【取材の裏っ側】Vol.2佐藤洋太さん(元WBC世界スーパーフライ級チャンピオン)
※初出=WEBマガジン『The Boxers』Instagram限定記事(2023年8月12日)。「まとめ」のために、こちらにも掲載した次第です
「あ、どもども」
電話に出る際の口癖で、記者をいつもほっこりとさせてくれる。
現役時代からそう。取材でも雑談でもどんなときでも、しゃべると妙な安心感を与えてくれる。それが佐藤さんだった。
2013年に引退。翌14年に地元の岩手県盛岡市で『焼肉チャレンジャー』の店長に就任し務めてきたが、今年5月、同市内のさらに駅近くに、新たに『焼肉酒場マグマ』を開店。今度はオーナーとしても腕を揮っている。念願だったスケートボード・パークを階下に設置して。本人からいただいた写真、全部入りきらないのが惜しいが、自分よりも“わが庭”をメインにしているのがなんとも彼らしい。
取材を依頼したのは、超多忙の最中のこと。いや本当に暇な時間のない様子。それでもしっかりとスティーブン・フルトンの映像を見てくれて、合間をぬってお相手をしてくれた(その間も業者さんらしき人の来訪あり)。
Yes or Noをハッキリと言うタイプ(仕事柄、そうじゃないことも増えてるんだろうけど)。それがまったく嫌味なくでき、むしろ心地好い。もちろん頭もキレる人だが、中でも感覚・感性が非常に優れており、物事の良し悪しを瞬時に判断する能力は天才的。「洋太くんだったらこれ、どう思うだろうなぁ」と、ひと回りも下の彼に意見を求め、彼を“物差し”としていたこともあった(本当は、いまでもバロメーターになってほしいくらい)。そんな“寂しさ”を紛らわすため(笑)、彼のAmebaブログ(「焼肉酒場マグマ店主の私的blog」)をチェックするのが日課となっている。彼独特の文章のリズム、これがまた気持ち良いんだよなぁ。
2015年頭。1度だけ、盛岡を訪れたことがある。ライトフライ級王座決定戦に敗れた八重樫東の帰郷に合わせ、“後輩”洋太さんとの2度目の対談を企画して。その際訪れたチャレンジャーで食べた肉の数々、そして白飯の美味しさは忘れられない。思い出しただけで、いまだパブロフの犬になる。
「オレ、『絶対』って言葉、キライなんスよね」と、現役時代に聞いたことがある。が、それを重々承知した上で言う。
「また絶対に盛岡に行く」。
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暁視GYOSHI【ボクシング批評・考察】
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