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横浜、有明、そして広島

 ボクシング・ビート誌S編集長の命を受け、過日、横浜武道館の『TREASURE BOXING7』へ。前編集長でいまだ現役バリバリのかつての師・Mさんのカメラをお借りして、“記者カメ”(撮影兼記事担当)をすることになった。記憶をたどれば、ボクシング・マガジンの月刊最終号で、重岡優大&銀次朗兄弟の熊本凱旋試合(2022年7月6日)を撮影して以来。およそ2年ぶりの兼務だ。
 試合会場に行くのすら5月の東京ドーム以来となる。どれだけ地下に潜ってんだ!? と自分をツッコみたくなるが、それはさておき、初めての会場(ボクシング自体初開催)、初めて使うカメラということに興奮が高まった。さてその結果やいかに。。。発売中の最新11月号に掲載。
 同日は有明アリーナで『PRIME VIDEO BOXING DAY1』も開催され、数名は“ハシゴ”を敢行していたが、自分はこちらの会見に最後までびったり参加し帰宅。途中から配信を見つつ、翌『DAY2』に備えた。

 東海道線→山手線→有楽町線→ゆりかもめ。4本の乗り継ぎに加え、目標物が見えているにもかかわらずなかなか辿り着かない。ナゴヤドームに向かう歯がゆさに似た感覚を毎度味わうのが有明アリーナだ。帰りも橋の“こっち側”を渡らせまいと、“向こう側”へと迂回させられる。またそれがなんとも回りくどくて焦らされる。しかも工事でもなんでもないのに。何故?と係員に疑問を投げかける時間も惜しいほど、切羽詰まって帰路に着くのも定番だ。そして、誰一人として食ってかかる者はなし。ボクシングファンの品行方正ぶりに感心する。
 後で知ったのだが、シカゴ・カブスの鈴木誠也が観戦に訪れていたとのこと。中谷潤人と交流があって、両日来ていたのだという。たぶんおそらく、あの会場にいた中で、自分は彼のトップクラスのファンだったろう。いや、知っていたとしてもミーハーな行動はもちろん慎んで、遠目から姿を確認する程度。体のデカさを見たかった。

 早朝仕事を始めて1年が経つ。畑違いの業務に加え、生来の不器用さや“鈍くささ”も相まって、周りの人たちをどれだけイライラさせてきただろう…と思う。が、おかげさまで最低限のひととおりはこなせるようになった気がする。何より他人を見つめる目が変わった気がする。肉体労働に近いから、動きも学生時代に近づいた感じ。今なら50mダッシュできるかも。。。

 木内昇さんの『剛心』が文庫化された。単行本はもちろんのこと、文庫も所有するのが“ノボリスト”流。今回は修正・加筆等はないらしいが、彼女がnoteで書いているとおり、解説が必読・必携。
 明治建築家の巨匠のひとり、妻木頼黄(つまき・よりなか)率いる一団が、広島市に臨時帝国議会仮議事堂を建設するくだりは、同書の中のクライマックスのひとつ。現在は広島県警本部近く(広島市中区基町)に石碑のみ遺るが、2年前に広島を訪れた際に足を運んだ。若者たちが“聖地巡礼”する気持ち、わからなくもない。

ひっそりと佇む石碑

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本間 暁[闘路園TOUJIEN]
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