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【ボクシング】決定力は相変わらず。だが、物足りなさも感じさせたパチェコ

 昨日の品川からの帰りの電車は、混雑というほどではなかったにしろ、座ることができなかった。「座って眠る」予定だったがしかたない。
…というわけで、心地よい疲れが、蓄積疲労と重なって、4時に起き上がることができず、寝っ転がりながら目覚まし時計の時間を「4:20」に修正。早朝仕事へ向かう準備をしながら、4:30からPCでTNT SPORTSのマンチェスター興行(QUEENSBERRY PROMOTION)を見始めた。

元WBA王者ランキンvs.元マイナー団体王者コージン

 が、「たぶん6時頃からだろうから見られない」と勝手にふんでいたWBC&WBO女子スーパーウェルター級王座決定戦がすでに始まっており、慌てて7ラウンドから見始めた。
 これが予想をはるかに超えるレベルの高い展開で、仕事へ行く準備もそっちのけで見入ってしまった。ハナー・ランキン(イギリス)が多彩なフェイントから右ストレートを打ちこめば、サウスポーのエマ・コージン(スロベニア)もクイックな足のフェイントでランキンの右を誘い出し、これをかわして右フックをボディに差して迎え打つ……。
 疲労なんか残してよかったから、いつもどおり4時に起きてフルラウンド見たかった。こういう“モッテなさ”が私には昔からある。
 スコアは2-1スプリットでコージン勝利。なおさら全ラウンド見たい。

 自分の甘さゆえ、この試合を全部見られなかった悔いを仕事中も引きずってミスを連発。まだまだ「人生修業」が足りない身だと痛感。

 普段はのんびり買い物をして帰ってくるが、今日は一目散に帰宅。DAZNの米・カリフォルニア州イングルウッド興行(matchroom boxing)を視聴。「ホープって言われてるけどさぁ、マーク・カストロ(アメリカ)は相変わらず鈍くさいなぁ」なんてボヤいたり、「おいおい止めんの早いやろ!」って、例によってレイ・コロナ・レフェリーに苦言を呈したり。

 スキンヘッドにヒゲをたっぷりたくわえて、最初誰かわからなかったカリ・ヤファイ(イギリス)は、伏兵ジョナサン・ロドリゲス(アメリカ)にまさかの初回KO負け。左ボディブローを意識させられた上で、右オーバーハンドをガードの間に通されてアゴを痛打。これが効いて2度ダウンを奪われてストップ。ローマン・ゴンサレス(ニカラグア)に喰らった一撃が、やっぱり尾を引いているのかもしれない。

 WBA女子スーパーバンタム級タイトルマッチは、王者マイエリン・リバス(ベネズエラ)が華麗なアウトボクシングを披露していたが、エリカ・クルス(メキシコ)のハチャメチャプレスに巻き込まれ、美しさを壊されてしまった。自分はリバスが96対94で勝ったと思ったが、8~10ラウンドがもったいなかった。イスマエル・サラス・コーチの指導を受ける選手は、コーチの慎重な性格を継いでしまうのかもしれない。自ら仕掛ける“フリ”でもいいから、そういうラウンドを作っていれば、ジャッジの印象もまた違った気がする。

 マッチルームいち押しのディエゴ・パチェコ(アメリカ)は、最終的には相変わらずの決定力(すごい右アッパーだった)を見せつけたものの、マルセロ・コセレス(アルゼンチン)の下げて巻き上げたり、上体を沈めたりしながら放つ左フックの上下打ちや右ボディストレートに手を焼いた。丁寧に戦おうというテーマがあったのだろうと思うが、エンジンのかかりが異様に遅く、私の採点ではポイントは「コ・パ・コ・パ…」と交互に行ったり来たりしていた(公式採点は知らんけど)。スローテンポで戦うというのも意識的だったんだろうが、それがコセレスのやりやすさを生んでいたように感じた。一転してテンポアップした8ラウンド、実際コセレスは付いてこられなかったではないか。7までのテンポで戦っていたら、猛者集うスーパーミドル級では頂点に立てないと思う。そういう“勝負”をかける前のテストとしては、良いマッチメイクだった。


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