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私がなぜ、事業承継・M&Aの仕事を始めたのか?

帝国データバンクによると、後継者不在率 75.3%、全国で 3 番目に高い山口県、そしてベスト10には、鳥取県、島根県、広島県も入っており、中国地域全体が後継者不足の地域と言っていいでしょう。私の仕事での活動範囲の大半が中国地域です。この課題に取組むには、一番のタイミングであり、仕事としてのニーズも高く、事業承継・M&Aを啓発しながら成果も生み出しやすいと考えました。

創業仲間や同世代も事業承継を準備していくタイミングになってきた。

1998年に友人達とのIT企業の設立に参画して事業家として歩み始めました。その3年前より異業種交流会に参加したり、ベンチャースクールに通い、アントレプレナーシップを持った仲間が増えました。創業する人もいれば、家業を継ぐ人、そのまま会社に在籍して経営幹部なった人など様々です。
同じ世代の人もいれば、少し上の世代の人もいます。26年も経てば、次の世代に事業を承継する人達の集団にもなります。

実際に同世代の経営者と話すと、子供に事業承継させることを考える人も出てきていますし、事業承継のフォーラムに参加して事例を聴くと、同世代の経営者が早々と子供たちに事業を承継して第二の人生を楽しんでいる人達もいます。55歳が事業承継の準備に入るには早いわけでもなく、創業して25年の会社が事業承継の準備をしても早くはありません。事業承継は、8年~10年で準備をしていくので、逆算してみれば、55歳、そして、創業25年の会社が事業承継の準備をしていくのも良いのではないかと思います。
ギリギリで事業承継を考えるとネガティブになる。しかし、余裕を持って準備をしていけばポジティブに考えられる。私自身が事業承継を考えて準備を始めたので、そう考えています。

バブル世代の事業承継
私は、昭和40年生まれのバブル世代です。まだまだ十分仕事もできます。正直、事業承継にはまだ早いとも思います。周りを見ると大手企業、例えば、Panasonic(株)の次期社長は、昭和40年生まれ。三菱UFJ銀行の次期頭取となるテレビでも話題になった半沢さんも昭和40年生まれ。同い年です。
大手企業では、バブル世代が会社の中枢として、これから会社を支え成長させていく世代です。自治体もこれからバブル世代が上層部を占めていくでしょう。ここ数年は、今を一所懸命、事業活動をしなければいけませんね。
しかし、5年後以降、いわゆる還暦を越えると、やはり次世代、次の経営層にバトンタッチをしていかなければいけない世代です。まだ数年ありますが、準備という意味では、これから同時進行で考えないといけない世代です。

起業支援を始めて18年。創業者も10年後には事業承継が始まる。

2003年から創業支援の仕事を始めました。創業塾の講師や塾長、創業支援のイベント(交流会や講演会)、そして支援機関にある相談窓口での創業予定者への個々の相談対応です。私が住む山口県だけでなく、福岡県、広島県、岡山県、鳥取県、兵庫県、そして東京都で活動してきました。
近々では、防府市創業支援センターでのインキュベーションマネージャーをつとめ、カウントしている訳では無いですが、この18年間で、400名以上の創業者を輩出してきました。起業して継続して経営している人もいれば、廃業を選んで違う道に進んだ人もいます。これもカウントしている訳ではないですが、20%の100名近い事業家が持続した経営をしています。
創業支援をして即、創業した人は創業18年になります。そして、2020年に創業した人もいるので、昨年、創業した人は1年になります。18年~1年の経営者がいます。年齢にもよりますが、今の時点では、事業承継を考える人はいないでしょうが、10年先を考えると、現時点で創業15年を迎えている人は、創業準備を始めても早くはありません。敢えて早めに「事業承継の準備をしていきましょう。」と、啓発していくのも私の仕事だと考えています。

私が第2創業して17年目になりました。
友人達と立ち上げたIT企業を辞めて、やまぐち総合研究所有限会社を設立したのが、2005年で、創業支援の仕事を始めて1年後でした。創業支援をしながら自分自身も第2創業した訳ですが、一人企業に拘って、地道に仕事をしてきました。地道なんですけど、プロモーションを仕事にしていたので、メディアへの露出も多くて、地道には見えなかったかもしれませんが、、、
40歳での起業と31歳の時の起業との違いは、やはり家族がいることです。
31歳の時は独身で、時間もほぼ自由に使えましたし、給与が少なくても、何とか生活できました。40歳になると家族もありますので、環境が大きく違います。お金は要りますし、時間も制限があります。そして、両親も高齢になってくるので、健康面での世話も増えます。50歳からは、特に環境が変わったことを自覚しました。また、昨年(2020年3月)に父が他界して、より環境が変わりました。父は事業をしていませんでしたが、死後の法務的な手続きが結構大変で、時間も取られました。もし父が事業をしていたらと、思うと、ゾッとします。私は、事業をしているので、父よりも複雑で大変な死後の処理が発生します。自分自身の事業承継を考え、そして同世代、また諸先輩方の世代の事業承継のことを考えた際に、今からの準備が大切だと自覚したので、事業承継・M&Aの活動が自分事となり、これからの仕事にしていく決意をしました。


(故)ふるきを(温)あたためて、(新)しく(承)け継ぐ。

世代を軸にした事業承継、技術伝承、技能伝承を推し進めてい上で、「温故承新」というコンセプトを設定しました。

バブル世代も社会に出て、40年近くになります。従事した仕事、業種、職種と様々だと思いますが、長年働いていると、経験、知識、知恵、ノウハウが蓄積されています。これは、まさに自分の財産です。これをこれからの人生、そして仕事に活かす知的資産といいます。
これまでを振り返って、自分自身の棚卸しをしましょう。
そして、ただ単にこれまでの知的資産を使うだけでは意味がありません。
我々の世代以上は、知的資産を継承していくことも大事です。
これまでの知的資産を見直して、新しく受継ぐ活動を始める。
これが「温故承新」です。

温故承新1


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