18.8.6トレーニングを効果的に進めるための7原則

トレーニングを効果的に進めていくために抑えておきたいポイントが7つある。

①オーバーロード(過負荷)の原則

 筋の活動を高くするためには、日常で使用するよりも強い運動刺激を筋や神経‐筋に与える必要がある。

 普段から1時間歩いている人が運動として30分ウォーキングをしても、運動能力が向上するとは言い難い。

②漸新性の原理

 筋力の増加によって、重さや回数、速度などの負荷刺激を高めていくこと。同時に種目や負荷のかけ方を高度化・効率化・細分化していくこと。

 膝着きの腕立て伏せを10回→30回→普通の腕立て伏せ10→30→手の幅を変える…等、少しずつトレーニングを「キツイ」ものに変化させていく。

③継続性の原則

 筋と筋力の高度な発達のために、強い意志を持ち目的に合ったトレーニングを長期間継続する必要がある。

 ベンチプレスを100㎏挙げられるようになることを目標とする場合、腕立て伏せを30回なら楽にできるのに、それを週に1回やるだけではその目標に届くとはいえない。

④特異性の原則

 トレーニングは与えた運動刺激によって効果が異なるので、目的に合った運動条件を選択してトレーニングすること。

 フルマラソンの選手が100mダッシュを繰り返すことは、競技の特徴から考えるとあまり必要なトレーニングではない。

⑤全面性の原則

 すべての体力要素をバランスよく、全面的に鍛えていくこと。筋力トレーニングにおいては、筋と筋力をバランスよく強化していくこと。

 基本的に上半身のトレーニングばかりやり、下半身のトレーニングはほぼやらない、というように身体のバランスが崩れることは避けたほうが良い。  スポーツの場合は競技によって求められるバランスは違うものの、それに応じたトレーニングを行う必要がある。

⑥個別性の原則

 年齢、性別、体力、体格、健康状態、トレーニング歴、目的など、個人差をよく考慮したうえでトレーニング内容を選択すること。

 20歳男性でスポーツ選手として活動している人と40歳女性で運動はほとんどしていない人が同じトレーニングになることはまずない。

⑦意識性の原則

 トレーニングの目的、方法、効果についてよく理解し、常に目的意識と向上心をもってトレーニングに取り組むこと。

 いわゆる「やらされる」トレーニングは効果が低くなりやすいし、ケガにつながる恐れもある。 

参考文献

スポーツトレーニングの基礎理論 2013 西東社 横浜市スポーツ医科学センター

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伴和馬/ばんかずま
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