名ばかりのイノベーションは、時間とコストの無駄遣いだ!!
世の大多数の企業では、イノベーションは機能しない。
イノベーション信仰を捨て去り、企業の本業の継続的な成長を志向するリノベーション(改善、修復)に取り組むべきである。
これまで長い間をかけて企業が培ってきた企業文化やブランドイメージ、そして自分たちの強みの上に新たな製品や市場を創り出していくべきである。
2009年からイノベーションの創出に取り組んできた私が、今から4年前に、この本に出会って、衝撃を受けました。
そして読み終えた時、イノベーションではなくリノベーションに取り組む思考に変わってきました。
この書籍は、2005年9月に日本でも出版されました。
「そんな新事業なら、やめてしまえ!」 セルジオ・ジーマン
既存の資産と能力を活かす6つの原則
1.思考パターンをリノベートせよ
2.ビジネス・ディスティネーションをリノベートせよ
3.競争的枠組みをリノベートせよ
4.セグメンテーション手法をリノベートせよ
5.ブランド・ポジショニングをリノベートせよ
6.顧客のブランド経験価値をリノベートせよ
コロナ禍の中、経営の立て直し、継続した経営を目指す経営者は
この6つの原則に着目すべきです。
事業性の評価をする仕事からわかった事
コンサルティングの仕事をする中、ビジネスコンテストや創業支援からの事業計画書を評価することが多くありました。3年前より、企業における事業の向上性を評価して採点する業務もするようになりました。年間300件の事業計画書と決算書を見ています。評価の件数をこなしていくと、事業性の傾向がわかり、アドバイスをしたくなることもあります。
特に、会社が持つ魅力的な事業資産を理解した時は、他の企業の事業資産と組み合わせたり、掛け合わせたくなります。
これが事業資産のリノベーションにつながります。
また、決算書を見ると創業歴の長い中小企業には、意外にも「内部留保」を多く持っている会社があります。
「内部留保」を持つ中小企業が、その一部を事業リノベーションに向けて投資をすればいいのにと考えていました。
しかし今回のコロナ禍においては、内部留保は会社の守りに使うべきだと思います。実際に社員の給与や経費に充てることができ、事業継続にも結びついています。
コロナ禍での内部留保を会社の為に使うことが最優先だと思いますが、
ここにきて、経営の守から攻への切り替えが始まり、新商品・サービスへのリノベーションが始まっていると実感しています。
まさに、ピンチをチャンスにする熱い行動が始まっているので、
経営者は乗り遅れないことです。
「そんな新事業なら、やめてしまえ!」との出会い
この書籍に出会ったのは5年前でした。
私は、知的資産経営を学び、創業支援や経営革新に活用していました。
2014年頃から全国で創業ブームが始まり、スタートアップ支援の企業も多く生まれました。支援者としてセミナーの運営をするとともに、アクセラレータープログラムにも参加して知見を高めていました。
こうした活動をしていたとき、Facebookのニュースフィールドに流れたのが、この書籍の紹介でした。
そこで、この書籍を購入したのですが、表紙の裏にあった「名ばかりのイノベーションは、時間とコストの無駄遣いだ!!」というキャッチに衝撃を受けました。
私自身、イノベーションからの事業創造の難しさを実感するとともに、知的資産経営をコンサルティングの軸にしていたこともあり、「企業の本業の継続的な成長を志向するリノベーション(改善、修復)に取り組むべきである。」ということに、共感したのでした。
そこで未来リノベーション®事業を構想した
2019年は、私が設立したやまぐち総合研究所有限会社が15年目を迎える年で、2018年に2019年からの新たな事業活動を描きました。
イノベーションを否定する訳ではありませんが、リノベーションの重要性を実感していたので、事業、経営、会社、商品・サービス、そしてそのプロセスをリノベーションする新事業を描きました。
リノベーションというと、建物や地域の再生というイメージがあります。
この部分をビジネス的に捉えて、事業、経営、会社、商品・サービス、そしてそのプロセスを未来に向けてリノベーションする、未来リノベーション®を構想して、2019年からスタートしました。
リノベーションからイノベーションが生まれる
未来に向けたリノベーションを実現するには、イノベイティブな人の存在が必要です。
イノベイティブな人が集まり、事業創造を始めると、その中からイノベーションが起きるのではないでしょうか?
未来リノベーション®の啓発を始めた際に、多くの経営者からリノベーションからイノベーションが生まれるよね。という嬉しいお言葉を多くいただきました。
周りから「名ばかりのイノベーションは、時間とコストの無駄遣いだ!!」
と言われる前に、まずは事業のリノベーションを起こしていきましょう!
それが未来リノベーション®です。