リザエレ! エレミネイション+ウィンクルム EPISODE 17 A 『破れ、シナリオを』 Vol.2
はじめに
この度は数ある記事、作品の中から本作品(「リザエレ! エレミネイション+ウィンクルム」)をお手に取っていただき、心より感謝を申し上げます。
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この作品の物語はフィクションであり、登場する人物、場所、団体は実在のものとは一切関係ありません。また、特定の思想、信条、法律・法令に反する行為を容認・推奨・肯定するものではありません。本作には、演出上一部過激な表現が含まれております。お読みの際は、十分ご注意ください。
Chapter 120 「彼らからの指令」
> 関京県雛都市湊区神ノ矢町 ルート中央支部
雛都市のシンボル、ランドスカイタワーのふもと、三角形に交差する三つの道路に囲まれた土地に建つ白い十三階建てのビル。91枚もある四角い窓すべてに黒いカーテンが引かれていて、周囲の建物とは境界を定める異質さがある。
ここがルート本部じゃないことの証明なのだろうか、関係者以外立ち入り禁止のデジタル看板の隣に、何故か控えめにルートの紋章が掘られた中央支部の石銘板が設置されている。
時刻は九時四十六分。入り口の前に立つ警備員さんに会員証を見せ、わたしたちは建物内へと入る。
モーツァルト『交響曲第三十三番変ロ長調第一楽章 K.319』を奏でるピアノの音、シャンデリアの照明にベージュの床、茶色い棚で囲われたエントランスホール内はさすが中央支部なだけあって豪華で神秘的。
ルートの哲学・思想を表したと思われるデザインのステンドグラス、細胞のような宇宙らしきものが表現された網目模様の天井、帽子と小槌を持つ黄金の賢者像と先端にザクロの実が付いた螺旋状の柱、棚には杖と剣、ペンダントや勲章などの装飾品の数々が展示されている。
中央の受付には東浜辺支部同様、バーチャルレディが立っている。そしてその隣では約束通り、ケントさんとリキュマさんがわたしたちの来訪を待っていた。
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