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その2.ミナモトカズキ先生『メルヘン課長とノンケ後輩くん』
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花材:ケイトウ、スカビオーサ、石化柳、ベニテングダケ(カット綿・着色)
花器: バケットバッグ、陶器
![](https://assets.st-note.com/img/1729509098-l1SpnXK0LJY4ut8IRGserWA9.jpg?width=1200)
最新刊Season2第2巻の上司は、後輩くん・颯斗が着こなすショッキングピンクのスーツが、課長・健二さんへのデレっぷりを表しているような気がします。
今回、花材として選んだケイトウですが、花を咲かせながら種を撒き散らすという、スゴ技を持っています。
愛の種を周囲に撒きちらし、人々を笑わせたり泣かせたりする颯斗と健二に似ている気がします。
そこに、照れくさそうにうつむき加減で咲くスカビオーサ(松虫草)と「幸福」が花言葉のベニテングダケを添えました。
勝手な作品解説:甘さもほろ苦さも、すべてが作品の魅力
メルヘン課長シリーズは、表紙が主人公ふたりの絶妙な距離感を表していて、グラフィックデザインも秀逸(個人の感想です)。
メルヘン課長・健二さんの頭には、世界一大きな花・ラフレシアと色変したベニテングダケが同尺かつ並列で描かれています。
最初は度肝を抜かれましたが、花や植物を図鑑にあるように見ていた自分に気づかされました。
メルヘンな花畑には尺など関係なく、自由なカタチでいいのだと、一気に作品の世界に魅了されました。
作中では、カミングアウトや10代の妊娠など、簡単に答えが出せないテーマも扱われています。
2人の主人公も周囲の人々も、思い込みや思い違いがあって、正しい人など一人もいません。
後悔しない選択をするために、それぞれが悩み抜き、笑顔で涙します。
シリアスな場面にコメディを持ってくるあたり、ミナモト先生wow!なのですが、作品に生きる人たちが何を思っても、どう選択しても、その是非が問われることはありません。
ただただ、その人がその人であることを尊重しています。
誰かを好きになり、幸せを求め、ともに生きようと力を尽くす。
笑って泣いて悩んで嘆いて愚痴をこぼしながら、最善の道を選ぼうとする人々の姿に、読み手が勇気づけられる作品です🪷