伝説のブランドRAF SIMONSについて
今回は、昨年惜しくもブランドの終了を発表したRAF SIMONSについて語っていこうかと思います。
1 デザイナー、ラフシモンズについて
その後、ラフシモンズは、自身のブランド以外にも数々のブランドで偉業を成し遂げるようになる。
2005年JIL SANDER就任
シルエットや機能性が格段とUPし、ブランドとして評価をさらにあげた。
それまで、メンズのみでの取り組みだったが、レディースもデザインすることになった。当初のJIL SANDERからは変わり、派手なデザインやボロなどもあった。
2006年RAF BY SIMOSのスタート
セカンドラインをスタート
カジュアルながらも、アートを絡めたメッセージ性のある強いデザインを提案するラインとなっている。
2011年RAF BY SIMONSからRAF SIMONS 1995に変更
生産委託先と契約終了により、置き換えをおこなった。それ以降ブランケットなどファブリック製品も扱うライン。
クラシックなアイテムで構成され主なアイテムはロールネック、象徴的なRシャツスクールボーイブレザーそして、ミリタリーパーカーやボンバージャケットがある。
2012年JIL SANDER退任後、Diorのクリエイティブディレクタに就任
アートや音楽を取り入れたコレクションを発表。自分でデッサンすることなく、写真や実際にモデルに合わせて構想を練っていた。
自身のブランドに集中するため、2015年に退任。
2016年CALVIN KLEINのチーフクリエイティブオフィサーに就任
売上的には、まずまずだった模様だが、数々の賞を受賞した年もあり、デニムなどにパンク等の要素を落とし込んだものは、人気を誇った。
2020年PRADAに共同クリエイティブディレクター就任
ミウッチャ・プラダと共同デザインを行う。伝統的なブランドのクラシックがラフシモンズの、ダークな雰囲気がどのようにマッチしていくのか、ファッション業界全体が注目している状況である。
2 数々の名作コレクション
ラフシモンズでは、数々の伝説となるコレクションがありますのでそれらについて簡単に解説していこうと思います。
1997ー1998スクールパンク期
スクールテイストなコレクションでテーラードジャケットやネクタイ胸元の学生を象徴するデザインが特徴的。
学校をテーマにしたコレクションは当時珍しくファッション業界に衝撃を与えました。60sのモッズスタイルをベースに使うようなスタイリングが特徴。
1998ss Black Palms期
イングランド出身のパンクロックバンドSEX PISTOLSをテーマにしたシーズン。大胆にも上半身裸でランウェイを歩いたり、白と黒で構成された勢いのあるコレクション。
袖の切っぱなしが特徴的で、王室や政府、大手企業に対する反抗性のあるスタイルをデザインに落とし込みました。肩を突き抜けるほどのピンクドラペルや背中に細かく切り込みが入ったシャツ幅広い黒のスラックスなどがある。
1998ー1999AW Radioactivity期
Krafwerkの1975年の名作にインスピレーションを受けて発表したコレクション。比較的にクリーンでミニマムにデザインされたシーズンでもあり、エレガントな印象の強いアイテムが多い。
今後軸となっていくアンダーグランドロックスタイルが現れ始める。ポリエステルが混ぜられた独特な質感のコットン生地は程よくモードとストリートの狭間を演出している。
2001ー2002AW Riot Riot Riot期
別名暴動期と呼ばれるウェールズのManic street Preachereというロックバンドからインスピレーションを受けてコレクションを発表。
当シーズンのマルタン・マルジェラの影響を受けたであろう、特大のフード付きパーカーを機にビックシルエットのコートがラフシモンズの代名詞的な存在になる。
2002ss テロリスト期
黒、白、赤、などの単色で構成された服装が印象的でテロリスト巻きと呼ばれる頭に巻いたストールが反響を呼んだ。
このコレクションが発表された同年「9・11アメリカ同時多発テロ」が起きた。
ですが、ラフシモンズ自身テロが起きる前から、コレクション・デザインを考えていた。
2002ー2003AW VIRGINIA CREPER期
自然環境にインスピレーションを受けたシーズン。ビックシルエットが顕著に現れており、色使いは全て自然環境を元にしている。
アメリカツタという、美しい実をつける毒を持つ二面性から着想を得た。
自然の美しさと相反する脅威を感じさせるようなコレクション。森林のブラウンや夜の黒、葉っぱの緑などカラーリングにも特徴が見える。
2003ss 消費者期
ラフシモンズ自身の消費者に対する考え方をデザインに起こしたシーズン。
複雑なディティールが多く、遊び心がありつつも、機能面では案外実用的でミリタリーテイストな服が多い。
現代のなんでも消費させることを目的とした風潮に対して問題提起している。
廃棄物に手を加えたアクセサリーを作ったりしていた。ディティールや表現方法のハイブランドに対してあえてロゴやマークをプリントしたり、新しい価値観を提示したコレクション。
2003ー2004AW Closer期
グラフィック感が強く知名度の高いシーズン。グラフィックモッズコートやプリントパーカー、ビックシルエットのMA1など。
イギリスのロックバンドJOY DIVISIONのグラフィックを手掛けるアーティスト、ピーターサヴィルのアートワークを落とし込んだコレクション。
(権力の美学)のCDジャケットのプリントが施されたモッズコートやパーカーが名作。
2004 宗教期
ドイツの作家ヘルマンヘッセが求道者について、小説「シッダールタ」をテーマにしたコレクション。
シッダールタはお釈迦様を指すことから宗教期と呼ばれるようになった。生地の薄さや素材のダボ付きで上手く表現している。
2004ー2005AW WAVES期
ネック付きパーカーやビッグシルエットなどが目立ったシーズン。
コレクション前半は黒が多く、モード色が強く全体的にワイドなシルエットが多く攻撃的なデザインやストリート要素もあった。
多くはAラインやYラインで構成され、非常にトレンド感のあるコレクション。
2005ー2006AW History of the world期
ラフシモンズ自身も新たな出発点となるようなコレクション。
ワイドパンツやクロップドジャケット、レザーコートなどモード感全開で中にはミリタリーテイストなアイテムもあり、それらは全て黒で統一されていた。
個人的に注目したいポイントはウエストでこれまでになく、ハイウエストで表現され、当時にしては一見変わったアプローチ方法をしていた。
特徴的なデザインも多く、少し違和感を感じた人も中にはいたそうですが、ここがラフシモンズの新たなアピールポイントにもなっていきました。
いかがでしたでしょうか?簡単ではありましたがラフシモンズについてまとめてみました。今後はもっと深掘りした内容も掲載していけたらと思っています。
他にも、私自身持っているラフシモンズのアーカイブ商品を取り入れたコーデも掲載していけたらと思います。
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