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【ボクシング】ロメロ逆転TKOで王座獲得も物議醸すストップ/挑戦権はシムスが獲得
☆5月13日(日本時間14日)/アメリカ・ネバダ州ラスベガス/コスモポリタン・ラスベガス/チェルシー・ボールルーム
◇TGBプロモーション
WBA世界スーパーライト級王座決定戦12回戦
○ローランド・ロメロ(アメリカ)2位
●イスマエル・バロッソ(ベネズエラ)1位
TKO9回2分41秒
腕で巻き込んでのダウンに加え、プッシングによってのよろめきをダメージと判断したトニー・ウィークス・レフェリーのストップ。バロッソがポイントをリード(76対75、77対74、78対73)していたことを差し引いても、物議を醸す終幕だった。バロッソの年齢(40歳)を考慮しての裁定ならば、なおさらおかしな話である。
ロメロが戦い方を誤ったと言わざるをえない。カウンター狙いだったのか、バロッソに攻めさせて疲れを誘発させたかったのか。開始早々から、ロメロはひたすらに身を引いて、サウスポーのバロッソに先に攻めさせた。当然、バロッソはカウンターを警戒していたが、じりじりと間合いを詰めて左ストレートをボディに突きさしていく。これに対し、ロメロの右は常にワンテンポ遅れを取る。3ラウンド、やはり後退するロメロに対し、バロッソは左フックでボディを空振り、右フックを打つと見せかけて左ストレートをロメロの顔面に伸ばす。ロープを背負っていたロメロはこれをかわし切れずに打たれ、横倒しになってしまった。
「バランスを崩しただけ」と試合後にうそぶいたロメロだが、このノックダウンはバロッソに勢いをつけてしまう。打たせて返す単打リズムもまた、バロッソに好都合でいい具合に噛み合ってしまった。ロメロはバロッソの左ストレートボディを再三再四、まともに食らっていた。
7ラウンドに入ってようやく連打を見せ始めたロメロだが、長くは続かない。逆にバロッソの左からの右フックもヒットされてしまう。
9ラウンドになって、ようやく重い腰を上げたロメロは、立ち上がりからプレスを強めた。コーナーに詰めて右からの返しの左フックをヒット。さらに追撃の右は流れ、腕で巻き込むようになってバロッソが押し倒される形になる。冒頭に記したように、ウィークス・レフェリーはこれをノックダウンとしてカウントを数えた。
一気呵成とばかりに攻めるロメロ。ダメージよりも疲労が見え始めていたバロッソ。だが、攻撃を受けている側のバロッソの反撃のほうがヒットしていた。にもかかわらず、右グローブで押されたバロッソがストップされてしまった。
ロメロを圧倒的に応援する会場も、さすがにブーイングの嵐に包まれた。
☆5月13日(日本時間14日)/アメリカ・ネバダ州ラスベガス/コスモポリタン・ラスベガス/チェルシー・ボールルーム
◇TGBプロモーション
WBA世界スーパーライト級挑戦者決定戦12回戦
○ケネス・シムスJr.(アメリカ)10位
●バティル・アフメドフ(ウズベキスタン)3位
判定2‐0(116対112、115対113、114対114)
頻繁にサウスポーにスイッチを繰り返しながら、正攻法で攻めるサウスポーのアフメドフの攻撃を、巧みなボディワーク、ガード、グローブキャッチでかわすシムス。自らロープを背負って攻めさせて、しかしカウンターで常に迎撃。特にサウスポースタンスからの右フックは切れ味、威力ともに抜群だった。
序盤から焦りの色を隠せないアフメドフは、連打の強度をどんどん上げて攻めていくが、シムスは肩越しにかわすのが出色。攻撃の緩急も利いていて、アフメドフはダメージを蓄積させていたはずだ。
しかし、アフメドフはおそろしいスタミナの持ち主だ。試合が後半に入っても、バランスをしっかりと保つ下半身から、連打を繰り返す。シムスはこれに決して怯まずに、しっかりとアフメドフを見据えて反撃にかかるのだが、次第に被弾も増えていった。
アフメドフの手数を支持したジャッジは引き分けとしたが、主導権を握り、試合の流れを支配していたのはシムスだった。
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暁視GYOSHI【ボクシング批評・考察】
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