【賢く選ぼうキャンペーン】無駄な医療を削減し、患者と医療従事者の賢い選択をサポート
11月はChoose wisely!月間
ノルウェーでは、毎年11月になると「賢く選ぼう」キャンペーンの広告がいろんな医療界隈で目に入ります。
皆さんは、このキャンペーンご存知ですか??
1 「賢く選ぼう」キャンペーンとは?〜Choosing Wisely〜
「賢く選ぼう」キャンペーンは、患者と医療従事者が協力し、不必要な医療行為を減らすことを目指しています。アメリカの「Choosing Wisely」運動から始まり、ノルウェーでも「Gjør Kloke Valg」として広がりを見せています。このキャンペーンでは、医療の安全性向上と医療リテラシーの強化が重視されています。
2 キャンペーンの背景と目的
米国内科専門医機構が主導する「Choosing Wisely」は、各医療分野の専門家がリストを作成し、無駄な診断や治療を避けることを推奨しています。ノルウェーでも同様に、特定の症状に対する無駄な治療を減らすことが求められています。医師や患者が一体となって賢い選択をすることが、医療サービスの質の向上につながると指摘しています。
3 ポップなホームページで親しみやすさを出す戦略
医療者たけでなく、国民全員へメッセージが届くようにホームページも工夫されています。
固苦しい言葉を避けて、ポップなデザインで親しみやすさを出している印象があります。
上記のイラストには以下のことが書かれています。
「多いほど良いとは限らない」
「賢く選ぼう」キャンペーンは、患者に有益でない、または最悪の場合害を及ぼす可能性のある検査や治療を減らすことを目的としています。
4 実際に「腰痛」テーマについてなんて書いてあるか調べてみた
最近の記事で腰痛について書かせていただいたので、良い機会だし、このキャンペーンではどんなことが記されているか、実際にホームページに飛んで見てみましょう!
あと、こういう調べ方もできます。
説明の最後には情報元(国が出すガイドライン)や情報元協力団体のリンクも貼られています。
5 医者だけではない〜「賢く選ぼうキャンペーン」で多職種連携〜
ご覧のように、ノルウェーでのキャンペーンは多職種連携して情報共有を行っています。
先程の腰痛&レントゲンに関する情報はノルウェー放射線技師協会からの情報です。
ノルウェーでの「賢く選ぼう」キャンペーンに協力する全ての団体は以下の通りです:
1. ノルウェー医師会(Den norske legeforening)
2. ノルウェー理学療法士協会(Norsk fysioterapeutforbund)
3. ノルウェー手技療法士協会(Norsk manuellterapeutforening)
4. ノルウェー心理学会(Norsk psykologforening)
5. ノルウェー薬剤師協会(Norges farmaceutiske forening)
6. ノルウェー放射線技師協会(Norsk radiografforbund)
7. ノルウェー助産師協会(Norges jordmorforbund)
8. ノルウェー視力矯正士協会(Norges optikerforbund)
9. ノルウェー看護師協会(Norsk sykepleierforbund)
10. ノルウェー歯科医師協会(Den norske tannlegeforening)
11. ヘルスケアナースグループ(Landsgruppen av helsesykepleiere)
12. ノルウェー作業療法士協会(Norsk kiropraktorforening)
13. NITO バイオエンジニアリング学術協会(NITO Bioingeniørfaglig institutt - BFI)
14. 労働組合(Fagforbundet)
このように、多くの医療専門職団体がキャンペーンに参加し、無駄な医療を減らすために尽力しています。
6 医療に対するクリティカルな視点をもつこと=ヘルスリテラシー
このキャンペーンは、患者が医師に対して治療や検査の必要性について質問することを推奨しています。患者が「この検査は本当に必要か?」と尋ねることで、医療の選択に積極的に関わる姿勢を持つことが奨励されています。こうした対話により、不要な治療を避けることができ、患者自身も医療リテラシーを高めることが可能です。
まとめ:賢く選択するというか、もっと自分の身体のこと知ろうウィークだと個人的には思う
「賢く選ぼう」キャンペーンは、無駄な医療行為の削減と医療リテラシーの向上を目指す画期的な取り組みです。患者と医療従事者が協力し、医療サービスの質と安全性を高めるため、より良い選択を奨励しています。
医療の発展と同じくらい、患者のヘルスリテラシーを向上させていくことって大事だと思うんです。だって、そのひとのからだは、私たち医療者のものではなく、患者さん自身、そのものなんですから。
同じ目線で意味のある議論をともにしていく社会になると、無駄な医療費も削減できるしその人自身が自分の健康について考える良いきっかけにもなると思います。
長々と書き続けてしまいました、ごめんなさい(;´∀`)それではまた!
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