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『アンナ・カレーニナ』を観た。

例によってオススメされたのがきっかけ。観たのは2013年版。

複数映画化、演劇化されてる有名な文学だそうですが、どれも未読。未視聴から。

前情報として、絵画的?演劇的?ミュージカルっぽい部分も、と聞いたので、「歌ったりするんだろうか」と思っていたのですが、そういうことはなかった。宝塚でも演じられたことがあるというのを見ていたので、てっきり…w

それはさておき、舞台風の演出や額に飾られた絵に見えるような見せ方がとても魅力的で、観劇を観ているようでもありながら、映像技術らしいカメラワークや役者さんの動きがとてもよかった。
ダンスシーンはやっぱり印象的でした。

うまく言えないのですが、メインを引き立たせるために周り(画面前)がピタリと動きを止めて、通り過ぎると動き出すところが独特。

関係あるようでないけれど、気がそぞろでもしっかりと結構な動きのダンスを失敗もせずに踊るのがすごい。上流階級って感じがした。
途中からでも動きをぴったりと合わせて踊れるのもすごい。

鏡越しに恋敵と恋人(未)とのダンスを見つめるシーンと音楽、から汽車の車輪と雪景色への反転。本に挟んだオープナーかな?で熱を冷まそうとしてるところも情緒的。

時々汽車が模型的に見えたのもおもしろかった。(気のせいかもしれない)

アンナの恋は堕ちるもの。愛は求めるもの。
リョーヴィンの恋愛は守るもの。

という感じがした。
序盤のリョーヴィンの求婚シーンもよかった。キティの「無理よ」のそっけなさも含めて。
アンナのラストについては、因果応報的というかなんというか…思っていたよりも素っ気ないなという感想。
最初の記者に轢かれた整備?の真っ黒い男が、この終わりを示唆していたのかなと思うともうちょっと読み込めそうな気もするけどわからん…。
アンナの旦那さんに悪い点が見当たらなかったので、アンナとヴロンスキーの不貞に正解を見出せなかったけど、恋愛に正解はないというか正解を選ぶほどの理性を残せないのが恋愛だと思うので、それはそれでいい。
ただただ旦那さんは不憫。
だけど、妻としてのアンナの貞淑さからの女性としての奔放的な美もとても魅力的だと思う。
若い男がコロッと行くのは仕方ない。
他人から奪うような形で結ばれた若い男を、罪の意識に苛まれながら信じきることができないのも仕方ないし、そんな女についていけない(理解できない)気持ちも仕方ないから破滅の道を辿るのはわかっていたけど、せっかくなら貫き通して幸せになってもらいたかったという気持ちはある。
私個人としては不倫という行為自体への嫌悪はないので。というかそもそも男女関係自体に嫌悪を持っているから「不倫」という行為に特別感を抱いて否定的になれないだけかもしれない。愚かだとは思うし。

ところどころでハリボテ風にも見えるセットも舞台的で映像的な面白さが見られてとても良かった。芸術的だ。(最近こればっかりだな)


幸福な家庭はみな一樣に似通っているが、
不幸な家庭はいづれもとりどりに不幸である。

この作品を調べているとこの格言?に辿り着くのだが、なるほどなと思った。

よくわからないんですけど美味しいもの食べます!!