【雑記】ちんこだけが可愛がられる不平等──前編
◆なぜ男性器はポップで、女性器はタブーなのか
昔から疑問に思って来ました。
なぜ、男性器には可愛い名称がいくつもあり、誰でもその言葉を口にでき、公共放送で言っても大丈夫なほど「明るくポップな感じ」なのに、女性器はそうでないのか──。
女性器の名称は、口語ではほぼ1つしかありません(※)。「ま」が付くやつです。この言葉はとても口に出しにくく、公共放送でその言葉を言ったなら、大問題になります。このタブー感は、何なのでしょう──🙄
※外国語、古語、方言は除きます。
ちなみに、有名な話ですけど、タレントの松本明子さんは、新人のアイドル時代、深夜ラジオの生放送で女性器の名称を言ってしまい、しばらく活動休止を余儀なくされました。メインパーソナリティの笑福亭鶴光さんにけしかけられ、意味も分からないまま、その言葉を叫ばされたにもかかわらずです。ひどいですよね……😢
この件は「オールナイトニッポン・松本明子事件」(1984年発生)として有名です。
「ちんこ」「ちんちん」は、テレビやラジオで普通にみんな言っているのに、このような「取り扱いの不平等」は、なぜ生じるのか。
なぜ、この不平等が社会的に問題視されないのか。
そもそも、女性器にこれほどのタブー感があるのはなぜか。
とても不思議です。
伝統的なフェミニズムの立場で、この問題を提起した言説を知りません(私が知らないだけかもしれませんが)。これも、なぜなんだろう🙄
◆性器の取り扱いに関する国語学的考察
ちんこ、可愛いですよね。
ちんちん、これなんかさらに可愛いです。
ほぼ死語ですが、ちんぽこ、もオツな感じです。
が、しかし……
ま、
ま、、、
ま、、、、、、
ザワザワします……。僕ですら言いにくいです😅
これは、なぜなのか。同じ種類の言葉なのに……。
まずは、ちょっと国語学的に考察してみたいと思います。
■辞書における取り扱いの不平等
辞書の神様『広辞苑』(第七版)にも、不平等が現れています。躊躇しつつも、伏字無し、フルオープンで書かせていただきます。
男性器には、これだけの用語が取り上げられていて、解説も充実しています。
それに対して、女性器は──。
え、ひどくない?😨
しかし、この記事を書いている途中で、様々な発見がありました。
「ま〇こ」という言葉が一般に広がったのは、早くて明治期以降で(戦後という説もある)「広辞苑」に収載されたのは、2018年発行の第七版が最初であることです。それまでは特定の地方や一部でしか使われていなかった言葉だそう。知らなかった!
「ま〇こ」がどのような経緯で一般に広がったのかに興味がわきますが………、他にもっとすべきことがたくさんあるので、やめておきます、笑笑。優先順位は、超低いです。
■語源と方言
「ま〇こ」の語源は、女子を示す「めのこ」の転訛、小舟を使って売春をした女性(船饅頭)を略して「まん」と呼び、それに「こ」が付いたという説、なかには、徳川家康の側室、お万の方から来たなどという珍説もありますが、定説はない様子。
ただし、「おめこ」という異語があるので、「めのこ」の転訛が一番納得はできます。
「ま〇こ」が広がる前は、女性器をどのように呼んでいたかですが、地域によってかなり多様性がありました。例えば、次のようにです。
これを見ると、関東圏で使われていたのが、全国に広がったのかもしれませんね。しかし、「べべ」「ぼぼ」など、有力な地方語はあるにせよ、ここまで多様性があるのは不思議です。「ちんこ」「ちんちん」「ちんぽこ」が江戸期以前から、ほぼ全国で使われていたのとは対照的です。
それにしても、「よしこ」……。
よしこさんのよしこ……。すみません……、つい言いたくなりました。
しかし、なぜ、そうなった?笑😅
さて、有力な共通語がないということは、それだけタブー感があったことが理由のように思えます。あまり口頭に上らないから、伝播しなかったという予測です。なお、漢語では陰門、女陰などの共通語がありましたが、庶民は使いません。
ちなみに、「ちんこ」の語源は、仏教用語の珍宝(ちんぽう)から「ちんぽ」→「ちんこ」、小さな矛(槍みたいなもの)から「ちんぽこ」→「ちんぽ」→「ちんこ」など、いくつかの説はあり、定説はありません。しかし、語源からしても、明るくポップな感じです。タブー感がありませんね。
※長くなってしまったので、続きにします。次回は、女性器の「タブー感」の原因を文化人類学的に考察していきます。
ネットで検索したら「ネット乞食」という言葉に出くわしました。酷いこと言う人、いるなー。でも、歴史とたどれば、あらゆる「芸」は元々「乞食」と同根でした。サーカス、演芸、文芸、画芸しかりです。つまり、クリエイトとは……、あ、字数が! 皆様のお心付け……ください(笑) 活動のさらなる飛