「やった感」ではなく、「本当にできる」引き継ぎの仕方とは?
こんにちは!
Bizer teamのカスタマーサクセスや自社のバックオフィスを担当している佐藤です。
当社が提供しているBizer teamもそうですが、タスク管理ツールやマニュアルに価値を感じる大きなシーンのひとつとして「引き継ぎ」があると思います。
ただ、この引き継ぎ、これまで多くのお客様をご支援してきた中で、出てくるセリフが割と二極化しているなと感じています。
それは……
「Bizer teamを運用していたから引き継ぎもスムーズにできました!」
「可視化とかテンプレート(業務内容の型)の更新が重要ってそういうことだったんですね……!やっと意味がわかりました……」
です。
後者は、引き継ぎが発生したタイミングで準備が整っておらず、慌てて対応されたことが伺えます。
タスク管理や業務の進捗管理は、担当者がある程度固定されていて、うまく回っているうちは課題感を感じないものなんです。
実際は属人化していたり、業務内容のブラックボックス化が進んでいるケースが多いのですが、そういった潜在的な課題を一気に表面化させるのが──
そう、「HI・KI・TSU・GI☆」ですね。
さらに、この引き継ぎは、業務マニュアルとOJTを行えば万事OK、問題ナッシング!というわけにはいきません。
前任者が離れたあとにわからないことが多々発生するのが、古今東西、人類が経験してきた引き継ぎといえましょう。
今回は、「やった感」で終わらず「本当にうまくいく」引き継ぎのために、これまでBizer teamで数百社をご支援してきた経験や自社の引き継ぎ経験のもと、いくつかのポイントをお伝えできればと思います。
まずは手順を可視化しましょう
Bizer teamは、業務内容を可視化し、それをもとに日々の業務を進めていくためのツールです。
仕事を進めていく中で気づいたことや、もっとこうした方が良さそうということを反映していくことで、自然と更新される「生きたマニュアル」として活用できるのがひとつの利点です。
Bizer teamはチェックリスト形式で作業の手順を洗い出しますが、そのひとつひとつの手順(チェック項目)にリッチな機能がありながらも、シンプルでわかりやすいUIを心がけています。
最初から完璧なチェックリストを作ることは不可能(というか、かなり難易度が高い)なので、はじめはざっくりとした手順から可視化して、徐々にブラッシュアップしてもらうことを推奨しています。
では「本当に引き継ぎに使える」ポイントとは?
手順を可視化し、日々運用をしていきながら改善をしていく──これにより、ミスや作業時間が減ることはすばらしいことです。
ただ、それが「本当に使える」引き継ぎのための資料になるか、というと、実は別問題だったりします。
なぜか──。
これまでのご支援の中で、お客様のBizer teamのテンプレートを拝見させていただいたり、また、自社で使っているテンプレートをあらためて見てみると、「その人にしかわからない状態」になっていることが意外と多いことに気がついたのです。
この状態だと、引き継ぎや他の人がフォローする際に十分とはいえず、結局詳細はもともと担当していた人に聞くしかない、ということになってしまいます。
せっかくなら、「これを見れば作業手順がすべてわかる状態」のテンプレートにしていきたいものです。
そのためには、どこかのタイミングで一度、「テンプレートの相互チェック」を行っていただくことをおすすめします。
それぞれの業務は、それを主で担当する人が決まっていることも多く、そのため、テンプレートもその人が作り編集しているケースがほとんどです。
「その人にしかわからない状態」はそんな背景の産物ですので、解消するためには他の人の目でフラットに見直してみることが重要です。
というわけで、「本当に引き継ぎに使える」テンプレートにするために必要な相互チェックのポイントをお伝えします。
作業内容が理解できる表現になっているか
なぜその作業をやるのか、理由や背景が書かれているか
作業に関連する資料は添付(リンク)されているか
作業の前後関係は適切か
ツールの使い方が統一されているか
1については、自分にしかわからないような省略をしているケースが多いです。他の人が見て理解できる表現になっているかどうかを見直します。
2については、メモ欄に「なぜやっているのか」を記載すると良いでしょう。自分にとって当たり前になっている作業ほど抜けがちな観点です。
3も同様に、自分にとっては当たり前に把握している資料の置き場を、他の人にもわかるような状態にしておくことが大切です。
4は、日々の運用によって改善されている点がテンプレートに適切に反映されていないことが多いです。他の人が見ると、「なぜこの作業のあとにその作業をやるのか?」など疑問に思う部分が出てきます。
5については、人によって機能の使い方が違うことに気づいた場合、あらためてルール決めを行うと良いでしょう。
相互チェックをしてみて気づいたこと
実際に当社でも、この相互チェックを実施しています。
やってみると担当者の間でこんな気づきがありました。
チェック項目名はわかりやすく、と意識していたけど、思っていたよりも他の人がわかる状態になっていなかった
このチェック作業を通じて、リマインダー設定(テンプレートの機能)が抜けている箇所があることが判明した
他の人と使い方が統一されていない部分があることに気がついた
チェック作業および修正の作業は大変だが、これをやることによって他の人に安心して頼むことができた
相互チェックは定期的にやり続けることが重要だと思った
自分ではちゃんとしたテンプレートを作っているつもりでも、他の人が見てみると意外とわかりづらかったり、抜け漏れがあることがわかります。
今回はBizer teamを例にして紹介していますが、他のどんなツールや資料でも同じことがいえるかと思います。
やってみて初めてわかることもあるので、是非トライしてみてください!
相互チェックもタスクにして進捗を追うことが重要!
チェックを実施する際は、その内容をフィードバックして修正するという作業が発生します。
日々の業務と並行しながら進めていくことを考えると、チェック開始から修正完了まで数ヶ月を要する場合もあると思います。
単なるチェック作業と思わず、タスクにしてしっかり進捗を追うことが重要です。
タスクにする際は、これまでの可視化と同様に手順を明確にしましょう。
業務一覧の作成→対象のテンプレートの洗い出し→相互チェック→フィードバック→修正、といったところが大きな流れかと思います。
こういった作業は、いわば、実際に引き継ぎが発生するときに困らないための準備といえます。
そのため、現状で課題に直面していない状態で着手するというのは、どうしても腰が重くなりがちです。
そんなときには冒頭のセリフを思い出してみてください……
「Bizer teamを運用してたから引き継ぎもスムーズにできました!」
「可視化とかテンプレート(業務内容の型)の更新が重要ってそういうことだったんですね……!やっと意味がわかりました…」
みなさんには是非、前者の状態になっていただきたいと思っています。
「そのときになって起こること」をイメージすることが、本当にできる引き継ぎへの第一歩といえるかもしれませんね。