手医師が同じような目に合わないように、いくつかアドバイスを書かせていただく。
1. 医療業界はやりがい搾取産業
医療業界は医師、看護師含め、やりがい搾取の温床だ。自分の本当の業務と自己研鑽をしっかり把握することが第一歩。やらなければいけないのは、「業務」だけなのだ。学会発表、論文作成を命令されることがある。そんなものは、本来の業務ではないので、やりたくなければ、断ればいい。「将来困るよ」なんて脅してくる上司も結構いるが、「困っているのはあなたでしょ?」と思うくらいのメンタリティが必要。
2. 無理なことは無理とはっきり言おう
あなたの上司は、あなたよりもっと劣悪な環境で働いていただろう。だからと言って、あなたも同じことを経験する必要はない。無理難題を押し付けてくる上司は数多くいる。だが、できないことはできないとはっきり言おう。できもしないのに、診療される患者が一番の被害者だ。もしそれで嫌われたら、転職すればいいのだから。
3. 残業代はきっちり請求しよう
残業代の請求は労働者の権利だ。だから、働いた分はきっちり請求しよう。労働と自己研鑽はあいまいだ。しかし、上司からの命令や業務上必要なものは全て労働に分類される。もし断られたら、労働監督基準署に駆け込めばよい。
4. 28時間以上連続勤務できないので、当直明けは帰ろう
「始業から 46 時間以内に 18 時間の連続した休息時間」というのは法律で決まっている。つまり、28時間以上連続勤務はできない。前の日の朝から働いている人は、次の昼で必ず帰ろう。
5. 責任は君にはない。上司にある。
ときに、部下の責任にする上司がいる。いったい何のための上司なのか?責任は上司がとるからこそ、上司がいるのだ。一人で抱え込む必要が全くない。困ったら上司に相談。相談してだめなら、他の人に相談。とにかく、多くの人を巻き込もう。
まとめ
若手医師の皆さんにはふてぶてしくなってほしい。生真面目な人ほど、辛い思いをする今の医療業界をどうにかするべきだ。二度と若い医者が死ぬことがないように国が変わることを心から願っている。
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