[日記]引退/2023年6月16日(金)

「復活の日を信じて、辛いリハビリに励む。ケガや病気に遭った選手たちと同じだって考えてみてはどうですか」

 先日ある人にそう言われ、身体全体に澱んでいたものが少しずつ流れていくように感じた。

 世を拗ね、人に拗ねていたってなにも始まらない。要は自分自身の在り方だ。

 これまで数限りなく見てきたボクサーたち。熱烈に応援してるドラゴンズの選手たち。彼らの何を見てきたんだ、と。

 日々の生活に加え、島篤史編集長から依頼された2テーマがまた、しみじみとした想いを呼び起こしてしまったのかもしれない。このままどこか知らない町に行ってしまおうかなんて、ぼんやり考えた日もあった。そこでなぜかパッと浮かんだのが石川県だったのは、自分でもよくわからない。

 図らずも、なのかどうなのか定かではないが、「引退」にまつわる原稿を2つ書いた。ひとつは岩佐亮佑。もうひとつは藤岡奈穂子&多田悦子から端を発した女子ボクシング。極力、情調的なものを排して淡々と書いたつもり。でも、想いは入れた。それが届こうが響こうが、そうでなくても関係ない。

 たんなるイチファンとして観ているドラゴンズに関しては、暑苦しいほど燃え盛って書いてみたりする。それが自分の本性。でも、ことボクシングに関しては、とてもバランスよく、熱情を伝える名手の方が数多くいる。本当は、そういう原稿を書いてみたいとも思うのだが、とてもじゃないが、あの人たちにはかなわないので、お任せしたい。そして、そういう記事が、もっともっと多くの人に触れるような場を作りたい。

 オレはオレのやり方でやるしかない。それが必要ないならば、身を退くしかない。でも、「死ぬ時が引退」、それを目がける。いまはリハビリに専念する。

いいなと思ったら応援しよう!

闘辞苑TOUJIEN
ボクシングの取材活動に使わせていただきます。ご協力、よろしくお願いいたします。