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4つの共通言語を3ヶ月で図解した話

きょんです。

図解総研の基礎研究プログラムの第一回が今年の8月に完了し、その成果としての図解を公開しました。

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図解総研は、共通言語の発明というミッションのもと、さまざまな専門家の方々と共同研究をしています。

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研究の過程は、大きく3つに分かれていて、基礎研究、開発研究、応用研究という流れで研究が進みます。

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基礎研究は、外部の研究員と3ヶ月の間ディスカッションをしながら、共通言語の種を見つける活動です。

今回の基礎研究プログラムは第一回ということもあり、プログラムを手探りの状態で進めましたが、今回のプログラムを通して、どんな過程で共通言語が発明されていくかの学びを得ることができました。

そのため、それぞれの共通言語がどんな過程で発明されたのか?共通言語を図解するために重要なことは何か?を公開したいと思います。

基礎研究のスケジュール

基礎研究の3ヶ月のプログラムは、5回のゼミを通して共通言語を発明していきました。

基礎研究まとめ資料.002

図解総研では、共通言語をつくるときに、役割分担を明確にしています。

パートナーの専門家の方々から専門性を提供いただき、図解総研は専門的な情報を構造化する、という役割分担です。

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今回の基礎研究でも、研究員は専門家としての役割を担ってもらいました。

そのため、図解総研、研究員の役割は以下のように整理して進めました。

▼図解総研の役割
研究者が研究テーマを深ぼる上でのパートナーとして、一緒に考えたり、情報を構造化したり、それを図解にするサポートをしたりします。基本、研究者へのフィードバックは図解総研が行います。

▼研究員の役割
自らの研究テーマを追求します。図解総研のメンバーにサポートをもらいながら、3ヶ月後の最終全体ゼミでの報告に向けて進めます。

このような役割分担のもと、共通言語の発明が、各言語ごとに進められました。順番に説明していきます。

パーパスモデル図解

パーパスモデル図解は、特定の事業やプロジェクトにおけるステークホルダーとその役割、個々の目的、そして共通目的を可視化するツールです。

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パーパスモデル図解は、以下のような過程で発明が進められました。

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第1回ゼミ時点で研究員の方に共有いただいた内容では、イノベーションを起こすための場に共通する要素は何か、ということを検討していたため、「目的」「場」「人」「社会」と多くの項目が多く並んでいました。

そこで、第2回ゼミには図解総研側から、表現したい内容をより表せるフォーマットは何かを検討して、特に「目的」に焦点あてた図解を提案させていただき、その内容をもとに、ブラッシュアップしていきました。

第5回ゼミまでの間にいくつか事例を当てはめながら、共通言語のフォーマットの調整や、情報の過不足の検討をしてアウトプットを精緻化していきました。

最終発表段階までにかなりの精度で共通言語としてのフォーマットを整えることができ、当初想定していた以上の可能性の検討ができました。

結果、研究員の公開したnoteでも大きな反響をいただき、noteのおすすめにも載ることができました。

▼パーパスモデル図解の詳細

▼研究員のnote

貧困問題図解

子どもの貧困図解は、日本においてなぜ子どもが貧困の状況下におかれてしまうのか、またその状況から抜け出しづらい構造にあるのか、といった点について、親と、子どもの養育に関わりうるステークホルダーである行政、地域、民間の三つを配置し、それらステークホルダーとのコミュニケーションの状況を表現することで、子どもの貧困の問題の構造を可視化するツールです。

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子どもの貧困問題図解は、以下のような過程で発明が進められました。

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この事例についても、説明したい内容が一定整理されている状態で第1回ゼミを迎えました。この共通言語の開発で特に焦点となったのは、図解の対象をどうするか、ということでした。

第1回〜2回ゼミ段階では、日本の貧困全体について扱う想定でしたが、貧困問題の中でも、特に研究員の関心の強い、子どもの貧困問題に焦点を絞ることで、膨大な情報の中で優先順位をつけて整理をすることができ、第3回にて共通言語のフォーマットの叩きへとつなげることができました。

その後、子どもの貧困がどんなパターンがあるのか、それらのパターンによってはフォーマットで対応できないことがあるのか、といったことを議論しながら、図解を精緻化していきました。

▼子どもの貧困問題図解の詳細

教育プログラム図解

教育実践図解は、教育に関わる色々な実践的取組のカタログです。特に、各実践の学校活動の中での位置づけが理解できるツールとして作成したものです。

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教育実践図解は、以下のような過程で発明が進められました。

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第1回〜2回ゼミ段階では、教育の現場での取り組みそのものを図解しようとして情報を整理していました。

しかし、その後に議論を進める中で、取り組みの前にある学校の受け入れ体勢やICT環境等、インフラがそもそも重要であるということが見えてきて、取り組みが学校活動全体のなかでどう位置づくのか、という問いに焦点あてながら、議論を進めることができました。

その整理をもとにしつつ、情報の優先度や、どういった人に何が伝わるといいのか、といったことを議論していったり、実際に事例を洗い出すことで、情報の想定に過不足がないかと検証しながら進めていきました。

▼教育実践図解の詳細

インターネット利用規約図解

インターネット利用規約図解は、インターネット上のサービスを利用する上で現状あまり読まれていない「利用規約」に着目し、その利用規約をどれだけ注意深く見た方がいいかについて、コンテンツの権利処理の観点から安全性を可視化したツールです。

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インターネット利用規約図解は、以下のような過程で発明が進められました。

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最初は、利用規約全体について図解しようとして情報を整理していました。第3回のゼミまでは、テーマについての前提を整理したうえで、対象事例を集めることで、利用規約全体について図解するために必要な情報を、どのように構造化できるのかを探りました。

しかし、研究員との議論の中で、ユーザーの権利がどう保護・担保されてるのか、みたいなことが課題意識として強いことがわかり、それならユーザーコンテンツの権利処理に特化しようということになり、そこから図の整理を進めていきました。

▼インターネット利用規約図解の詳細

第一回基礎研究全体を通しての学び

ビジネスモデル図解や環境問題図解を始め、これまでさまざまな共通言語を発明してきましたが、その発明の過程がこれまで暗黙知であり、どうやって共通言語が作られていくのか、ということが整理されていないままでした。

しかし、共通言語を一から作っていく基礎研究の過程を通して、研究員の方と共通言語の発明のために必要なことは何かをコミュニケーションしていくことを通して、以下のようなプロセスで共通言語が作られていくのではないか、という整理をすることができました。

共通言語の策定プロセス

ここで重要なことは、図解をすること以上に、テーマ設定や情報構造化のプロセスが大事だ、ということです。

どの共通言語を作るにしても、どんな事例を、どのような共通項で構造化し、整理するのか、ということを定める必要があります。

今回の基礎研究の実例を通して感じたことは、最初持ってきたテーマは大体大きすぎたり、ちょっと焦点がずれてたりするため、議論を通して、焦点が絞られていくことが大事である、ということです。

そのため、共通言語を作っていくためには、テーマや目的についての相互認識をしたうえで、事例を洗い出したり、要素を洗い出していきながら、目的や課題意識とテーマ設定をどうリンクさせるかを考えるプロセスがとても大事なんだなと改めて認識しました。

今後の動きなど

基礎研究でつくった成果については、研究員と図解総研で共同で権利を持ち合い、両者がつかえるツールにします。これらの基礎研究でつくられた共通言語は、次のステップとして、開発研究へと移行します。

開発研究は、企業や研究機関などある分野で専門的な立場にある組織と正式に協働し、研究を進めます。

もしこれらの共通言語に興味をお持ちの方、ブラッシュアップに協力したいという方いらしたら、ぜひご連絡ください!

さっそく第一回の基礎研究での成果について、出版の話が持ち上がっていたり、他社とのコラボレーションが進んでいます。

また、第二回基礎研究プログラムも9月からスタートします。またプログラムが完了した段階で、成果や気づきを報告する予定です。

以上です。

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図解総研
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