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DXに向けてのFAXの崖

DXに関するフォーラムやセミナーで、2025年の崖が取り出されています。
DXにおけるデジタル化においても会社のFAXの存在は将来的な崖だと考えています。前回は、自宅にあるFAX。個人が使うFAXについて疑問があって、投稿しました。今回は、企業を軸にしたFAXの崖についてです。

FAXが使われるようになったのは?

1970年代に企業でFAXが使われるようになり、1980年代のOA化時代によって、FAXが大手企業だけでなく、中小企業や小規模事業者でも導入が進みました。多くの企業への導入が進めば、価格は安くなり、機能も高性能になっていきます。
・メモリー機能搭載
・感熱紙がトナー式に
・一斉同報機能
・高速回線
・高画質化
等々

そしてバブル期になるとFAXが低価格化され、個人向けのFAX、そしてFAX付き電話が家庭で使われるようになり、電機メーカーのFAX付電話の販売によって火がつきました。当時の松下電器産業株式会社が販売した「おたっくす」は、代表的な商品でした。SMAPがキャラクターとなって、テレビCMがバンバンと流れ、売れに売れ、家庭にFAXが普及していきました。

私は、OA全盛期にPanasonicのグループ会社に入社して業務システムの営業をしていました。入社直後は、パソコン業務システム、POSシステムの担当でしたが、4年目にOA機器担当となり、FAXの営業もスタートしました。当時はバブル後期、ビジネス界ではG4規格のFAXを企業に導入していただこうと活発に提案していました。また、販売店との取組みでは、一般家庭用の「おたっくす」の販売促進を行いました。BtoB、BtoCでのFAX販売の販売促進に従事したことから、デジタルでのBtoB、BtoCのノウハウを得ていきました。

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バブル期に通販会社のビジネスモデルが変化。

バブル期に一般家庭でFAXが使われるようになって、ビジネス界で大きく変わったのが、通販会社。個人向けにカタログ販売をしている業界です。
郵送された通販カタログから、注文を電話で受けるだけでなく、FAXで受けることができるようになりました。注文を24時間、FAXで受けることができます。
いわゆるBtoCでのビジネスモデルが大きく進化しました。
また、一般家庭でFAXが使われるようになって、個人間のコミュニケーションの手法が増えた。リンクしている「おたっくす」のように、子供同士での連絡手段、おじいちゃん、おばぁちゃんと孫のコミュニケーション。そして
学校や町内会、またはサークルでの連絡手段に大きく使われました。

一般生活者向けFAXの「おたっくす」は、イメージキャラクターにSMAPを採用したことから、テレビ効果、CM効果は凄く、展示会でもバカ売れでした。自宅の電話に「おたっくす」を接続するのが普通になってきました。
これにより、BtoCでの注文スタイルが確立されました。
一般生活者にFAXを販売する手法は、如何に体験させるか、使うことをイメージさせることが必殺の方法であり、例えば、孫がおじいちゃん、おばぁちゃんの誕生日に手書きの似顔絵を描いて、FAXで送る。このことをイメージしてもらえると売れていきます。消費者相手に通販を始めたい企業に対しては、FAXの世帯普及率を説明して、如何に効率よく受発注ができるかをイメージしていただくかを提案するのがセールスの基本でもありました。
これは、これからのDX推進にも繋がります。

BtoBでのFAX利用は?

Faxが単体ではなく、複写機と合体した複合機が主流となって、オフィスでは、複合機が中心となってOA化が進みました。
FAXには、時代とその進化によってG1~G4の規格があり、デジタル対応(ISDNを利用)できる機種(G4規格対応)によって、図面や写真など精細なものが、高速で送れるようになり、建設関係や印刷会社、報道機関などで
利用されました。
ちょうどバブル期がOA化でのFAX、複合機が全盛期であり、業種・業界、大手企業~小規模事業者まで導入されました。
また、金融機関ではOCR機能を活かして、企業間同士の振込みを金融機関を経由してのFAX振込が盛んになったのもこの頃でした。
FAXは、G3規格まではアナログ回線を使っていましたが、G4規格になってからデジタル回線を活用することからG4規格からデジタル化に対応した情報機器と言ってもいいのかもしれません。
インターネットがOA界に浸透してくると対応するFAXもリリースされます。インターネットFAX機能が単体、複合機に導入されて新たな活用方法が生まれていきました。

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山口県には、ユニクロで有名な株式会社ファーストリテイリングがあります。1996年全国の店舗が200店になる頃、FAXのリプレイスで販売店さんと営業し受注して納品しました。当時、店舗からの受発注はFAXが主流。そして、連絡事項などもFAXの利用が多くて、FAXの消耗度も激しい状況でした。この4年後、私は友人たちとITベンチャー企業を立ち上げて、OAからIT分野へと進化、変化していました。この頃は、株式会社ファーストリテイリングとITコンサルティング契約を結び、ITで業務改善のコンサルやシステム開発、イントラネット構築の仕事をしていました。インターネットFAXのテスト運用なども手掛けるとともに、業務改善でのITコンサルとシステム開発では、結果的にFAXの使用を減少させることに繋がりました。

FAXをDX対応していくには(まとめ)

一般家庭でのFAX使用はかなり限られた使い方になっています。参照
BtoCにおいて、一般消費者からの注文は、ネットからアプリからが普通になっています。これにより、企業側で注文者の履歴や購入動向などのデータが収集できるのでDXに繋がります。
一方 BtoBでの受発注では、まだまだFAXを使っている企業も多いと思われます。FAXでの受発注だと、FAXでの注文書をパソコンなどで導入している受発注しすてむに入力しないといけないので、業務に負荷がかかり、生産性が低くなります。まずは、FAX注文方式をネット注文方式に変えるIT化を進めていくことが対応になります。このIT化が進めば、データとしても収集できるので、マーケティングや新商品の開発などにもデータが活用できるでしょうし、人を介さない自動受発注そして顧客管理、AIによるカスタマーサポートへと繋がると考えます。これがDXになります。
FAXをDX化する。社内での課題にして、外部の専門家を交えてDX化への行動計画、実務計画を立案して対応に取り組んでいくことが望まれます。それが、2025年までに完了できると、DXに取り組んだ成果になるでしょう。

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