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「フリーランスな日々」フリーランスとしてのキャリア転換の経緯

フリーランスとしてのキャリアに関する体験談を目にすることが多いですが、多くの方は明確な意思を持って独立されています。私も同様に計画的にフリーランスになった――と、言いたいところですが、実際にはまったく意識せず、偶然の流れで独立することになりました。以下、その経緯をご紹介します。

外資系コンサルから大手SIerへ

私はもともと外資系コンサルティングファームに勤務し、20年間にわたりSAP関連プロジェクトのマネジメントを担当していました。ただ、実際のSAPの操作や画面にはほとんど触れたことがなく、20年間、一度もログインすらしたことがありませんでした。とはいえ、業務面では常にクライアントと議論を交わす立場にあったため、業務知識には強い自信を持っていました。

しかし、外資系企業特有の厳しい業績目標や、部下の評価管理に疲弊し、退職を決意。辞める直前にハイクラス転職支援サイトに登録していたこともあり、すぐにエージェントから連絡があり、大手SIerの面接が設定されました。

初めての面接では、SAP部門の事業部長と対話する機会がありました。その方は非常に熱意のある方で、「数年以内に外資系SAP部隊と同等の事業基盤を構築し、競争力を持った組織を作る」というビジョンを熱く語られていました。その熱意に圧倒され、最終的に新規ビジネス企画職として入社しました。

想定外の環境変化と転職の決断

しかし、入社後2ヶ月で状況が一変。4月の組織改編で、その熱血事業部長はSAP事業の責任者を退任し、後任にはSAP未経験の人物が就任。私自身もSAPプロジェクトに現場メンバーとして配属され、結果的に約3年間、プロジェクト現場で勤務することになりました。

そしてある日、社内報でその事業部長の退職が発表されました。その瞬間、自分もこの会社を去るべきだと決意しました。

フリーランスとの偶然の出会い

退職後、ハローワークに登録し、雇用保険を受給しながらしばらくのんびり過ごそうと考えていました。その間、転職サイトやSAP案件の求人サイトに登録し、なんとなく情報収集をしていました。

そんな折、SAP案件の求人サイトから連絡があり、「生産管理のSAPコンサルタントを探している」という案件を紹介されました。クライアントとの面接で要件を確認し、「生産業務には問題ありませんが、SAPの操作経験はありません」と伝えたところ、「SAPのアクセス環境を提供するので、1ヶ月もあれば対応可能でしょう」との返答。最終的に案件を引き受けることになりました。

契約の詳細を確認すると、「業務委託契約」とのこと。企業における業務委託の仕組みは理解していましたが、個人での業務委託とは何か?と疑問に思い、担当者に尋ねると、「フリーランス」という働き方について詳しく説明を受けました。これが、私がフリーランスという世界を知ったきっかけです。

それまで何十年も会社員として働いてきた私にとって、まさかこの年齢(50代中盤)でフリーランスになるとは思いもしませんでした。なお、フリーランス契約を結んだため、雇用保険の受給資格を失いましたが、代わりにハローワークから「就職お祝い金」を受け取ることができました。

フリーランス3年目の現在

現在、フリーランスとして3年目に突入。これまで食品メーカー、電子機器メーカー、住宅メーカーなど、複数の企業で経験を積んできました。業務内容も、構想フェーズから「Fit to Standard」コンサルティング、パラメータ設定まで多岐にわたりますが、一貫してロジスティクス領域に特化しています。現在は、大手電機メーカーの生産管理コンサルティングに従事しています。

結果的に、計画的ではなく偶然の流れでフリーランスになりましたが、振り返ればこの働き方が自分には合っていたのだと実感しています。

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