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【ボクシング】バムガードナーのパワーパンチ。その源はシフトウェートにあり/金メダリスト・クルスがプロ初戦完勝

☆7月15日(日本時間16日)/アメリカ・ミシガン州デトロイト/メソニック・ホール
MATCHROOM BOXING
WBC・WBO・IBF・WBA女子世界スーパーフェザー級タイトルマッチ12回戦
○アリシア・バムガードナー(アメリカ)チャンピオン
●クリスティナ・リナルダトゥ(ギリシア)WBCスーパーライト級5位、WBO3位、IBFスーパーライト級8位、WBA8位
判定3-0(99対91、98対92、98対92)

 2階級上の前WBO王者リナルダトゥと対峙したバムガードナーを見て、「どっちが2階級上だ?」と思わされた。リカバリーの仕方もあるのだろうが、それくらいバムガードナーの体の大きさが目についたのだ。単純に“体躯”の差もあるが、俯瞰して見た場合、その選手が醸し出す“雰囲気”で大きく小さく見えることもあるのだから、これは不思議な現象である。

 スタンスを広く取り、重心をしっかりと落として固定したバムガードナーは、その力を利用して打つパワーパンチが際立っていた。速く小刻みに上体を動かしてリズムを取るリナルダトゥの動きを完全に無視し、しっかりと動きを見定めていた。初回から右アッパーを主体にした強い連打を決めて、早い決着も想起させたが、コーナーに戻ったバムガードナーは、トニー・ハリソン・トレーナーに叱責されていたように見えた。
 試合後、スポーツ・ジャーナリストのクラウディア・トレホス女史に「なぜ2ラウンドから距離を取ったのか」と訊かれ、「コーチからそう指示を受けたから」と答えていた(※私の拙い英語力ではそう聞こえたので、正しいかどうかはかなり怪しいが)。アメリカでは、男性のみならず、女性ジャーナリストも試合直後に鋭い質問を浴びせていく。見習わねばならぬと肝に銘じた。

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