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PLATEAUの図解

PLATEAU(プラトー)を図解してみました。
この図解は「政策図解」という形式で書かれています。政策図解は、1枚で政策の基本的な情報をモデル化するものです。

追記:
ついに「政策図解」が本になりました。これまでnoteで書いた記事を大幅加筆して生まれました。社会のしくみがみえてくる、50の政策を図解した本です。よければぜひご覧ください!

PLATEAUとは、日本の都市データの整備・活用・オープンデータ化を急速に推し進める取組。こう説明されるとなんだか難しそうと思う人も多いかもしれない。しかしこの取組を具体的に知ると、自分が住む街の面白さが見えてくるかもしれません。それでは政策図解と一緒にどうぞ。

PLATEAU

3D都市モデルの整備・活用・オープンデータ化を進める取組

PLATEAUの政策図解

日本の都市データの整備・活用・オープンデータ化が、国主導で進められているのをご存知だろうか?

PLATEAU(プラトー)」と名付けられたこのプロジェクトは、都市活動のプラットフォームデータとして3D都市モデルを整備し、 そのユースケース(活用事例)を数多く生み出している。さらにこれをオープンデータとして公開することで、誰もが自由に都市のデータを引き出し、活用できるようになることを目指している。

3D都市モデルとは、都市空間に存在する建物や街路といったオブジェクトに名称・用途・建設年といった情報を付与することで、都市空間そのものを再現する3D都市空間情報プラットフォームのことだ。

例えば、都市の建物を高さのデータで絞り込むことや、浸水の危険ランクごとに色分けして表示することもできる。

こうした機能をもつ3D都市モデルには、以下3つの提供価値があるとされている。(※1)

ビジュアライズ(視覚性):都市空間を立体的に認識できるため、市民に対する説明力が上がり、意思決定がスムーズにできる。

シミュレーション(再現性):立体情報をもった都市空間をサイバー上に再現することで、自動運転やドローンなどを含め幅広く精緻なシミュレーションができる。

インタラクティブ(双方向性):フィジカル空間とサイバー空間がインタラクティブに情報を交換し作用し合うためのプラットフォームを提供できる。

とは言っても、言葉ではなかなか説明しにくいので、興味のある方はぜひ実際に使ってみて欲しい。ブラウザ上でPLATEAUのデータを見れる「PLATEAU VIEW」(※2) や、PLATEAUのオープンデータを利用できるポータルサイト(G空間情報センターHP内)(※3)がある。

では、どのようにしてこの画期的なモデルが生まれたのか。少し歴史を振り返ってみる。

日本では1995年の阪神・淡路大震災の経験等をきっかけに、地理情報システム(GIS)の整備が本格的に始まった。

地理情報システムは、地図情報を手がかりに、位置に関する情報を持ったデータ(空間データ)を視覚的に表示し、高度な分析や迅速な判断を可能にする技術である。(※4)

ただ、その元となる地図情報が電子化されていないことや、データ仕様が異なり活用できないことが原因で、関係省庁がそれぞれ整備を進めなければならない状況になっていた。

1 https://www.mlit.go.jp/plateau/about/
2 https://www.mlit.go.jp/plateau/app/
3 https://www.geospatial.jp/gp_front/
4 https://www.gsi.go.jp/GIS/whatisgis.html

しかし、このように情報が分断されていては、これからの時代の変化に追いついていけなくなる。

持続可能な都市開発、災害対策、パンデミック対策など社会にあふれる課題を解決し、都市のポテンシャルを最大限引き出すためには都市の情報を分野横断的に統合・可視化し、都市経営のデジタルトランスフォーメーションを進める必要がある。

こうした強い課題認識と、新型コロナウイルスの影響を受けてDX化の機運が高まっていたことが追い風になり、2020年4月にPLATEAUが立ち上がったのだ。

2021年8月には、全国56都市(面積約1万㎢、建物約1千万棟)の3D都市モデルをオープンデータ化した。(※5)

さらには開発したユースケース44件と、実証成果を取りまとめた各種マニュアル・技術資料等10件が公開されている。すごい情報量だ。

単にモデルを整備するだけでなく、ユースケース等の開発にも力を入れているのは、「3D都市モデルはデータの集合体であり、データはソリューションとして活用してこそ価値がある」(※6) と考えられているためだ。

これまでに、官民による様々な分野での実証実験の他にも、特定の地域でのオープンデモや、PLATEAUのエンジニアコミュニティによる意見交換やハッカソンなどが数多く実施されてきた。

また、国土交通省の2022年度予算には、今後、以下の3点に取り組んでいく方針であることが記載されている。(※7)

(1)データ整備の効率化・高度化

(2)ユースケース拡充によるスマートシティの社会実装

(3)全国展開

特に、(2)では「脱炭素」や「モビリティ」などのスマートシティ実現に資するテーマでさらにユースケースの深掘りがされていく予定だ。

加えて(3)ではこれまでと違い、全国の地方自治体による3D都市モデルの整備・活用をプロジェクトが支援していくこととなる。

より社会的要請の高いテーマの深掘りと全国への普及が同時に進められることで、私たちの生活でもPLATEAUの成果に触れる場面も増えそうだ。

あなたが携わるビジネスの裏側にどんな都市の構造が隠れているのだろうか?

あなたが携わるビジネスに3D都市モデルを活用することで新たな価値が生まれないか?
そんなことを考えてみても面白いだろう。

https://www.mlit.go.jp/report/press/toshi03_hh_000078.html
https://www.mlit.go.jp/report/press/content/210326ProjectPLATEAUver1.0.pdf
https://www.mlit.go.jp/page/content/001420224.pdf

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説明は以上です。
ビジネスでも熱を帯びるDXは都市経営の中にもどんどん取り入れられているんですね。

今回の記事以外にも、様々な事例を図解で紹介しています。「政策図解シリーズ」というマガジンでこれまでの政策図解の記事がまとめられているので、よければ見てみてください。フォローもしていただけると嬉しいです。

以下、今回の記事のクレジットです。

図解&原稿:光武佳寿美
レビュー:近藤哲朗、吉備友理恵

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