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経営基礎①

経営の基礎について解説していきます。

経営理念から内部・外部環境分析~具体的なマーケティング戦略について、2部に分けて解説していきます。




1.経営理念・ビジョン

経営理念や企業ビジョンは人材確保時における会社の『顔』となり、経営基本方針や経 営計画の前提条件となるものである。

<経営理念(社是・社訓とも言う)> 会社のトップ(社長)の夢や希望、理想・存在理由などを文字にして表現したもの。 会社が存在する目的・意義。

<ビジョン> 経営理念をより具体化したもの。社会貢献・対消費者・対従業員・自己実現などに関 する目的・目標など。

起業はこれを実現するために存在していて、そのためのビジョンです。

理念を実現するための手段が事業であり、
これを展開するために必要なのが環境分析です。

2.企業の外部環境と内部環境

外部環境でビジネスチャンスがあるところに
内部環境の強みをもって打って出ることが理想です。

そのための分析フレームワークが
SWOT分析や3C分析ですが、整理すると以下のような関係性にあります。

SWOT分析

事業戦略立案のためのフレームワーク。環境分析のスタートとなる分析ツールとして 使われる。 自社の強み(Strength)、弱み(Weakness)といった内部要因と、市場や顧客獲得 の機会(Opportunity)、脅威(Threat)といった外部要因をマトリックスにして客 観的に分析します。

強みで機会を捉え、脅威を排除し
弱みを克服し機会を活かし、脅威を回避します。

3C分析

3C分析とは、外部環境の市場と競合の分析からKSF(重要成功要因)を見つけ出し、 自社の戦略に活かす分析をするフレームワークですが
顧客・市場 ( customer )分析をする際に、wantsとneedsを分けて考えることが重要です。

例えば、なぜ居酒屋行くのか?
友人と会話してストレス発散したいから・・・wants
ビールを飲みたいから・・・needs
と分けて考えることできます。
まずはwantsから考え、それを支えるneedsとは?という順序です。

洗い出せた各needsを競合と自社で比較し、自社の強みを見いだします。

やらないことを決めるのも大事です。

PEST分析

PESTは政治・経済・社会・技術の頭文字であること広く知られていますが、外部環境「機会」「脅威」のPEST分析はどんな視点で分析すればいいのか?

更に踏み込むと以下のような観点で分析を行います。

Political 政治的環境要因
法規制(規制強化・緩和) 税制 裁判制度、判例 政治団体の傾向

Economic 経済的環境要因
景気 物価(インフレ・デフレ) 成長率 金利・為替・株価

Social 社会的環境要因
人口動態 世論・流行 教育水準 治安・安全保障 宗教・言語 自然環境

Technological 技術的環境要因
技術開発投資レベル 新技術の普及度 特許

また、SWOTの脅威を分析する際にファイブフォース分析も活用できます。

ファイブフォース分析

これはハーバード・ビジネススクールのマイケル・E・ポーター教授の考案した業界分析のフレームワークです。 ある業界を(1)業界内競争が激しいか否か、(2)新規参入障壁が高いか低いか、(3)代替品があるかな いか、(4)消費者の力が強いか弱いか、(5)供給業者の力が強いか弱いか、という観点から分析します。

代替品→新たな競争環境の脅威を分析できます。

例えばカーナビ
スマホの発展によりカーナビ需要は減った。のように考えることができます。

ここまでは外部環境に関するフレームワークの紹介でした。

続いて内部環境分析で、企業価値を見つけるフレームワークを解説します。

VRIO分析

VRIO分析とは、企業の内部経営資源を分析するために使われるフレームワークである。 1.Value(経済価値)、2.Rarity[Rareness](希少性)、3.Imitability(模倣可 能性)、4.Organization(組織)の4つに区分されており、その区分ごとに分析を することで企業の経営資源が競争優位をどれだけ持っているのかを把握できます。

コアコンピタンス分析

顧客に自社ならではの利益(価値)をもたらすことのできる、他社が簡単にマネできな いような独自の技術、スキル、ノウハウの組み合わせで構築される中核となる競争能力 のことを指します。競争優位性の源泉となるため、経営戦略構築には欠かせない要素となります。

<コアコンピタンスの要件>
・競争相手にマネされにくい
・顧客価値(顧客が認める価値)を創出する
・展開力がある

例)富士フィルムの精密技術
カメラフィルムの製造工程において求められるマイクロレベルでの精密な技術力を もとに、フィルム製造から、カメラ等の映像関連分野、医療・健康分野、文書・印 刷関連分野へと発展。

ここまで、自社の強みを把握することができたら、具体的に戦略を考えていきます。

事業領域=ドメイン(どの市場で戦うのか)を策定します。

3.事業ドメイン設定

まずは誰に・何を・どのようにという大枠を整理します。

①顧客(市場)軸 WHO
誰(どの市場)に対して事業を行うのか
例)
「沿線住民への生活サービス」(鉄道会社)
「富裕層を対象とした金融サービス」(金融機関)

②技術軸 HOW
どのような技術・ノウハウを活用して事業を行うのか
例)
「バイオテクノロジーによる新薬の開発」(製薬会社)
「光学技術を軸とした事業」(光学機器メーカー)

③機能軸 WHAT
どのような機能(価値)を顧客に提供する事業なのか
例)
「女性の美と健康に関する事業」(エステ運営会社)
「快適なオフィス環境の提供」(事務機メーカー)

このうえで、具体的にどの市場を攻めていくのかを検討します。

アンゾフの成長マトリスク

<戦略の構成要素>
製品・市場分野・・・自社の製品と市場のニーズから進出分野を明らかにすること
成長ベクトル ・・・成長させる分野を考えること
シナジー ・・・新しい分野に進出することによって得られるシナジー効果(相乗効果)
競争上の利点 ・・・他社との優位性を考えること

事業ライフサイクル

事業を展開していく際に、事業のライフサイクルを予め把握しておきましょう。
特に、ベンチャー企業が勢いをもって成長していくものの、それは継続されることがないので、次のビジネスを並行して生み出す必要性がよく求められるケースです。

なので、既存ビジネスの成長期~成熟期の間に次のビジネスのタネを撒いておくことが重要です。成長期~成熟期にはキャッシュ=利益が生まれているので、これを資源配分する考え方をもっておきましょう。

その際に活用するフレームワークがプロダクトポートフォリオマネジメントです。

プロダクトポートフォリオマネジメント

【問題児】は導入期に多いです。
【花形】は成長期。
売り上げは伸びているけど利益があまり出ていない【金のなる木】は成熟期。利益が出ているタイミングなので、これを次の投資へ回す。
問題児にある新規事業に回すのか、既存事業の研究開発に充てるのか
もしこれができなかった際には、【負け犬】に落ちてしまう。。

というように事業ライフサイクルとこのプロダクトポートフォリオマネジメントは連動しています。


ここまでが事業のドメイン=戦う市場を決めるまでの過程です。
次に、その市場でどう戦っていくか競争戦略を定めます。

最後までご覧いただきありがとうございました!!




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