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セラピスト間での連携
1.他(多)職種連携
医療現場で働いたことのある方なら一度は聞いたことのある言葉ではないでしょうか?チームとして一丸となって患者さんのために動いていく、そんな意味のある言葉です。
互いの知識や技術をリスペクトしながら、時にはシェアしながら医療の質を高めていくことにもつながる、とても大事なツールだと私は考えています。
2.理学療法士間での連携はどうなっているの?
でも、セラピスト間の連携でも、課題を感じたことある方いらっしゃいませんか?
地域セラピスト「複雑骨折で大きな手術を終えた患者さんのリハ・・・あ~こんな時、整形リハの方にお話聞ければ・・・」
回復期セラピスト「この患者さん明後日退院だけど、訪問リハ担当セラピストは病院のカルテどのくらい観れるのかな、患者さんのこと以前から知ってるのかな、、」
病院セラピスト「退院後は呼吸リハをしてもらわないと、、、でも、〇〇町って、呼吸リハの人いるんだっけ・・・」
3.ノルウェーにおけるセラピスト間のコミュニケーションの課題と解決策
ノルウェーの理学療法協会のジャーナルをぱらぱら読んでいると面白い記事を見つけました。
ここで紹介されていた論文では、プライマリケアと専門医療における理学療法士間のコミュニケーションの課題と、その解決策として開発された新しい紹介状テンプレートと手順について論じています。
以下、その論文の内容を皆さんにもシェアしたいと思います♪きっと「あ~わかる!」と思われる方、いらっしゃるのではないでしょうか。
実際に存在するノルウェーセラピスト間の課題:
理学療法士は、特に専門医療からプライマリケアへの紹介状の送信に関して、電子的な情報共有がうまく機能していないことを指摘。
専門医療の理学療法士は、患者の退院後にプライマリケアのどの理学療法士がフォローアップを担当するのかわからないことが多く、その結果、紹介状を送信することが出来ない。
プライマリケアの理学療法士は、専門医療における患者のコントロールに関する情報が不足しており、専門医療の理学療法士は、プライマリケアにおける患者の優先順位付けに関する情報を必要と指摘。。
コミュニケーションは、多くの場合、理学療法士同士が互いに知り合いであるかどうかに依存。
さまざまな評価ツールを使用しているため、異なるサービスレベル間での評価が制限されている。
解決策の開発:
これらの課題に対処するため、専門医療とプライマリケアの理学療法士からなるワーキンググループが結成され、共同で新しい紹介状テンプレートを開発。
紹介状テンプレートの内容例:
患者情報: 患者の氏名、生年月日、連絡先などの基本情報。
紹介元情報: 紹介状を作成した理学療法士の名前、職名、所属、連絡先。
紹介理由/目的: 専門医療への紹介理由、診察の目的(評価、治療、セカンドオピニオンなど)。
診断/問題点: 患者の診断名、または理学療法士が評価した主要な問題点。
評価:
PSFS: 患者の主観的な機能レベルを評価するために、Personspesifikk funksjonsskala(PSFS)を使用します。
その他の評価: 理学療法士は、PSFSに加えて、疾患特異的な評価ツールやその他の関連する評価(睡眠、疼痛、体力など)を含めることができます。
治療: 専門医療で行われた治療内容、自宅で行う運動プログラム、患者教育の内容などを具体的に記述。
目標/意図: 患者の治療目標や、今後のリハビリテーションで達成したいことを記述。
プライマリケアへの推奨事項: プライマリケアの理学療法士への具体的な推奨事項、例えば、治療の継続、新しい治療の開始、評価の依頼など。
紹介の目的別に4つの優先順位も含まれています。
プライマリケアにおける開始された治療の継続。
開始(緊密なフォローアップは不要)。
評価/セカンドオピニオン。
治療(自治体の優先順位キーに従って優先順位1〜3を指定)。
最新の研究知識への参照: 紹介状には、最新の研究に基づいた、疾患特異的な評価ツールや治療法に関する情報を含めることができます。
今後の予定/コントロール: 専門医療における今後の診察予定や、プライマリケアでのフォローアップの頻度、時期に関する提案などを記述。
その他: 上記以外の重要な情報があれば、ここに記載。
解決策の評価:
新しい紹介状テンプレートは、臨床現場でテストされ、理学療法士と患者から評価された。
理学療法士は、プライマリケアにおける優先順位付け作業を容易にしたという点で、概ね意見が一致。
患者は、プライマリケアの理学療法士から受けたフォローアップは、専門医療から事前に説明された内容と一致しており、プライマリケアの理学療法士は準備ができており、専門医療とプライマリケアのアドバイスと治療に一貫性があったと報告。
4.この論文を読んで思うこと
たぶん、テンプレートが大事なのではなく「共同で作成」という部分がミソなんじゃないかと思います。一緒に作成することでお互いの意識も高まりそのプロセスこそが連携を強めることができる、、、と個人的には思っています。ケアの継続性と患者さんの満足度を向上させるとても良いツールだと思いました(^u^)
それではまた!
参考文献
https://www.fysioterapeuten.no/epikriser-fagfellevurdert-fysioterapi/utvikling-av-epikrisemal-for-utveksling-av-informasjon-mellom-fysioterapeuter-i-primaer-og-spesialisthelsetjeneste-en-systematisk-samproduksjonsprosess/156178?fbclid=IwY2xjawFsWxJleHRuA2FlbQIxMQABHX_frzi-7VHEbKmdY7ZGQ_DpWpIwmoYCDw1YvfTIczHpNtkuTjir9vo82A_aem_ND8pGERbQwnSBfqP785O3A」¥