いまどき結婚、相手に求めるものは 男はカネを、女は…?|ちゅん
▼男女双方が、相手に求め始めた旧来の「役割」
先日、こんな記事を読みました。※会員限定の記事になります
厚生労働省の人口動態統計をもとに「2023年に結婚した初婚同士の夫婦のうち24.8%は妻のほうが年上だった」として、近年の「結婚観」の変化について書かれたものです。
「男女のどっちが年上か」ということも気にならなくはないですが、記事中にもっと気になる一文を見つけました。
気になって、この一文の根拠となっている国立社会保障・人口問題研究所の「第16回出生動向基本調査(結婚と出産に関する全国調査)」を見てみました。2021年6月時点の調査です。
調査内容は多岐にわたるので興味ある方はご自身で見てもらえればと思いますが、私が見たのは、「いずれ結婚するつもり」と回答した18~34歳の未婚者を対象に、結婚相手に求めるものを聞いた項目です。
「経済力」に関しては、引用した日経新聞の報道の通りです。男性視点で「重視する」の割合はそれほど高まっていませんが「考慮する」割合が大きく上昇しています。一方で女性視点では、ここ10年ほどは割合が低下傾向にあるようにも見えます。
「経済力」以外で、時系列で大きな変化や傾向が見られるものはほかにもあります。「家事・育児の能力や姿勢」です。男性が求めるものとしては明らかな傾向がとらえにくいですが、女性に目を転じると「重視する」という回答が大きく増えていることが分かります。
共働きがほぼ当たり前のようになってきている現代では、「男は仕事、女は家庭」という価値観はかなりなりをひそめるようになりました。それぞれの性が主に担ってきたとされる「役割」を、結婚相手に求めるというのは自然な流れであるようにも思えます。
▼「容姿」を「重視または考慮する」は男女同等に
家庭内の「役割分担」とは少し異なる変化も見られます。こちらは「容姿」に関する回答です。
「重視する」と「考慮する」の合計値で見ると、女性の割合は上昇を続けており2021年には81.2%と男性と同等の水準になりました。ただ男性も直近の調査で「考慮する」の割合は減っていますが、「重視する」は高まり続けており、これは男女に共通する傾向になります。
「仕事への理解」という項目もありました。大きな変化とはとらえにくいですが、こちらも女性が「重視する」項目としては近年増加傾向にあるようにも見えます。
▼求めなくなっているもの
「なんか、お互いに相手に求めるものが増えているのかな」。そうお感じかもしれません。確かに、同調査の項目の中では、明らかに減っているものというのは限られます。
しかしその中でも一つ、これは減少傾向が明らかかもしれません。
男性視点では傾向はとらえにくいですが、女性視点では低落傾向に見えます。果たしてこれの意味するところは…。
コメントは控えておきます。
変わり始めたカップルの関係性。それを描く企画をお届けしています。