必要とされているのはどっち?
ある企業のコンサルティングで、部品のサプライヤーの方にヒアリングをすることになりました。
購入する部品の納期や品質を高めたり、価格を低減するためには、サプライヤーに「やれ!」と指示を出すだけでは限界にきているからです。
そこで、その企業とサプライヤーとの業務のつながりや情報のやり取りを知って、そこから問題を発見し、その企業とサプライヤーのお互いを見直すことで、まだまだやれることを見つけようという主旨です。
その企業のタスクマネージャーと一緒にその部品メーカを訪問して、サプライヤーと挨拶を交わしたときに、
「いつもお世話になっております。御社のおかげで弊社も何とか事業を続けることができています」
と、サプライヤーの重役が仰られました。
サプライヤーからすればその企業はお客様なので、部品を買っていただけることに感謝されていることがひしひしと伝わってきます。
ところが、ヒアリングが終わり、帰りのタクシーの中で、一緒にヒアリングをした企業のタスクマネージャーが私にお話しされたのは、
「はっきり言って、彼らの造る部品が無かったら私たちの製品は出来ません。あのサプライヤーのおかげで我が社も事業を続けることができているのです。感謝しなければならないのは我々の方です」
と。
とかく、調達・購買という目線では、買う側が偉くて売る側は買う側の言うことを聞くのが当たり前という感覚があるのですが、実は、売る側も買う側も対等の立場であり、お互いが必要としあっているからこそビジネスが成り立っていると言えます。
購入する部品の納期や品質を高めたり、価格を低減するには、お互いのことを知り、信頼関係を構築することが何よりも必要です。
今回は、そのためのヒアリングの場ということで、これからの展開が楽しみです。
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