「自己肯定感を上げれば成功できるでしょうか?」について考えてみた
「セルフイメージを変えると人生が変わる」という教えがあります。セルフイメージを上げるとは、自己肯定感を上げるということですね。
自分に対する考え方が変わると人生の捉え方が変わるのは確実でしょうが、それが成功につながるかどうかはわかりません。
内閣府が発表した子ども・若者白書では、若者(成人から30歳くらいまで)の自己肯定感が諸外国と比較して低いという結果が出ました。
まず言いたいのは、若者の自己肯定感が低いということは悲観する必要ないということです。
まして、若者でない人が、若者の自己肯定感を心配している場合ではありません。
自己肯定感を高めたり、自分の長所に気づくということは、コーチングやカウンセリングの技術で可能です。今のところ、その手法が広く社会に行き渡っていないだけなので、心配する必要はありません。
問題があるとしたら、自己肯定感を他人と比較しているということでしょう。諸外国よりも自己肯定感が高ければ良いということではありません。宇宙人と比較して地球人が低いとしたら、またしても問題になるでしょうから。
自己肯定感を人と比較することのナンセンスさ
人との比較によって作られる自己肯定感は、他人への圧力に転嫁されることがあります。
たとえば、部下に威圧的になる上司、子どもを虐待する親など、自己肯定感が低いために、矛先を自分よりも弱い者に向けてしまうことがあります。
「〜しないと将来困るよ」「だから、〜じゃない」などの言葉は、子どもの自己肯定感を下げ、大人になっても自己肯定感が低い状態が続くと言われます。
失敗を許されず、きちんとした行動をすることを強要された子どもは、失敗に必要以上に落ち込むかもしれません。
しかし、親を責めたところで、私たちの自己肯定感が上がるわけではありませんね。親も未熟だったのだ。仕方がありません。
自己肯定感を人と比較したり、自己肯定感の低さを人にせいにすることほど、ナンセンスなことはありません。なにせ、自分のことなのですからね。
自己肯定感は上げることができる
自己啓発セミナーでも、「自己肯定感を高める」というテーマは人気があります。
内容を大まかに説明すると、自分に自信がなく、将来に不安を抱えている参加者に対して、「その自己認識は本当に正しいのか?」と問いかけるものが多いですね。
ワークやセッションを通して、参加者の自己認識を変化させることで、自己肯定感(セルフイメージ)をあげます。
自己肯定感に低さに悩んでいる人は、
・他人に何かを言われたりされたりして傷つくのは自尊心があるからだ
↓
自分のことを大切に思っているから傷つけられたら悲しいし、怒りがわく
↓
自分を肯定しているはずなのに肯定できていない気がするから苦しい
↓
自信がないからつい他人と比較してしまう。
というサイクルにはまっています。
そこで自己肯定感を高める方法は、すでに自己肯定感は備わっているので、自分を否定しない、自分を変えようとしないというワークが行われます。
最終的には、自分を肯定することができます。
経験による自己修正能力を発揮しよう
自己肯定感は感覚なので、上げることは可能です。ただし、それで人生がうまくいく場合とそうでない場合があります。
物事が思い通りにいかないのは、自己肯定感の問題ではなく、現実的なスキルが問題かもしれません。
問題が現実に起こっていることなら、対策が必要になります。つまり、意識を変えるだけでは解決ができないということです。
自己肯定感の低さに悩んでいる場合、悩みなのか課題なのかを分離して考える必要があります。
悩みであるなら、悩まなくなるメソッドは開発されています。課題の場合は、自己肯定感に加えて、問題解決の手法が必要になります。
売上が下がっている企業なら、売上アップの施策が必要であり、結婚相手を見つけたいなら、身だしなみやコミュニケーション力の向上が必要でしょう。
つまり、意識を変えるだけでは不十分だということです。
私たち大人に備わっているのは、経験による自己修正能力です。
妄信的に自己肯定感を上げようとするのでなく、何が問題なのかを把握する必要があるでしょう。大人は経験によって、問題の本質を捉えることができるのですから。
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