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【雑記】AIは仕事を奪えない


人工知能(artificial intelligence:AI)の進化によって人間の仕事が奪われる、そんな議論がかまびすしい。「10年後、AIに代替される仕事30」などというランキングも、一時期流行した。

しかし、AIに人間の仕事が奪われることはない。

確かに、仕事のかなりの部分をAIに任すことは可能であり、しかもそのほうが効率は上がるだろう。しかしどんな仕事にせよ、人間に取って代わることはない。むしろ、共存することでパフォーマンスが向上するはずである。

AIは道具に過ぎない。
証拠を見せよう。

(TechCrunch Japan「人工知能が人工知能をプログラムする時代がやってきた」https://jp.techcrunch.com/2017/01/20/20170119ai-software-is-figuring-out-how-to-best-humans-at-designing-new-ai-software/


◆仕事において大切なのは感情である


とても偉い学者先生から、雑誌の特集記事の原稿が届いたとしよう。
ちなみに、この先生にご寄稿をお願いするのは、初めてだ。

有名大学の教授で、ハードカバーの著書が多数あり、マスコミにもよく登場し、政府の諮問会議のメンバーでもあるような、どえらい先生を想像してほしい。

早速、先生から届いたメール添付のWordファイルを開いて、内容をチェックする。すると………………………………………………………………………………
……………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………何これ? 日本語?w


皆さんは大抵、出版された、あるいはインターネットにアップされた「最終形」の文章を目にすると思う。著名な先生方の文章は、さすがに素晴らしい、深い、論考、論理展開が素晴らしい、そう思うだろう。

しかし、それはあくまで「最終形」である。


もちろん、文章が上手な先生も多い。なかには、手をつけるところがどこもない、という名文を書く先生もいらっしゃる(特に、昔気質の学者に多い)。しかし、どう料理してよいか分からない、「腐臭を放つブツ」を送って来られる方もいる。しかも、間違いだらけという……。


AIならば、このような原稿でも、すぐにパパっと処理をするだろう。

論理的な整合性がない部分、事実関係の誤り、用語の不統一をすぐにチェックし、明示してくれるだろう。そして、執筆者の先生に自動的にフィードバックもしてくれるだろう。そして、その通りに、修正してもらえば、素晴らしい原稿の出来上がり………。

それで、済めば、そんなに楽な話はない!!!!!

なぜなら、人間は感情の動物だからだ。

仕事のすべての過程で重要なのは、感情である。


そんなフィードバックが来れば、当然、先生のプライドはズタズタで、感情を損ねるだろう。場合によっては、激怒するかもしれない。あるいは、やる気をなくしてしまう。

重要な執筆者、はたまた大手クライアントの担当者などは、怒らせてしまったら終わりなのである。


◆最適解ではなく、最良の着地点を探る


私たちの場合、このような「どえらい先生」から、「腐臭を放つブツ」が送られてきたとき、まず、いくつかの仮説をたてる。

何か気に入らなくて怒ってる??

すごく忙しくて、やっつけ??

それとも、本気でこれ??

まず、このどれかを確かめてから、対策を練る。

査定を間違って、怒らせたら大変だ。今後、この先生にかかわる企画は立てられなくなってしまうし、この先生系列の研究者、学会に悪評が広まってしまうかもしれない。


できれば、この先生と付き合いのある編集者を探す。そして、先生の文章は、いつも編集者の手が大きく入っているのか、入っているとすればどの程度なら許されるのか、逆鱗ポイントはあるか、逆に機嫌を良くするくすぐりポイントはあるかをリサーチする。

これで情報が取れればよいが、そのような人物が見つからないことも多い。原稿が届いたら、当日中には御礼の連絡をするのが鉄則である。時間は限られている。

メールでもよいが、「腐臭を放つブツ」の場合は、電話して、相手の声色などから感触をつかまなければならない。


電話はタイミングが難しい。午前は大抵、気が張っているし、会議も多い。午後イチも会議や来客があることがある。夕方には会合やプライベートの予定が入っているかもしれない。

相手によってケースバイケースだが、一般的には少し気持ちがゆったりする時間──。そう、15:30くらいがよいだろう。

「〇〇〇のウラノでございますー。いつも大変お世話になっております。先生はお手すきでらっしゃいますでしょうか~。……あ、先生、〇〇〇のウラノでございます。この度はご寄稿をいただき、誠にありがとうございました。大変光栄でございますぅ~」

機嫌は悪くないようだ……。すると、文章がガチで下手なのか???

ここからが、重要である。
うっかり褒めたりして、言質を取られてはならない。
褒めずに、喜んでる様子にしなければならない。
そして、この「生ゴミ」原稿の理由を探り、対策を考えるのだ。

「早速、拝読いたしましたー。この時期、大変お忙しくらっしゃいますよね。それなのに、ここまでおまとめいただき……、えー、あ、はー、あ、なるほどぉー」

ちっ! 忙しいんじゃねえのかよ。ノリノリじゃねえか。

ガチなやつか……。


「いやぁー、ここまで網羅してくださり、大変ありがたい限りでございまして……。で、先生、今回、様々な分野の先生方にご寄稿をいただく企画でございまして、どうしてもやはり、先生方のお原稿の調整が必要になったりすることがございます。いやー、先生に全部お書きいただければそのような必要はないのですが、ちょっと編集部の方で調整などさせていただくことは………

ドキドキドキドキドキドキ (*_*)

……あ、お任せくだしますか!!! いやー、ありがとうございますぅ(ホッ)。それと、うちの読者にはあまりにも高度過ぎて難解な部分もいくつかございまして……、あ、その点も調整させていただいてよろしゅうございますか! ありがとうとざいますぅー。ええ、では、次回はご校正刷りをお送りする際に、またご連絡を差し上げます。貴重なお時間をいただき、誠にありがとうございました」

ふぅ、「生ゴミ」生産者だが、気さくないい先生だった。よかった……。

さて、言質は取ったし、この感じなら少しくらいなら怒らなそうだな。
よし、全部書き直しじゃー!!!


もちろん、こんな簡単にはいかない。探り合いである。
何度か「教えを乞う」形にしながら、徐々に書き直しを進めて、先生も気持ちよく、そして、いい成果物が仕上がるように持っていく。

重要なのは、タイミングと、会ったり話したりしたときの感触だ。

相手によって、また、担当者によっても、やり方は様々である。「こうすればうまくいく」なんて、正解はない。

こんなことが、AIにできるはずもない。

機械が出す最適解は、正解ではない。
これはすべての仕事に言えることだろう。


◆人間の相互作用と物語が創造を生み出す


製造業だって、そうだ。発案者、購買者、すべて人である。もちろん、その間に様々な人が絡む。その人々は、感情で動く。

その時々の場面で、コミュニケーションをはかり、様子をみて、最も良いと思われるタイミングを選び、相互理解を深めながら、良い物を作る。それは、集積データとアルゴリズムが導き出す最適物とは違ったものであるかもしれないが、意外にニーズにマッチしたりする。なぜなら、コミュニケーションの過程で企画が発展したり、今まで気が付かれなかった隠れたニーズに気づいたりするからだ。

そして、互いに気持ち良く仕事ができれば、よい結果につながりやすい。
プロセスがないAIには、そのようなことはできない。

開発だけではない。部品や資材の調達も、工程管理もそうだ。

「この相手なら」「今までの付き合いがあるから」と、少々無理をしても数を確保し、品質の良い物を届けようとする。そのそれぞれにドラマ物語がある。

ドラマと物語こそが、「生きる」ということである。

AIは、ドラマと物語を排除しようとする。

AIが過大評価され、あまりにも多くの部分を代替するようになれば、作られるのはディストピアである。

AIはジョブ型の仕事しかできない。人間の対話による相互作用、それぞれの人々の物語の集合が、創造を生み出すのである。


◆ロボットとのセックスは楽しいか


ここまで書いてしまって、エロがないことに気づくw 
僕は、ここで書くものはすべて「エロ縛り」をかけている。

多分、あと10年ほどしたら、AIを搭載したセックスロボットが一般化するかもしれない。

(GLOBE+ラブドールの最高峰が挑む「不気味の谷」https://globe.asahi.com/article/11859860

すでにアメリカのアビスクリエーション社が2018年にAI搭載のセックスロボット「ハーモニー」を発売している。体こそ動かないが、首を動かしたり、瞬きをしたり目を閉じたり、口を動かしたりして多彩な表情を作ることができる。もちろん、感じたり、恥じらったりする表情も作る。また、体温もあり、人工体液も分泌する。

その最新型(100万円くらいする)は会話機能も進化し、流暢に会話もできるという。しかも、持ち主の性的な趣味や指向を記憶し、持ち主が好む言葉を発したり、いざなったりするという。

(アビスクリエーション〔Abyss Creations〕社「ハーモニー」紹介サイトhttps://www.realdoll.com/product/harmony-x/


日本人型が早く欲しいものである。
誰がいいか。やはり菜々緒ちゃん
けれど、どこに置こう……。


しかし、そんなロボット相手のセックスは面白いだろうか。

相手が人間だから、楽しいのである。


ご飯食べたりデートしたりしながら、「今日、行けるかな」と探るのは、めちゃくちゃ楽しいものである。互いのフィーリングをはかって、相手の表情や、その場の感覚から、いろいろな仮説をたてて、どのような距離をとるかを考えていく。可能性がありそうと思ったら、徐々にスキンシップをはかったりしながら、互いの「感情」を高めていく。


個性やコミュニケーションのタイプ、感情の高め方は人それぞれで、誰1人として同じことはない。つまり、マニュアルはない。しかも、互いにその時々の調子や気持ちの有り様があり、同じ人でも、毎回、同じではないところもおもしろい。


ホテルに入った後は、肩や首筋、手に触れたりして、相手の心の開き具合や、感情の高まり具合を探る。


顔を向かい合わせて行うキスは、「相手の気持ちがどれほど自分に向いているか」を確認する作業である。キスをすれば、「流れでホテルに入ったけど、自分のことが好きとかではない」「誰にでもスイッチが入るパターン」「結構、自分に好意があるかも」「僕ではなく自分自身に酔っている感じ」など、いろいろなことがつかめる。


肩を抱いたり、軽く抱きしめたりすれば、そのフィット感から、体の相性や相手の性的な開発レベルもある程度分かるものである。そして、首筋にキスをしたり、腰に触れたり、胸に触れたりすれば、相手の性感帯を探ったり、感度をはかることができる。


これらの反応は、相手によって様々で、誰一人同じではない。また、同じ相手でもその時の感情や調子によって毎回、違う。その先の性行為も、多種多様である。だからこそ、楽しいのである。


相手の反応を見ながら、互いに高め合う人間同士の性行為は、双方向の「満たすセックス」である。AIによってセックスロボットがいくら進化しようが、そのようなセックスはできない。セックスロボットとする性行為は、単なる自慰行為の延長であり、一方向の「奪うセックス」でしかない。ロボットには心はないが、一方的にむさぼる行為なのである。


あらほさんの次の記事に触発されて、AIの記事を書きました。その1~4まであります。どれも、とても勉強になる記事でした。

って、セックスロボットの話の後の引用になってしまい、ごめんなさい!笑


※写真は引用表記がないものはすべてO-DANの無料素材。

ネットで検索したら「ネット乞食」という言葉に出くわしました。酷いこと言う人、いるなー。でも、歴史とたどれば、あらゆる「芸」は元々「乞食」と同根でした。サーカス、演芸、文芸、画芸しかりです。つまり、クリエイトとは……、あ、字数が! 皆様のお心付け……ください(笑) 活動のさらなる飛