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NYのミレニアルが矢継ぎ早にティンダーでパートナー探しをする理由
ティンダーでパートナーを探してデートを続ける若い同僚達(注)に、今年で結婚20年だということがバレるとなんだか恋愛グールーみたいな扱いをされて非常に困るんだが。私をよく知る友人なら、いかに日常私が旦那を褒めもねぎらいもせず、基本的に放置していることはご存知のはず。むしろこちらが色々教えて欲しいくらいだよ。
(注:昨今のジェントリフィケーション=地域の不動産価格の高騰とそれに伴う住民の入れ替わり、の甚だしいNYCで、若者の一人暮らしの経済的ダメージには筆舌に尽くしがたいものがあるようだ。だからみんなルームシェアしたり、好きでもないパートナーと同棲したりしている。)
でも、四十路も半ばになり、それこそ若い頃から性格を知っているような知り合い達がそれぞれの道でそれぞれの人生を展開していく、その道筋や途中経過地点を見ると、こればっかりは男女や年齢問わず、仕事であれ人間関係であれ、「これだけは譲れない」という価値観や行動規範がキチンとできていて、それを守り抜いてきた人はやっぱりうまく行ってるし、その人の周りには良い人の輪ができてる。信頼されてる。
「譲れないものがある」というのは、つまり「侵されたくない個の領域というものが確かに存在することを知っている」ことを意味するわけで。当然自分とは違う他人の価値観や規範をも尊重できて、だからそういうところには大体気持ちのいい人だけが集まっているんだよな。美意識にブレがある輩はリスペクトされない。
「この人/グループには可愛がられてた方が得策だな」みたいに、その時々の「正解」に合わせて己の美学をコロコロ変えてきたようなのは、若い時は勢いだとか「若いというだけの商品価値」で何とか持ち堪えたりできるんだけど、やっぱり中年になるとそんなお釣りはもう残ってないわけで。でも、ジタバタするのも結局は体力勝負だし、せめてメンタルだけでも整えて、多少のことでは動じないようにしとかないと。ミッドライフクライシスをようやく乗り越えつつあるかな、と振り返る余裕も出て来た今日この頃、自戒も込めて一応書いておく。